2014_06
12
(Thu)19:55

道程5

あさ、です。

我ながら好きに書いてるなぁと呆れておりますが。
お付き合い頂きましてありがとうございます。

今回は諸事情により、場面がころころ変わります。
分かりにくい事この上ないSSで・・・あはは(おい)

誤字脱字その他、明日修正いたします。

雑な管理人ですみません。




《道程5》


何処へ行くのか分からないまま、馬車に揺られ。
もうどれ程乗ったろうか。

「・・・父さん、青慎。」

ふたりとも、巻き込んでごめんね。

不安に駆られるが、二人は何処か安全なところに移されたという宰相の言を今は信じるしかない。

何も変わらない日常を送るはずだった下町。
穏やかで平凡な日々が終わりを告げたことを、夕鈴は肌で感じていた。

あの日。
そう。

『手を出してはいかんのか。』

陛下に初めて会ったあの日から、もう始まっていたんだ。

今なら分かる。
「割りの良い短期の王宮バイト」
そんなものは初めからなくて。
騙された私が馬鹿だっただけ。

王宮での事を口外したら、一族郎党あの世行き。
そう念を押されていたじゃない。

浩大だって。
護衛なんかとは違う役目が本当はあるのかもしれない。

何も信じちゃいけない。
いけないんだ。

そう自分に言い聞かせて、座り心地のよい座席で膝を抱える夕鈴。
ぎゅっと瞑った目と、少し震える手。
小刻みに揺れる肩。

______お妃ちゃん。

痛々しい夕鈴の後ろ姿を、何とも言えない顔で見つめて。
そっと小窓を閉めた浩大は星空を見上げる。








「その耳は飾りか?」

命があったことに驚く水月と方淵に突きつけられる、白刃。
狼の牙は、冴え冴えと美しく。
補佐官の喉を狙う。

「我が妃の行方・・・柳氾打ち揃って分からぬと申すか?」

凄艶かつ凄絶な微笑。

その美しさに魅入られたように、水月は息を呑み。

一瞬の沈黙の後、申し出たのは方淵。

「お妃様をお探しする許可を、頂きたく。」

我に返ったようにそれに倣い叩頭する水月。

彼らを冷淡に見下ろした黎翔は、「早くしろ」と吐き捨て。

「____先ほどの戯言。二度と申すな。」

ようやく息を吐いた彼らの目の前に、細身の剣が突き立てられた。









「・・・おい、本気かよ。」

馬車が停まった門を見上げ、思わず呟く。
狼の『道具』でここを知らない奴がいたらモグリだ。

「ここは・・・安全、なのか?」

見覚えがありすぎるほどにある、殺風景な邸宅。
この邸の主は誰よりも信用できて、誰よりも信じられない・・・

側近、李順。

「胡散臭せぇ。」

チッ、と舌打ちした浩大の隙をつき、周は馬車の扉を開け。

「・・・」

座席に丸まって眠る兎を凝視した。

「____記憶から消しといやるぜ?」

にやりと笑った浩大は。

「・・・お願い致します。」

柔らかな兎を腕に収めた周の姿を脳裏に焼き付けた。
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