2013_12
12
(Thu)19:40

賜玉

「賜心」の、おまけです。
李順さんとオリキャラ・芙蓉のその後(?)を書いてみました。

捏造の塊です。
なんでもありです!

それでも大丈夫!な方。
お心を広くお願いします!


【設定・臨時花嫁】
【捏造の塊・隣国捏造・オリキャラ出ます】
【私、「あさ」の全ての捏造設定を元に書いております。ご注意下さい。】
【捏造設定すらも、時系列や登場の仕方、性格。その他様々なものがおかしくなってます。】
【本誌ネタバレ含みます】

・・・改めてみると、すごい注意書きですね。(気付くの遅い)
そんなSS「賜心」のおまけです。

おかしいですよ?
大丈夫ですか?


では、どうぞ!




《賜玉》


「いやぁっ!!」

まだ明け切らぬ、暁闇の中。
芙蓉は自分の叫び声で目覚め。

「いや・・・いや、です・・・」

己の両肩を抱えて、蹲る。



________お兄様が、皇女様を謀る?

一瞬、意味が分からなかった。
いえ、違う。
分かりたく、なかった。

臣下との密通。
狼陛下の腹心であるお兄様と通じれば、皇女の心に隙が生まれ。
「こちら」の動きを助ける。

『_______ですから、芙蓉。』

耳を塞ぎたい。
聞きたくない。

『私が皇女を、抱くのですよ。』

どうして平気なお顔で、そんな事を言うの?

『お前は、計画通り、大臣達を_______』

私の事を、何とも思っていらっしゃらないから。
お兄様にとって、私は。
李家の主でしかないから。

だから、なの?



何度も何度も、自分に言い聞かせた。
お兄様は、望んでこんな事をなさるわけではない、と。

________芙蓉。

私にだけ見せてくれる、柔らかい微笑を。
朱国の皇女に見せるわけではない、と。

これは、仕事。
李家の、生業。

私だって、必要に迫られれば、望まぬ男に身を任せるだろう。
それと同じ。

割り切れ。
_________心なんて、邪魔。




美しい桜色の爪が割れそうになるほど、掌を握り締め。
涙で霞む視界を無視して。
芙蓉は天井を見上げ、問いかけた。

「・・・首尾は、いかが?」
「遺漏なく。」

「お願いね?」
「________芙蓉、さま・・・」

気遣わしげな声に。

「なあに?」

殊更に明るく答えた、芙蓉に。

「・・・いいえ。」

李の隠密は、背を向け。
水のように姿を消した。






「今宵も、お目をお覚ましに。」
「・・・そう、ですか。」

まだ何か言いたげな、男に。

「また明日も報告を。」

李順は冷たく言い放ち。

「李順様っ!」
「______なんです?」

気色ばんだ配下を、睨み付けた。

「このままでは芙蓉様が、あまりに・・・」

怯まずに言葉を紡ぐ男は、震える声で。

「お気の毒です!」

言い切る。


李順の指先が、ぴくりと震え。
瞳に宿る冷徹な光が、和らぎ。
微かに笑みが浮かぶ。


「・・・?」

訝しむ、男の耳に。

「それで、いいのです。・・・こんな男への想いなど、断ち切ってくれた方が。」

独り言のように小さな囁きが届いた。





皇女が退去させられた、数ヵ月後。

王宮には日常が戻り。
後宮にはかつてない温かな日々が訪れていた。

狼と呼ばれた国王に、穏やかな笑みが浮かぶようになり。
まろやかな膨らみをみせるお腹を抱え、正妃は幸せそうに笑む。


________ええ、ですから。一ヶ月間後宮でお勤め頂きたいのですよ。

国王陛下の、臨時の花嫁として。


あの日。

________なんだ、手を出していかんのか。


まさか、臨時花嫁が正妃になられるとは。


「・・・前代未聞、ですよ。」


苦笑が浮かぶ。


随分と、この手を汚した。

陛下のために。
国の為に。
正妃様の為に。
お二方の、御子の為に。

心を棄て、ただひたすらに。
前へ、前へ、と。


芙蓉は。
事を成した後、何も言わずに北へと帰った。
別れの挨拶はなく、ただ寂しげに微笑んで。
大好き、とただ、それだけを伝え。
本来の居場所へ戻っていった。

私のような男が触れてもよい訳がないのだ。

分かってはいたが、ただ、哀しく。
温かな光が満ちる王宮を、眩しげに見つめ。

李順はそっと帰邸した。


「_________戻りました。」

小さく呟いて、人気のない邸内の気配を探る。
誰もいない。

さわさわと風が渡る音が中庭を通り抜け。
緑の木々を揺らす。

何気なく風の行く先を追った李順の目に。
いつものごとく、幻が映る。

『お帰りなさい、お兄様!』

少女のように、無垢な笑顔。

『またお食事をお忘れになって・・・』

顰められる、綺麗な眉。

『お兄様、大好き。』

最後に見せた、寂しげな微笑。


「____________芙蓉。」


李順の唇が微かに動き。
じっと風を見つめ、立ち尽くす。

幻が、ゆっくりと笑みを浮かべ。
真珠のような涙がその頬を伝い。

「・・・・ただ今戻りました。お兄様。」

震える指が、頬に触れた。

「芙蓉っ!」

風が、二人を包み。
いつまでも抱き合う二人を、優しく揺らした。
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C.O.M.M.E.N.T

あさ様、ありがとう!!

李順さんが幸せになれそうで良かった!!
もうもう、芙蓉ちゃんがいじらしくて・・・。
出来る男も時には、脆くあってほしいですよね。
その隙を狙う!!←
ほっとするお話をありがとうございました。

2013/12/12 (Thu) 22:12 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

Re

羽梨さまへ
隙。
李順さんの、隙。
・・・一服盛りますか?←
落ち着いて読み返したら、あまりにも芙蓉と李順さんが気の毒だったので。
慌てて書きました。
実は、本編で書いた気になってたんですよ。(おかしい)

2013/12/14 (Sat) 22:12 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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2016/01/15 (Fri) 19:23 | # | | 編集 | 返信

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