2014_01
05
(Sun)14:03

お別れ

こんにちは。
あさ、です。

思いつくまま気の向くままに書いておりますもので。
色々おかしい所も多いかと存じますが、どうかご容赦願います。

私が書いているのは、私の妄想です。
小説と呼べる代物でない事は重々承知です。

ご不快に思われましたら、申し訳ございません。
ですが、これから先も、私はこんな物しか書けないでしょう。

叶う事ならば、これからも。
皆様と一緒に楽しめればと思います。




それでも、宜しいでしょうか?








【設定・色々捏造・バイト終了・恋人】



《お別れ》





どこまでも広がる、草原。

地平線のそのまた先までずっと続いているであろう、緑が。

もう引き返せないのだ、と。

私に告げる。








「頼む、夕鈴。この手を取って。僕を置いていかないで。」

綺麗な紅い瞳が潤んで。

「・・・私の側に、居てはくれないだろうか。」

差し出される、陛下の手。


借金が終わって、もう二年が経って。
貴方は私を愛してくれて。
私も貴方を愛した。

「_______お別れ、です。陛下。」

自分の声が遠くから聞こえる。
なんて冷たい、酷い声。

「これ以上ここに居たくないんです。」

ほら、汀夕鈴。

「王宮も、後宮も・・・へい、か、も。」

言わなきゃダメ。

「________だい、きらい。」


そう。
これでいい。

これで、いいのよ。




下町に帰ってすぐ、几鍔に頭を下げて頼み込んだ。

_______馬鹿が。俺に任せろ。

くしゃ、と頭を撫でてくれて。

_______ほとぼりが冷めたらうちの嫁におなり。

おばば様は、私の代わりに泣いてくれた。


青慎は官吏になって。
父さんは、後添えを貰った。

私は。
緑の檻に閉ざされた遠くの土地で。

誰にも知られず、陛下の御子を産んだ。











ここ数年、夜の下町は物騒だ。
日が落ち、月が高く上るころ。
紅い瞳を光らせた、長身の男が出没する。

ふらふらと、歩き回り。
かつて汀家があった、章安区を歩き回り。

________いない。

哀しげに呟き、姿を消す。


そんなある日。

「・・・おい、李翔。」
「几鍔、くん?」

いつも通り夕鈴を探し回る黎翔の背に。
几鍔が声をかけた。



翌朝、王宮。


「すぐに周を呼べ。」

いつになく切羽詰った様子の黎翔は、早朝から執務室に詰めきり。

「李順。これだけ捌けば、十日ほど留守しにしても問題は・・・」
「大丈夫です、起こさせません。陛下。」

李順は真剣な顔で書簡を確認する。



_______アイツ、死ぬつもりだぞ。


几鍔の言葉が黎翔の頭の中をぐるぐると回り。


_______黒髪紅眼の男の子を連れて、俺の嫁になる。


ダンッ、と大きな音を立てて。
黎翔の右手が、壁を叩く。


_______そしたら、アイツは。お前の邪魔にならないように。


ぎりっ、と噛み締めた唇から血が滲む。


_______いなくなるつもりだ。


ガタンッ、と立ち上がった黎翔は。

「陛下!必ず夕鈴様と御子をお連れして下さい!!」

李順の必死の叫びを背に受け、走り出した。







どこまでも続く、緑。
どこまでも続く、空。

どれだけ離れていても、繫がっていて。
手は届かなくても、心は飛んでゆく。

「母さん?」

さらりとした黒髪は、大好きなあの人の。

「どうしたの?泣かないで。」

くるりとした紅い瞳は、大切なあの方の。

「大丈夫だよ、もうすぐ王都に行くんでしょう?そしたら、母さんの病気もすぐ良くなるんでしょう?」

ごめんね、嘘をついて。

治らない、の。
この病は。

母さんの病と、一緒。
母さんもこんな気持ちだったのかしら。


陛下。
叶う事なら。
もう一度・・・呼んで?


『夕鈴』


そう、その優しい声で。


『夕鈴、夕鈴。』


大好きな声で。


わたし、の。

愛しい、へい、か。




「・・・母さん、寝ちゃったの?」

小さな掌を母の頬にあて。
微かに上下する胸を安心したように見つめて。

「・・・助けてよ、へいか。」

意味も分からずに、自分を呼ぶ、小さな背中。


「_______っ!」

言葉も無く、抱き締めて。

「待たせて、すまなかった。」

震える自分の声を聞きながら。
見る影も無く痩せ衰えた夕鈴を、柔らかく包み。
黎翔は我が子を見つめた。

「・・・。」

じっと自分を見つめ返す、愛らしい瞳。
その真紅は王族の証で。

「・・・とう、さま?」

浮かぶ笑みは、探し続けた、愛して止まぬ大切な人のもので。

「安心しろ。父さまが母さまを助ける。必ず、な。」
「はいっ!」
「良い返事だ。」

にっ、と笑った黎翔は、夕鈴を抱き直すと。

「老師!浩大!早くこちらへ!」

幸せな夢を見ているのだろうか。
うっとりとした笑みを浮かべ、安らかに眠る夕鈴の額に。
そっと口付け。

「お別れは、言わさないから。」

そう言って、老師に夕鈴の脈をとらせる。

「ねえ、どうなの?母さま、元気になるの?」

見知らぬ老人を心配げに覗き込む我が子の頭を撫でながら。

「大丈夫だ。必ず良くなる。」

黎翔は祈るような気持ちで、目を瞑る。


夕鈴。

私とこの子を置いて、どこにも行くな。


そんな父の姿を、不思議そうに見つめた、紅い眼が。

「陛下、お救いできますぞ!」

嬉しげに騒ぐ老人の声を背に受けながら。

「え?へいか?」

大きく見開かれ。

「父さまが、へいか?」

艶やかな黒髪を、さらりと揺らして。

まるで子兎のように、小首を傾げた。





「お別れ2」へ
察する   
«  HOME  »
  不在4

C.O.M.M.E.N.T

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2014/01/05 (Sun) 16:51 | # | | 編集 | 返信

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2014/01/05 (Sun) 22:54 | # | | 編集 | 返信

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2014/01/05 (Sun) 23:19 | # | | 編集 | 返信

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2014/01/06 (Mon) 00:13 | # | | 編集 | 返信

凛さまへ

励ましのお言葉、ありがとうございます。
嬉しいです。
陛下、息子と夕鈴を甘やかすのでしょうね~。
容易に想像が付きます。(笑)
幸せな妄想は、心が安らぎますね!

2014/01/06 (Mon) 08:03 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

ナナミ様へ

初めまして、「あさ」と申します。
この度は初コメントありがとうございます。
嬉しくて温かいお言葉に、励まされます。
すぐ凹む管理人です。←
妄想ですが、これからも楽しんで頂ければ幸いです!

2014/01/06 (Mon) 08:05 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

羽梨さまへ

羽梨さま
ほんとに、少し疲れましたね。
突っ走りすぎました・・・。
あれもこれも、それも、って。
自分の首を絞めたみたいです、私。
少し休みましょう。
休みます。
あさ

2014/01/06 (Mon) 08:07 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

すぬうさ様へ

初めまして、「あさ」と申します。
返事は不要とのお言葉でしたが、お返事させてくださいね?
コメント頂けて、嬉しいんです。
私の書いたものが、すぬうさ様の楽しみになっているのなら、とても嬉しいです!
ありがとうございます。
書くのが大好きで、楽しくて、書き過ぎて疲れる、という、どうしようもない人間ですが。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。

2014/01/06 (Mon) 08:11 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2014/01/06 (Mon) 14:14 | # | | 編集 | 返信

澪さまへ

コメントありがとうございます。
幸せじゃない終わり方にできなくて、いつも途中で挫折します。
体質ですね。(笑)
「お別れ」続いておりますので、もし宜しければ♪

2014/01/07 (Tue) 08:38 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

お別れシリーズすべてきれてます。

2015/09/04 (Fri) 20:20 | 行 #jxT87rSU | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック