2014_08
11
(Mon)15:48

LaLaデラックス9月号ネタバレSS「空衣」

こんにちは。
あさ、です。

先日風邪を引いたちび陛下が可愛くてくっついていたら、見事に感染。
今朝は喉が痛い程度でしたが、今はしっかり熱があります。
いつからこんなに身体が弱くなった、私。
病人との接触が濃密すぎたか。そうなのか?!

なら、本望です。←バカ



【LaLaデラックス9月号ネタバレSS】

《空衣》


「・・・よい、構うな。」

カツカツと渡り来る国王を出迎え、宿直の侍女たちは一斉に拱手し。
自分たちの主に向けられた寵の深さにひそかな満足を得る。





妃想いの王は、政務が忙しい日には夕刻を過ぎると使いをよこす。

『本日のお渡りはございません。ゆっくりと休むように、との陛下のお言葉にございます。』

_____だが。いつの頃からか。

不寝番の明かりが灯る頃、聞こえてくる靴音。
規則的に刻まれる迷いのないそれは、此処に入ることを許された唯一の男性のもの。

「お妃様、陛下が・・・」
「よい、起こすな。」

顔を見に寄ったまでだ。

そう言う王の頬に浮かぶのは、隠しきれぬ微笑。
侍女たちはそれに気づかぬふりをして、深く首を垂れる。

よほどの事がない限り、毎夜妃の顔を見に現れる王と。
その寵を一身に受けながらも少しも奢らぬ優しい妃に。


「・・・。」

足音を消して、寝室の奥を目指す。
夕鈴らしく綺麗に片付けられた寝室には、余計な家具はなく。
あるのは羅紗の帳に守られた寝台のみ。

「____。」

そうっと、そうっと、邪魔な布をかき分けて。
安らかな寝顔に吸い込まれてゆく。

「・・・・ゆーりん。」
「ん・・・」

ちょっとやそっとでは目覚めることなどなさそうな、健やかな眠り。
緩やかに上下する胸と、それに合わせて揺れる薄茶の髪と。
時折ふるりと震える綺麗な瞼。

僅かに開かれた果実の様に愛らしい唇からは、甘い吐息が。
吸い付くほどに柔らかな頬からは、離れがたい温もりが。

黎翔の理性を試す。

「んー・・・」

真上を向いて眠っていた夕鈴が不意に寝返り。
少し肌寒いのか、掛け布を引き寄せる代わりに僕の衣を引く。

「へー、かぁ・・・」

だめだよ、夕鈴。
ここにいるのは飢えた狼なんだ。
供せられた兎を食らいたくて仕方ない、残酷な狼なんだ。

「・・・・。」

もう少し。
あと少しだけ。

君を見ていたい。
君の声を聴いていたい。
君に触れられる距離にいたい。

僕だけの君で、いて欲しい。

君が衣を離さぬのをよいことに、それを着せ掛けて。
僕の香りと温もりに包まれて眠る君を見つめる。

本当の僕は、君に触れることはできないから。
______せめて、この衣で。

抱かせて。

この胸に。

僕だけの君を。
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2014/08/11 (Mon) 15:54 | # | | 編集 | 返信

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2014/08/11 (Mon) 19:04 | # | | 編集 | 返信

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2014/08/11 (Mon) 22:40 | # | | 編集 | 返信

くみ様へ

ありがとうございました。
どうにかこうにか、復活です(笑)

2014/08/16 (Sat) 22:03 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

狛キチさまへ

いつもコメントありがとうございます。
お仕事帰りの息抜きになれたのなら何よりです!
続き。
あるとしたら確実に春部屋です(笑)←普通に書け

2014/08/16 (Sat) 22:05 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

ぶんた様へ

なんて素敵な歌でしょう。
小野小町ですか。「はなのいろは」しか浮かばない・・・
私も一瞬空蝉が浮かびましたが、少し違うかな?と。
と言いますか、陛下ったら寝顔覗きの常習犯。
さすがです(笑)

2014/08/16 (Sat) 22:08 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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