2014_03
05
(Wed)19:28

リクエスト第九弾「約束」後編

勢いって大事だと思うんです。
言い訳です、ごめんなさい。

久しぶりに時間が取れてですね。
調子に乗って一気書きしてしまいました。

狛キチさま。
せっかくのリクを一気書きしてしまい、申し訳ございません。
お詫びに初夜を書いてもいいでしょうか。←お詫びになっとらん



【設定・臨時花嫁】

《約束》後編



「浩大、痛いっ!!」

乱暴に腕を掴まれて、悲鳴を上げたけど。
浩大は無言で私を抱えて馬に飛び乗った。

「な、何なの?」

降して、と言いかけて、見上げた浩大の顔が。
いつもと全然違った。

噛み締められた唇と。
行く手を睨むように見据える隠密の、眼。
陛下が刺客と戦う時には感じなかった、恐怖が。
背筋を這いあがる。

知らない。
こんな浩大、知らなかった。

冷酷非情の狼陛下。
隠密。

私が知らない、陛下を。
浩大は知っていて。
私なんかが想像もつかない世界を生きてきたんだ。
そして。

______お妃ちゃん!

それでも明るく笑ってたんだ。

_____夕鈴。

優しい、陛下も。
怖い、陛下も。

私が知らないだけで、どっちも陛下なのかもしれない。

浩大がそうだったように。


そうだと、したら。

もし、『狼陛下』も『陛下』なんだとしたら。
『演技』も『本当』なんだとしたら。

陛下のくれたすべての言葉が、本当なんだとしたら。

「着いた。降りて。」

混乱の極みにいた私を抱き上げた浩大は滑るように抜け道を通り抜け。
国王の寝室へと向かった。


「来たか!早くこっちへ!!」

真剣な顔の老師が私を呼ぶ。
訳が分からぬまま、桃の花に埋め尽くされた寝台に向かうと。

人形のように横たわる、陛下がいて。

「あ・・・へい、か?どうし、て?」

抜け殻のようなその身体に、震えが止まらなくなった。

いや。
陛下。

「いやぁぁぁぁぁっ!!陛下、陛下っ!!起きてっ!!!」

縋り付いて、叫ぶ。

「お願いっ!陛下起きてっ!!お願い、目を開けてぇーーーっ!!!」

黎翔の身体を揺すり、泣き叫ぶ夕鈴の肩を。

「お妃様、お静かに!」

李順が抑え、窘める。

「お声を低く願います、お妃様。」

要らぬ刺客を呼び寄せるだけです、と諭されて。

「は、はい・・・ごめんなさい。」

我に返った夕鈴は、黎翔の頬にそっと触れた。

「李順さん・・・陛下、こんなに痩せ」
「誰のせいだとお思いですか?」

頭上から降る李順の声は、冷たく。

「え?」
「ですから、誰のせいで陛下がこれほど衰弱なさったとお思いかと伺っているのです。」

容赦なく夕鈴を追い込める。

「責任をお取り願います_____正妃様。」

すっ、と跪いた李順は。

「お願い申し上げます。」

頭を垂れた。



痩せた頬。
細くなってしまった首。
驚くほど細った手と。
浅い、息。

部屋中に散った、桃の花。

『______一緒に桃園に散策に行こうね。』

私が破った、陛下との約束。


「李順さん・・・陛下、は。」

どうしても聞きたくて。
問うた。

「優しい陛下も、怖い陛下も、どっちも、陛下、なんですね?」
「・・・はい。」
「分かりました。」

茶色の瞳に、光が宿り。

「私、陛下のお側にいます。ずっと。」

笑みが浮かぶ。

「・・・陛下。目を覚まして下さい。もう、お側から離れませんから。」

そっと、黎翔の手を握り。
その手を己の頬に当て。

「ここに、います。」

目を瞑る。

陛下、陛下。
ごめんなさい、気づけなくて。

「愛しています・・・黎翔様。」

掌に口付け、囁くと。
ぴくり、と、指が動いて。

「ゆー・・・り、ん?」

ようやく意識を取り戻した黎翔を。
差し込む朝日が照らした。








「まだ痛いから、ダメ。」
「こんな事するから余計痛いんですっ!」

麗らかな春の日。

「君に触れていれば痛みなど感じぬ。」
「そんな訳ありません!」

後宮の奥庭。
今はもう花を散らしてしまった桃園には。

「・・・ね?もう少しだけ。」
「____っ、もうっ!少しですよ?」

頬を桃色に染めた正妃と。
その正妃を膝に乗せた国王の姿が見られた。

「まだ傷が癒えてないのに!なんで私を乗せるんですか?!」
「気持ちいいから。それに・・・」

ちゅ、と頬に口付け。

「まだ、花を見てなかったから。」

濃い桃色に染まった夕鈴を。
嬉しげに見つめた黎翔は。

「ねえ、夕鈴。」

愛しい花を、柔らかく抱き締めて。

「______全部、見たくなった。」

「っ?!」

四阿の長椅子に、沈む。

「ああ、やはり綺麗に咲いているな。」
「っ!あ・・・んっ!や、ぁっ!」

甘くて優しい花の香りが届き。
柔らかな花が、黎翔を包み込む。

「約束通り、花を愛でよう・・・」

低くて甘い、狼陛下の優しい声が。
春の風に溶けた。

C.O.M.M.E.N.T

いやん。

もう、なんですか?
この執筆の速さ。私より忙しいはずなのに。
肝を据えた夕鈴好きです。
心なしか、浩大がかっこよかったのは、気のせいでしょうか。

2014/03/05 (Wed) 19:55 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

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2014/03/05 (Wed) 21:34 | # | | 編集 | 返信

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2014/03/05 (Wed) 21:50 | # | | 編集 | 返信

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2014/03/05 (Wed) 22:19 | # | | 編集 | 返信

Re

羽梨さまへ
いやん。
浩大かっこよかったですか?
嬉しいな。
新しいPCに慣れてきまして。
キータッチが馴染んできました。

2014/03/10 (Mon) 16:51 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

凛さまへ

ありがとうございます。
陛下を壊して楽しんでしまいました。
いつか斬られますね。(笑)
初夜もお楽しみ頂ければ幸いです!

2014/03/10 (Mon) 16:52 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

萌葱さまへ

一気読み!大丈夫でしたか??
初夜も書きましたので、どうぞ!(遅い)

2014/03/10 (Mon) 16:54 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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2014/03/12 (Wed) 11:55 | # | | 編集 | 返信

ちょこれーとぱふぇ様へ

こちらこそ、いつもありがとうございます!
今日も遊んで頂いてありがとうございました。
またお会いしましょうね。

2014/03/17 (Mon) 19:36 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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