何処へ 9
一応、東京に住んでおります。
なのに、なぜこれほどに雪深い?!
いつ車が動かせるようになるんだろうか。
水曜日車使いたいんだけどなぁ・・・
何処までも続く、「何処へ」。
この次は、きっと鍵付です。
あまり間を開けずに更新したいと思うのですが、さてどうなるか。
《何処へ 9》
「李順、どうしてもダメ?」
執務机に突っ伏して駄々を捏ねる主を、ものすごく嫌そうに見下ろして。
「お分かりでしょう?陛下。成婚の宴は七日間、七日間、ですっ!」
李順はもう何度目になるか分からぬ台詞を吐いた。
「えー・・・・七日もー・・・」
魂が抜けていくような黎翔の声に、李順は深々とため息をつき。
「宴が終われば正妃様と二人きりでしょう?」
「でも次の日も儀式があるでしょ?」
何を当たり前の事を、と言わんばかりの表情で。
「それはまあ、そうですが・・・」
軽い音を立てて手元の書簡を揃える。
「それじゃ、物足りないんだよー。」
手足をバタつかせる黎翔の傍らに詰まれた書簡の山は、すべて処理済で。
成婚式に向けた黎翔の気合を物語っていた。
「だってさあ、」
「はいはい。」
書簡を箱に移しながら、李順は適当に相槌を打つ。
「三年だよ?三年も子ども作るの我慢したんだよ?成婚式が終わって、やっと!って思うのも、無理ないでしょ?」
「そうですか?」
むぅ、と頬を膨らませた黎翔は、ガバッと起き上がり。
「そうだよ!僕がどれだけこの日を楽しみにしてたか!」
力説する。
「三年我慢なさったんです、あと七日楽しみが延びるくらい、何てことないでしょう?」
「だめ!七日後は月の物が・・・」
その時。
ガシャン。
扉の外から派手な音が聞こえ。
「へ、陛下・・・一体何を・・・っ!」
「夕鈴?!」
「ああ、貴重な青磁が・・・」
侍女を従えた夕鈴の足元に、無残な姿の菓子が散らばった。
「あ、あんな事を李順さんに言うなんてっ!!」
声を震わせて怒る夕鈴の頬は、真っ赤で。
ちらりと覗く耳までが、真紅に染まっている。
「信じられませんっ!!!」
黎翔を睨み上げる瞳は、潤んでいて。
「夕鈴は怒っていても可愛いな。」
「もうっ!知りませんっ!!」
李順は、もはや見慣れた光景となった夫婦喧嘩を微笑ましく眺め。
「・・・お世継ぎのご誕生は早いに越した事はございません。」
ぼそりと呟く。
「少しくらい早くても、問題ないですよ。」
「____っ!」
動きを止めた国王の背に、側近と侍女は礼を取って退室した。
「・・・・なるほど。そうだな。」
にっ、と笑み。
「________だ、そうだ。夕鈴。」
「は?」
小首を傾げて自分を見上げる妻に、にじり寄る。
「え?ちょ、え?!」
「励むとするか。」
黎翔は愛しい妃を軽々と抱き上げ、奥の間へと姿を消した。
なのに、なぜこれほどに雪深い?!
いつ車が動かせるようになるんだろうか。
水曜日車使いたいんだけどなぁ・・・
何処までも続く、「何処へ」。
この次は、きっと鍵付です。
あまり間を開けずに更新したいと思うのですが、さてどうなるか。
《何処へ 9》
「李順、どうしてもダメ?」
執務机に突っ伏して駄々を捏ねる主を、ものすごく嫌そうに見下ろして。
「お分かりでしょう?陛下。成婚の宴は七日間、七日間、ですっ!」
李順はもう何度目になるか分からぬ台詞を吐いた。
「えー・・・・七日もー・・・」
魂が抜けていくような黎翔の声に、李順は深々とため息をつき。
「宴が終われば正妃様と二人きりでしょう?」
「でも次の日も儀式があるでしょ?」
何を当たり前の事を、と言わんばかりの表情で。
「それはまあ、そうですが・・・」
軽い音を立てて手元の書簡を揃える。
「それじゃ、物足りないんだよー。」
手足をバタつかせる黎翔の傍らに詰まれた書簡の山は、すべて処理済で。
成婚式に向けた黎翔の気合を物語っていた。
「だってさあ、」
「はいはい。」
書簡を箱に移しながら、李順は適当に相槌を打つ。
「三年だよ?三年も子ども作るの我慢したんだよ?成婚式が終わって、やっと!って思うのも、無理ないでしょ?」
「そうですか?」
むぅ、と頬を膨らませた黎翔は、ガバッと起き上がり。
「そうだよ!僕がどれだけこの日を楽しみにしてたか!」
力説する。
「三年我慢なさったんです、あと七日楽しみが延びるくらい、何てことないでしょう?」
「だめ!七日後は月の物が・・・」
その時。
ガシャン。
扉の外から派手な音が聞こえ。
「へ、陛下・・・一体何を・・・っ!」
「夕鈴?!」
「ああ、貴重な青磁が・・・」
侍女を従えた夕鈴の足元に、無残な姿の菓子が散らばった。
「あ、あんな事を李順さんに言うなんてっ!!」
声を震わせて怒る夕鈴の頬は、真っ赤で。
ちらりと覗く耳までが、真紅に染まっている。
「信じられませんっ!!!」
黎翔を睨み上げる瞳は、潤んでいて。
「夕鈴は怒っていても可愛いな。」
「もうっ!知りませんっ!!」
李順は、もはや見慣れた光景となった夫婦喧嘩を微笑ましく眺め。
「・・・お世継ぎのご誕生は早いに越した事はございません。」
ぼそりと呟く。
「少しくらい早くても、問題ないですよ。」
「____っ!」
動きを止めた国王の背に、側近と侍女は礼を取って退室した。
「・・・・なるほど。そうだな。」
にっ、と笑み。
「________だ、そうだ。夕鈴。」
「は?」
小首を傾げて自分を見上げる妻に、にじり寄る。
「え?ちょ、え?!」
「励むとするか。」
黎翔は愛しい妃を軽々と抱き上げ、奥の間へと姿を消した。