2014_01
06
(Mon)13:24

察する

昨日はSNSで仲良くして頂いているお義母さまのお誕生日でした。
何をプレゼントしたものか、迷いに迷って、リクエスト権をプレゼント。(迷惑)
そうしたら、素敵なリクエストを下さいましたので、拙いSSを贈らせて頂きました。


リク内容。(以下原文)


”李順さんからみた国王夫妻”をお願いします。

臨時妃設定。陛下と夕鈴はすでに両思い(恋人同士)、でもまだ秘密にしている。
一方李順さんはあまりの仲の良さにめっちゃくちゃ不安に思っている。
「陛下・・・それは本当に演技でしょうか・・・!?」って、毎日悩まされて胃に穴があく寸前ww←酷

もう、びっくりするくらい甘いお話にしちゃってください!!!



なんなら春部屋直行でもいいよ、と仰られてらしたことは、秘密です。


では、どうぞ。

あ、微妙に大人っぽいです。気をつけて下さいね?




【設定・恋人だけど臨時】
【微妙に大人っぽいです】


《察する》






「・・・もう、朝ですね・・・」
「・・・うん。やだなぁ。」


二人で過ごす寝台の心地よさは、凶悪なほどで。
黎翔は今朝も理性を総動員した。








政務を終えて、いつも通り夕鈴の部屋に渡り。
おしゃべりをして、お茶を飲んで。

「じゃあ、おやすみ。」

そう言って、自室に戻り。

深夜。


________俺にまで隠すの?へーか。


そう言って笑う道具に、小刀を贈り。
黎翔は夜毎、足を運ぶ。

誰にも見つからぬよう、ひっそりと。
愛しい娘の待つ部屋へ、と。




「夕鈴、寝ちゃった?」

かたん、と微かな音を立てて窓が開いて。
夜気を纏った愛しい人が、私の元へとやって来る。

「お待ちして、ました。・・・黎翔様。」

二人だけの時にしか呼べぬ名を口にして。

嬉しい。

その想いを身体で表す。


「・・・ふっ。」

冷え切った体から夜着を滑り落として。
温かい私の身体を、沿わす。

貴方が好きだと言ってくれる、私。
その全部を、貴方に触れさせる。

「・・・ぁ、ああ・・・」

微かに零れる、喘ぐような貴方の吐息。
徐々に早まる、鼓動。
きゅっ、と瞑った目。
微かに開かれた、唇。

脚を絡めて、手を這わせて。
唇でまさぐり、肌を合わせる。

今だけ。

今だけは。
誰の目にも触れぬ、この帳の中だけは。

私と貴方は_____恋人。









朝日が昇る頃、夕鈴は必ず目覚めて。
僕を起こす。

二人の関係は、秘密だから、と。
哀しげに笑って、僕に口付けて。

「さ、早くお戻り下さい!」

明るく、見送る。




「・・・今朝は冷えるね、へーか。」

回廊の上から声が降ってきた。

「うるさい。」
「えー、せっかく人が親切に報告しようと・・・っ!ちょ、危ないって!」

浩大が言い終わるより先に。
黎翔の長剣が回廊の屋根を下から貫く。

「早く言え。」
「はいっ!李順さんが待ってます!!」
「っ?!」

一瞬黎翔の足が止まり。

「・・・どうするの?陛下。」

浩大は少し低い声で。

「_________どうも、こうも、ない。」

強張った表情で歩き始めた主の後を、追った。





「こんな早くから何用だ、李順。」

長剣を提げて不機嫌を隠さずに現れた主に、軽く頭を下げて。

「宰相から緊急の要件が_______」

私は淡々と用件を述べる。


鍛錬に行かれていた。

そう思おう。

不快感を訴える胃が少し痛みますが。


『昨夜からどちらへ行かれていたのですか、陛下?』


それを正面から問うつもりなど、ございません。


臨時は、臨時。
偽者ですから。

まさか、そんな。
・・・そんな、ことは。


「・・・ありえません。」


署名済みの書簡を手に。

李順はげんなりとした顔で、宰相が待つ執務室へと向った。









さすが李順だ。

有能な側近に、腹が立つ。


一言聞いてくれたらいいのに。

『どこに行かれていたのですか?』
『夕鈴のところ!』

それで済むのに。

夕鈴は絶対に僕たちの関係を認めないだろうから。
李順が認めちゃえば、それで全部大丈夫なのに。


よし。
こうなったら。

分からせてやる!!



黎翔の瞳が、紅さを増した。









「お妃様、陛下が政務室にてお呼びでございます。」
「わかりました、すぐに参ります、とお伝え下さい。」

今日は呼ばれないはずだったのに。

そう思いつつも、夕鈴は散策を切り上げ、身じまいを正し。
政務室へと向った。



「______お呼びと伺いまして。」

さらり、と衣擦れの音をさせ、優雅に裾をさばき。
隠しても隠し切れぬ艶を帯び、夕鈴が現れるや否や。

「待ちかねたぞ。」
「きゃっ!」

黎翔は妃を抱き上げ。

「私の側を片時も離れるなと、昨夜あれほど申し付けたはずだが・・・忘れたか?夕鈴。」
「っ!」

鼻先が触れそうな距離にまで顔を近づけ。

「まだ分からぬなら、今宵も_______」
「なっ!」

獰猛なまでの艶を放ち。

「朝まで、寝かせぬ。」
「っ?!」

真っ赤な顔で固まる夕鈴の項を固定して。
噛み付かんばかりに、唇を寄せ。

ちらり、と。
李順を見やる。


陛下、いくらなんでも演技過剰でしょう?!


そう言いたげな顔で。

「陛下!書簡が滞っております!!」

李順は叫んだ。









全く、どこまでが演技なのか。

ふぅ、とため息をつき、李順は空を見上げた。

ちらりと自分を見つめた、あの瞳。

端と足が止まる。


_______まさか、そんな。


先ほど、抱き上げられた時。
夕鈴殿の頬が染まったのは。


『まだ分からぬなら、今宵も_______』


そう。
あの時だった。

抱き上げられた時も驚いていたが、頬を染めたのは、あの言葉に反応したからだ。
初心な夕鈴殿があの言葉で即座に頬を染めるだろうか。


ああ。

まさか。


いや。


「・・・・やはり、と、言うべきでしょうかね。」


ざあっ、と渡る、冷たくも柔らかい風が。

苦笑を浮かべる李順の髪を揺らした。
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C.O.M.M.E.N.T

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