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2013_02
18
(Mon)21:55

ライバル

SNSで6000人目のお客様になられた、t様からのリクです♪



ご注意下さい!!
【本物夫婦・お子さま有】
陛下のキャラが崩壊気味です。
捏造しまくりです。

苦手は方は、ご無理なさいませんよう・・・・。



《ライバル》



白陽国の太子は、5歳になると『謁見の儀』を行い、以後公式行事に出席が義務付けられる。

黎翔と夕鈴の長男は、今年で5歳になり、吉日を選んで儀式を執り行うこととなった。



その当日。

愛しい我が子の初めての公式行事に、正妃は大変に緊張していた。

正妃らしく装い、化粧も施され、
息を呑むほどに美しい仕上がりなのだが、
いつもは桃色の頬もすっかり青白くなり、
肩は緊張で微かに震えている。

・・・・・青慎の任官式の時よりはマシだと思ってたのに!!

心の叫びを押し隠し、夕鈴は控え室で陛下の到着を待ちながら、必死に笑顔を浮かべ、緊張を周りに悟られないよう努めていた。

・・・が、努力もむなしく、愛らしく緊張する正妃の心情は、優秀な侍女達にはすっかりばれており。

労わりの微笑を向けられていることに、気付かないのは夕鈴だけ・・・・。







一方、父親である黎翔は。
自室で・・・・いじけていた。

長椅子に突っ伏し、ピクリともしない。
が、感心にも衣装だけは、儀式用のものに着替えていた。


深いため息をつきながら、側近は窘める。

「ほらほら、陛下。頑張りましょう。『謁見式』ですよ?おめでたい儀式なんですよ?」

「・・・・『謁見式』、なんて、めでたくないよ・・・」

蚊の鳴くような声で答えた黎翔の言葉を無視し、話し続ける李順。

「・・・懐かしい儀式です。・・・あの日のことは鮮明に覚えてますよ。貴方の母上様のお美しさに臣下の視線と王の視線が集中して、主役である兄君の影が薄れてしまうほどでしたからね。________思えばあれが始まりでしたか。」

だが、懐かしくも物騒な思い出に耽る李順の言葉など、今の黎翔には届かない。
なぜなら。


「・・・むすこのばか・・・ゆうりんをかえせ・・・」

大人気ないヤキモチで全身を蝕まれているからである。


側近は、深々とため息をついた・・・・。





あぁ、もう二ヶ月、夕鈴と二人っきりで過ごせていない。
式の練習や準備で、夕鈴が忙しかったからだ。
・・・・百歩譲って、それは承知するが。

なぜ夜まで!!

夕鈴は、幼い我が子が不憫だと、この二ヶ月、毎夜皇子を抱いて眠っていた。
当然黎翔は、皇子が寝入った頃を見計らって、夫婦の時間を過ごすために、愛しい妻を起こそうとするのであるが・・・・・。

夕鈴の聖母の様な寝顔に、玉砕する日々が続いていたのだった。

・・・が。何事にも限度というものがあるだろう!と黎翔は思う。
だが、面と向って夕鈴に思いを伝えれば、きっとものすごく怒られる。

もちろん、皇子は可愛い。この上なく大切は、可愛い我が子だ。

・・・・だけど、だけど!!!

側近に負けないほど、深く深くため息をついた黎翔は、
今日さえ終えれば!の思いを胸に、いや、それだけを糧に、のろのろと立ち上がったのだった。







控え室で夫を待つ夕鈴のもとに、笑みを浮かべた黎翔が現れた。

「・・・・待たせたな、我が妻よ。・・・顔色が優れないようだが、大丈夫か?」

「お気遣いありがとうございます。陛下。少し、緊張してしまって。・・・でも、大丈夫です!私よりあの子の方がずっと大変な思いをしているはずですもの!!」

胸の前で握られた夕鈴の手は、カタカタと震えていた。

その手をそっと包み込み、黎翔は妻の肩を抱く。

「・・・大丈夫。私たちの子だ。きっと、度胸だけはあるさ。」

久しぶりに触れた夫の温もりに、夕鈴は緊張がほぐれていくのを感じていた。

そして、

「・・・・そうですね、私たちの子ですものね。」

頬を桃色に染め、ふわり、と夫に微笑みかけた。





夕鈴の心配などどこ吹く風、とばかりに、皇子は堂々と優雅に儀式を進めた。

父王譲りの紅の瞳と漆黒の髪。
母后譲りの柔らかい微笑。

威厳と優しさを兼ね備えた息子の姿に、夕鈴は涙腺が緩むのを止められず。

・・・黎翔は、微笑みながらも、胸騒ぎを感じていた。






その夜、宴が終わり、国王一家は久々に家族団欒の時を過ごし、
着飾ったままだった夕鈴は、幸せな気分で、侍女に促されて先に湯殿に向った。



そして夕鈴のいない居室では。

_____父と息子の戦いの火蓋が切って落とされた。




「今日からは、一人で寝なさい。」
「えぇー、僕、母上と寝たい!!」

「だめだ。母上は、父上のものだ。」
「違うよ、母上は、僕の。」

「私の!!」
「僕の!!!!」

「湯上りの母上のいい匂いと一緒じゃなきゃ、僕眠れないよー。」
「・・・我が子でなくば、斬り捨てるところだぞ・・・」

「父上、こっわーい!そんなんじゃ、母上に嫌われるよ?」
「うるさい。母上は、怖い父上も好きなんだ。」
「・・・・自信満々だね・・・・」


先ほどまで和気藹々とした温かい空気で満たされていた居室は、
いまではブリザードが吹き荒れる極寒の様相を呈している。

もしここに水月がいれば、早退確定だ。


「・・・・おまえは、もう2ヶ月も母上を独り占めしたろう。・・・少しは父に譲れ。」
「・・・・うーん・・・・。じゃぁ、母上に決めてもらうのはどう?」
「それじゃ、おまえが勝つに決まってるだろう!」

両者一歩も引かない戦いは、夕鈴が戻ってきた途端、終止符が打たれた。

「今日は疲れましたね。さぁ、陛下も皇子も、早く寝なさいね?」

「母上!」
「夕鈴!!」

「「僕と一緒に寝よう!!」」

さすが親子、ぴったりと息が合う。

一瞬目を丸くした夕鈴は、くすっと笑うと返事をした。

「じゃぁ、みんなで一緒に寝ましょうね?」

「「えぇーーー!!!」」

親子の狼の不満げな遠吠えが、後宮に響き渡ったのだった・・・・・。




☆おしまい

「ヘタレで残念な陛下」がお題でございました。ぷぷぷ。

C.O.M.M.E.N.T

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2016/03/30 (Wed) 14:48 | # | | 編集 | 返信

うさき様へ


懐かしいSSからのコメント、ありがとうございます。
心の狭い陛下が「この世の春」のニュートラルです。(笑)

2016/03/30 (Wed) 22:28 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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2016/04/02 (Sat) 20:04 | # | | 編集 | 返信

Re: To あささん

親子話は突然書きたくなるんです。
最近書いておりませんので、何か降ってこないかしら。
完全オリキャラのお子様たちを楽しんで頂けて嬉しいです。

2016/04/07 (Thu) 21:58 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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