2014_06
10
(Tue)21:34

夫婦の特権

こんばんは。
あさ、です。

今書いている「道程」とはまったく別の未来夫婦SSです。
無性に甘味が欲しくなりまして。
書いてみたら無糖でした。
なぜだ。

読み流してくださいませ。





【設定 未来夫婦】

《夫婦の特権》




『お帰りなさい』

その一言が言いたくて、起きて待つ。

正妃の仕事は思ったより大変で。
日中はほとんど陛下のお傍にいられない。

夜だって、食事は独りきり。
陛下も政務の合間に食事を摂るから、やっぱり独り。

朝は朝議があるからほんの少ししか一緒にいられないし。
陛下は少しくらい遅刻してもいいって言うけれど。
それはやっぱりダメだと思うから、心ならずも陛下を追い出す形になってしまう。

だから。
せめて。

どんなに遅くても、眠くても。

待っていたい。

しっとりと湿った夜気を撹く、貴方の気配。
近づいてくる、軽やかな靴音。

少しずつ、少しずつ。

貴方が私に帰ってくるこのひと時が、すき。





『ただいま』

その一言が言える幸せを噛み締めたくて。
今日も君のもとへと帰る。

働き者の正妃は、仕事に励み。
一切手を抜かない。
かつての後宮ならば『正妃代理』として別の妃がしていた仕事も。
代理など永遠に居らぬから、彼女がするしかない。

それこそ、朝から夜まで。
正妃は働きづめだ。

もう少し寝かせてあげたくて毎朝寝台に縫い留めても。
「お仕事第一です!」
頬を真っ赤に染めて怒り出す。

生真面目な君は、愛しいが。
少しは甘えてくれてもいいんじゃないかな。

重たく湿った夜気を泳ぐようにして、後宮へ帰る。
僕を待ちわびる君を夢想して、頬が緩む。

自分でもわかるほど軽くなる足取りに苦笑しつつ。
今日も僕は、君に帰ってゆく。


季節は巡り、時は巡る。
今日と同じ明日はなく。
明日が来る保証など、どこにもない。

今日という日を、君と。
今日の終わりを、貴方と。
共に過ごし、眠りに就く。

それは、夫婦の特権。

恋人にはない、夫婦の語らいの時間。
積み重なる日々と。
巡りゆく時の重み。

今この時の幸せ。
稀有なる、この時に。

心からの感謝を。

あなたに。
きみに。
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2014/06/10 (Tue) 22:32 | # | | 編集 | 返信

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2014/06/10 (Tue) 23:33 | # | | 編集 | 返信

萌葱さまへ

ありがとうございますー!
少しは甘かったかしら。

2014/06/11 (Wed) 10:47 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

慎さまへ

お久し振りでございます。
でも日々慎さまの作品に癒されております。
きれい。
ゆっくりと頑張りますね。
いつも温かいコメントありがとうございます。

2014/06/11 (Wed) 10:48 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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