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2013_02
15
(Fri)12:39

失態

【設定 未来夫婦 ご注意下さい!】



《失態》


・・・陛下が休憩から帰ってこない・・・

政務室にて陛下が戻るのを待っていた李順は、
深いため息をつき、陛下捜索に向かった____



ここ7日ほど、政務は多忙を極めていた。
なぜなら、明日から陛下が北部地域の視察に赴くからだ。

北部地域は黎翔が皇子時代の大半を過ごした地域であり、安全性は高い。
したがってそちらの心配はあまりないのだが、問題は、王宮だ。

李順は視察に同行せず、留守を預かるので、黎翔不在時に予想される政務を全て前倒しせねばならなかった。

その結果、黎翔はここ7日ほど、政務室に付属した休憩室で仮眠をとるありさまであり、官吏たちも24時間勤務体制をとっていたのだった。

「・・・・まぁ、そのおかげでどうにかなりそうなんですがね・・・」

李順は黎翔を探し、まっすぐに後宮へ向かった。


「・・・正妃様、陛下はお見えでは・・・」

李順が問いかけながら正妃の部屋に足を踏み入れた途端・・・・。

柔らかいものに、口を塞がれた。

「?!」

「しーっ!李順さん、陛下は今お昼寝中です!」
李順の口を掌で塞ぎながら、必死の形相でひそひそと囁く夕鈴。

「いいですか?!大きな声を出さないでくださいね?!」

さすが、狼陛下の花嫁。凄い気迫だ。
・・・・などと、感心している場合ではない。

コクコクと李順がうなずくと、夕鈴はホッとした様に掌を外した。

「・・・夕鈴殿?!陛下がお昼寝なさってるのなら、お起こしして下さい。まだ政務が残ってるんです。」

夕鈴に倣って声を潜めて話す李順と、さらに声を潜めて返答する夕鈴。

「それが、陛下、ものすごくお疲れのようで。ここに来るなり、長椅子に突っ伏して眠ってしまわれたんです。珍しく、とっても良く眠ってらっしゃるので、せめて、あと少しだけ眠らせて差し上げても宜しいですか?」

夕鈴の瞳は、心配で曇っている。
・・・黎翔を、心から案じていることが感じられ、李順も折れた。

「・・・わかりました。では、あと一刻したら、お迎えに上がりますから、それまで陛下を宜しくお願いします。お目が覚められたら、頭がスッキリするお茶でもお淹れして差し上げてくださいますか?」

「ふふふ。わかりました。」

額をくっつけ合うように、声を潜めて話す、李順と夕鈴。



「_____何をしている」

一気に、部屋の温度が10度は下がったと、李順は感じた。

「陛下!お目覚めですか?」
パッと振り向いた夕鈴を、黎翔はやや乱暴に抱き上げた。

「っ!陛下?!」

「・・・夕鈴。君の夫は?」

「?!陛下ですよ?!なに言ってるんですか?」

「・・・・李順。明日からの視察。正妃も同行する旨、関係する部署及び視察先に早馬を出せ。」

「「陛下!なにを突然!!」」

奇しくも、息ぴったりに反論した李順と夕鈴。

黎翔の冷気はますます強まり、李順は己の失態を悟った。

(_____こうなったら、もうダメですね・・・。うっかり正妃様のペースに乗ってしまった、私の失態です・・・。腹をくくって、後始末を致しましょう・・・)


李順は叩頭し、是の意を表した。

その姿に満足したのか、黎翔は暴れる正妃を片手で抱きかかえて、感心にも、政務室へと戻っていったのであった。


_____翌日からの視察で、夕鈴がどんな目にあったのか。

それは同行しなかった李順には知るよしもない。
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