2013_11
13
(Wed)15:35

枯渇5

更新が遅れていて、ごめんなさい!
遅れた上、お話が進んでおりません。

すいません。



【9巻未収録のネタバレを含みます。】
【基本的に、捏造の塊です。】
【オリキャラも出るかもしれません】
【臨時花嫁です】


《枯渇 5》

李順に促された黎翔が、宿へと足を向けた頃。


克右は、慌てふためき。

夕鈴は、闘志をみなぎらせていた。


「________だから、私は!!」

「ちょっと待て、娘さん。」

「ここに残って、陛下がどんなに頑張っていらっしゃるかをっ!」

「分かったから、落ち着いて。」

「蘭瑶様にご理解いただかないとっ!街で聞いた、噂っ!あの、馬鹿げた噂を何としてもっ!」

「だからってあんたを置いて行ったら、俺が陛下に斬られ_______」

「__________それは、どういうことですの?」


しまった、と。

手で口元を覆う克右を。

蘭瑶は、勝ち誇った微笑を浮かべて見つめ。

不思議そうに首を傾げる、夕鈴に。


「貴女は、陛下の・・・・恋人?」


優しく問いかけた。






「__________だから、私はただの掃除婦でっ!」


力説する夕鈴を見つめる蘭瑶は、楽しげで。


「あー・・・娘さん。いまさら弁解してもだな。」


克右は困ったようにガシガシと頭を掻く。


「わ、私はっ!誤解のないように、ですね?!」


真っ赤になって抗弁する夕鈴を。


「___________宜しいのよ、それで。」


蘭瑶の優美な仕草が、留める。


「え?」


戸惑う夕鈴の両手に。

柔らかな細い手を添え。


「邪魔の入らぬ所で・・・・貴女が知る『陛下』を。私に、教えてくださる?」


蘭瑶はにっこりと微笑んだ。










ああ、俺は。

やっぱり、この部署に向いていない。

しっとりと湿った雨宣の街を。

入り組んだ路地を。

勝手知ったる足取りで、克右は進み。

宿を、目指す。


____________どうせなら、楽に死にたいものだ。


それだけを願い扉を開けた克右を。


「_________。」


無言で自分を見据える黎翔が待っていた。






「_________夕鈴は?」


戦場が職場のはずの俺が。

凍りつく。


「・・・どうした?克右。耳が遠くなったか?」

「・・・・・う。」


本能が「逃げろ」と警鐘を鳴らす。

だが、脚が。


___________動かない。


蛇に睨まれた蛙は、こんな気分なんだろう。


せめて一呑みでお願いしますよ、陛下。


諦めた克右に。

黎翔の冷たい声が降る。


「少しだけ、待ってやる。」

「はっ?!」


思わず間抜けな声が出た。


「待ってやると、言った。少しだけ、な。」


意外な言葉に、克右の目が点になり。


「夕鈴はお前を責めるなと言うだろうからな。」


続いた言葉に、口が開く。


「・・・・陛下?」

「なんだ、早く行け。」

「は、はいっ!」



今帰ってきたばかりの道を引き返す克右は。


「いやー・・・すごいね、娘さん。」


思わず嘆息した。




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C.O.M.M.E.N.T

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