2013_03
01
(Fri)00:00

甘いお菓子

SNSにUPしたSSです。

疲れたときは、甘いものが恋しくなりますよね。

私は、ガー○チョコが好きです!

あ、和菓子も好きです。ケーキも好き。

・・・・・なんでもいいのね~、と、あきれないでくださいませ。




【設定 原作沿い】

*あまり内容はありません。お時間のある方、どうぞ♪





《甘いお菓子》




春節も終わり、王宮にいつもの日常が戻ってきた。

いや、いつも以上の日常、であろうか。

春節の長期休暇で滞っていた政務が、山脈のように連なる政務室。

黎翔の自室などはもっとひどい。

部屋の入り口から政務机までの間に、ずらっと並んだ卓上の書簡は、もはや壮観である。

「・・・李順、これ、何の冗談・・・?」

ぱたりと机に倒れ伏し、黎翔は息も絶え絶え。

李順も、ふらふらとバランスを崩しながらなんとか立っている、という状態。

「・・・ふふふ、へいか。私が冗談嫌いなのはご存知でしょう・・・?」

「・・・・・ああ、そうだったな・・・」

「・・・・・ええ、そうですよ・・・」

黎翔と李順。

両者が放つ、真っ黒なオーラが国王の居室を満たす・・・・。






「お妃ちゃん!李順さんから伝言だよ!」

「なぁに?浩大。」

掃除の手を休めて、夕鈴は窓の外の浩大に目を向けた。

「陛下たち、すっごーく忙しくて、食事摂れないんだって。疲れが取れて、仕事をしながら食べられるものを、すぐに準備してくれ、だって!!」

「・・・そんなに、お忙しいの?」

「うん。すっごいよー。部屋が書簡だらけ。何かの冗談みたいにね。」

「・・・・わかったわ。すぐお作りします!!」

ぐいっと腕まくりをして、夕鈴は勇ましく厨房へ向った。

「おいおい!お妃ちゃん!着替え、着替え~!!!」

慌てふためく浩大の声が、夕鈴を追いかけた_______。





ほどなく、夕鈴は黎翔の自室を訪れた。


「______お邪魔、致します・・・」

どんよりとした空気。
窓から差し込む日の光さえ遮られてしまうほどの、真っ黒なオーラ。

「・・・・・夕鈴・・・・・」

地の底から這い上がるような、黎翔の声音に、夕鈴の背に嫌な汗が流れた。

「・・・へ、いか・・・?」

「・・・・・ゆうりんどの・・・」

どこからともなく、李順の声がする。

「・・・・こちら、へ・・・」

夕鈴は、耐え切れず。

「きゃぁぁぁぁぁ!!!!!」

大きな叫び声を、あげた____



「っ!お妃ちゃん?!」

「ここ、浩大!!」

腰を抜かして床にぺたりと座り込み、目をウルウルさせた夕鈴に、浩大は慌てて駆け寄る。

「大丈夫か?!」

とっさに、浩大は夕鈴を抱き上げようとした・・・・・・・・が。

カツンッ

浩大の頭巾が黎翔の小刀で飛ばされた。

「・・・・浩大・・・・・・!!!」

「へっ?!・・・あれ?陛下、いたの?!」

「・・・・あたりまえだ。」

「うわ~・・・・すげぇ。気配すら感じられないほど、憔悴してる・・・」

感心したように呟く浩大。

そのとき。


「・・・・ゆうりんどの、はやく、しょくじ、を・・・」

今にも死にそうな李順の声が聞こえてきた。

「は、はいっ!!」

夕鈴は何とか立ち上がり、奇跡的に放り出さなかった蒸篭を、しっかりと抱えなおす。

そのまま、部屋の奥へと進んだ夕鈴が見たものは。


「・・・ありがとう、ゆーりん。」

書簡雪崩が起きた国王の机の上で、くったりと倒れた黎翔。

その傍らには、書簡同様に崩れ落ちた李順。

「「・・・やっと、たべられる・・・・」」

寝食を忘れ、政務をし続けた国王と側近は、完全にダウンしていたのだった・・・・。






「あ~、生き返った~」

「・・・少し根を詰めすぎましたか・・・」


夕鈴が作った、甘い甘い、お饅頭。

それは、厚みのあるふかふかの皮にくるまれた、まるで白兎のようなお饅頭。

「お茶をお淹れしますね!」

ほっとした夕鈴は、なんとか元気を取り戻した黎翔と李順を、嬉しげに見つめた。


にこにことお茶を淹れる夕鈴を、黎翔も嬉しげに見つめ、李順は、

(これでどうにか陛下もやる気を出すでしょう・・・)

と、安心して2個目の饅頭に手を伸ばした______が。

「李順。もう食べるな。」

不機嫌な黎翔の声が。

「え?」

「・・・・・残りは全部、私のだ。」

「「ええ?」」

李順と夕鈴の声が重なった。

「こんなに夕鈴そっくりなお饅頭、李順は食べちゃダメ!」

「・・・・陛下・・・・」

真っ白な、兎のようなお饅頭。

よく見ると、ちょんっと赤い目がついており、可愛らしいことこの上ない。


蒸篭を独り占めして抱え込み、唇を尖らせ、文句を言う黎翔を、冷ややかに見つめた夕鈴は、くるりと李順に向き直った。

「・・・・それでは、李順さんには肉汁たっぷりの、肉饅頭をお作りしてまいりますね!」

「ゆーりん、それ、僕も食べた」

「けちんぼ陛下はお黙りください!!」

夕鈴にぎっと睨まれ、黎翔はしょんぼりと政務を始めたのだった・・・・・。
潤花   
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