2014_02
21
(Fri)20:09

リクエスト第六弾「温もり」

こんばんは。
あさ、です。

リクエスト第六弾は、ゆいまま様です。

「李順さん視点で。甘過ぎる陛下と夕鈴に李順さんがうんざりしている話とかいかがですか?砂糖てんこ盛り、クリームとチョコとあんこ混ぜるくらい甘くしちゃってOKです。←どんなだ」

との事でございましたので、頑張りました。
が。
ごめんなさい。
やっぱりまた方向性間違えたみたいです。

ゆいまま様、すいません・・・


ご注意下さい。
少し大人なSSです。
どこが?
と思われた方。
深く考えないで下さい。
お願いします。


【設定・未来夫婦】

《温もり》


どれほど分厚い衣を纏おうが。
幾重にも布団に包まろうが。
寒いものは、寒く。
無駄に広い王宮は、天井も高くて。
どれほど暖めても、暖めきれるものではない。

「北の方がまだマシだったんじゃない?李順。」

王位について初めての冬を迎えた黎翔は、部屋の中でも外套を離さず。
膝を抱えて執務椅子に座り、カタカタと震え。
およそ北国育ちとは思えぬ姿を晒していた。

「陛下、しゃきっとなさって下さい!」

さほど重ね着をしたとも思えぬのに、平気な顔をした李順。
何度も開け閉めされる執務室の扉から入り込む外気は、その長い髪を微かに揺らし。
長身を窮屈に縮こまらせて暖を取る黎翔は、常と変らぬその姿に感嘆の吐息を漏らした。

「李順はさ、寒くないの?」

渋々ながらも外套の隙間から手を出し、筆をとり。
少しだけ出した指先で書簡を転がし、読み進める。
つんつん、と黎翔に指先で操られた書簡はコロコロと机上を彷徨い。
ひとつ、またひとつ、と、散乱していった。


あの頃も、今も。

「陛下の寒がりは、もう筋金入りですね。」

黎翔の寒がりは健在で。

「夕鈴、夕鈴、早く早く!」

_____いや。更に酷く。

「ほらほら、早く乗って?寒くて凍えちゃうよー!」
「大げさな・・・」
「李順何か言ったか?」
「・・・いえ、何も。」

狼と小犬を器用に使い分け、側近を睨み付けた黎翔は。

「夕鈴・・・こっち、おいで?」
「う・・・どうしても、ですか?」

李順の視線を気にし、頬を朱に染めて恥らう妻を、手招きする。

________もう、何でもいいから早く手を動かしてください、陛下。

喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ李順は。

「正妃様。政務が滞ります、お早く。」

元上司の容赦のない口調で、正妃を促した。




さらさらと筆が滑る様に動き。
書簡の山が整然と築かれる。

国王の外套にすっぽりと包まれた正妃の頬は相も変わらず真っ赤だが。
黎翔が機嫌よく政務に望めるならば、背に腹は代えられぬ。
李順は正妃の気を病ませぬよう、できるかぎり主から視線を逸らしていた。

「・・・夕鈴、もう少しこっち。」
「っ!は、はぃ・・・」

静まり返った夜の執務室。
声は、嫌でも聞こえる。

「ほら、ダメだよ。手を離しちゃ。」
「で、でも・・・」

微かに聞こえる、夫婦の会話。
外套の中で恥じ入る正妃の声音は、微かで。
くぐもっている。

「あと少しで終わるから・・・ちゃんと、して?」
「ほんとに、あと少し、です、か・・・?」

さらさらと流れる筆の音。
混じり始めた、甘い吐息と。
乱れ始めた、正妃の呼吸。

______陛下。何をなさって、いや、させてるんですかっ。

ちらりと主を盗み見れば。
それはそれは幸せそうな狼の笑みが自分を見返し。

残った書簡の数を素早く数えた、李順は。

「お疲れ様でした、陛下、正妃様。それでは私はこれで失礼致します。」

ガタン、と立ち上がり。

「______ごゆっくり。」

深々とため息をついて、退室した。


まだ墨の香が漂う執務室に響くのは。
王と正妃の甘い声。

「何もしてないのに・・・ほら、もう、こんな・・・」
「ぁんっ・・・だって、へいかが、あんなことさせるから・・・んっ!」

ぎしり、と椅子が軋み。

「まだ、夜は長い・・・」

嬉しげな黎翔の声が、夜気に溶け。
温かな空気が、二人を包んだ。

C.O.M.M.E.N.T

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2014/02/21 (Fri) 21:17 | # | | 編集 | 返信

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2014/02/21 (Fri) 22:55 | # | | 編集 | 返信

ゆいまま様へ

この度はリクエストありがとうございました。
陛下、なにやらせたんでしょうねぇ。
ふふふ。←
李順さんは大変だ、と、つくづく思いました。
頑張れ側近さん!負けるな側近さん!

2014/02/24 (Mon) 15:51 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

萌葱さまへ

コメありがとうございます。
ほんとですね、一番大変なのは夕鈴かも!
頑張って!夕鈴!

2014/02/24 (Mon) 15:51 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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