2014_02
12
(Wed)23:07

何処へ 11

こんばんは。
あさ、です。

一周年記念リクエスト、ありがとうございます。
まだまだ受け付けておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

さて。
「何処へ」。
実はまだ続くのですが、とりあえず一区切りです。
頂いたリクエストを書かせていただきながら、「何処へ」も気長に書いていこうと思います。

お付き合い頂ければ幸いです!



《何処へ 11》


暁闇から始まる、成婚の儀式。

まだ明けきらぬ内に、身を清め。
珀家としての婚儀と、白陽国としての成婚の儀を、同時に進める。

「・・・本来なら、一月以上かかる儀式なんですがね。」

それを一週間で終わらせろと命じた主の必死な顔を思い浮かべて。
李順は苦笑した。


長きに渡り、辛抱強く。
内乱平定時とはまた違う努力を、陛下はなさった。

耳を傾け、思案を巡らし。
穏やかに。

_______賢王。

かつてそう謳われた父王を彷彿とさせる。
いや。
それ以上を思わせる威容を身につけた。


三年前の、あの日。

失えないはずの物を自ら握り潰した、陛下は。
後悔を、学ばれた。

取り返しのつかぬそれは、陛下の心を壊し。
再び得た宝は、陛下の心を創り直した。


「・・・『春』を、お届けに上がりました。」


そう言って、陛下の頬に唇を寄せる、この方は。
この国の春を象徴し。
国王に並び立つ、正妃。

この世の春を謳う、二人に。

李順はゆっくりと、跪いた。




成婚式を終えた夜。

「・・・ふう。」
「疲れた?夕鈴。」

黎翔は、くったりと長椅子に沈み込んだ夕鈴の前髪を掻き上げ。
そっと額に口付けた。

しゃらしゃらと心地よい音色を奏でる髪飾り。
リン、と鳴る耳飾。

「少し疲れたけど・・・大丈夫です。」

そう言って黎翔の胸に当てられた手と、金糸銀糸に彩られた衣装から覗く手首には。
宝石をちりばめた飾りが重たげに揺れていて。

「外して、あげるね。」

気の毒なまでに重そうなそれに、黎翔は手を伸ばした。


ぱちん、と軽い音を立てて外される装飾品。
ひとつひとつ、丁寧に取り除かれるごとに、身体が軽くなる。

「あ・・・楽になりました。」

純粋に嬉しくて、微笑むと。

「まだ、重いでしょ?」

固く結ばれた帯が、魔法のように解かれた。



とくん。

心臓の音が重なる。
貴方と私の、こころの音。

ぴたりと寄り添う肌が、心地よくて。
さらりと揺れる貴方の髪が、柔らかで。
ふわりと漂う貴方の香が______大好き。


最近、気付いたのは。

陛下が臣下に柔らかな笑みを見せるようになった事。

・・・私だけが知ってる、陛下だったのに。

心の狭い私は、少し悔しく思ってしまうけれど。
陛下は、この国の王様だから。

その素敵な笑顔を、みんなに見せて上げなきゃいけないんだ、って、思う。

でもね?

「ここで、だけは・・・私の陛下で、いてね?」

力の限り抱き締めて。

私は、貴方を。
貴方は、私を。

求めるの。

「ずっと、一緒にいてね?陛下。」
「離さないでね?夕鈴。」

何度も繰り返し、確かめ合って。

何処までも続く、二人の時間を。

この掌に。


何処へ行こうと。
何処までも。


貴方と。
君と。

C.O.M.M.E.N.T

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2014/02/13 (Thu) 03:44 | # | | 編集 | 返信

萌葱さまへ

はい!夕鈴が強いと私も思いました。
やっぱりうちの陛下は少し脆弱かも(笑)
「何処へ」。また、思い出したように続きを書けたらいいなと思います。

2014/02/16 (Sun) 14:02 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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