2013_11
08
(Fri)16:24

枯渇 3

【9巻未収録のネタバレを含みます。】
【基本的に、捏造の塊です。】
【オリキャラも出るかもしれません】
【臨時花嫁です】


《枯渇 3》




温老師の邸を出た途端に走り出した、黎翔と浩大を。


「ああ・・・・・どうしていつも面倒ごとばかり・・・」


鳩尾に鈍い痛みを感じながら見送った、李順は。

頭の中の整理を始めた。




狙われるなら、こちらのはず。

晏流公や蘭瑶が狙うべきは、「狼陛下」であるはずだ。



徐克右。

無骨な軍人には違いないが、ある意味浩大より腕は立つ。

陛下と対等に渡り合える程の技量の持ち主が・・・なぜ、姿を消すような事態に?



王弟、晏流公。

その側を離れない母、蘭瑶。

時間を作れるはずが作れなかった、温老師。

陛下と夕鈴殿の、別行動。

消えた克右とバイト。


「__________最初から、仕組まれていたと考えるのが、妥当ですね。」


ふっ、と軽く息を吐いて。

もう姿が見えなくなった主と隠密を追うべく。

李順は裏道へと歩を進めた。


「まったく、闇雲に走り回っても目立つだけですよ。」


ぶつぶつと、呟きながら。









「あの・・・どうして、私の名前をご存知なのでしょう?」


少しの隙もない笑顔を見せる、その女を。

夕鈴は睨み付けた。

だが女は、微風のごとく受け流す。

「まあ、失礼。こちらも名乗らねば、ね。・・・私は、蘭瑶。」


そう名乗った女の言が終わらぬうちに、克右の頬がピクリと引き攣る。


「軍人さんは、私をご存知ね?」

「・・・・ええ。」


満足そうに克右を見やった蘭瑶は。

涼やかな音を立てて、立ち上がると。


「狼陛下がお忍びでこちらへ参られると聞いて・・・どうしても、お話がしたかっただけなのよ?」


夕鈴の手をとり。


「貴女は、陛下の『耳』役もしているのでしょう?私が知らない陛下について・・・少し、伺っても宜しいかしら?」


朗らかに語りかける。


「蘭瑶様、その娘さんは何も知りはしませんよ。陛下に会いたいなら、そう伝えますから、もう帰して__________」

「だめよ。」


低く転じた蘭瑶の声音に。

空気が凍りつき。


「_______俺は、こういった腹芸が苦手でね。はっきり言ってもらえませんかね?」


薄ら笑いを浮かべた克右が、ゆらりと立ち上がる。


「まあ、気短な殿方だこと。」


ころころと声を立てて、蘭瑶は笑い。


「気が短いのは、生まれつきでね。」


するりと身体を動かした克右は、素早く夕鈴を担ぎ上げた。


「きゃっ!克右さん、何をっ!」


驚き慌てる夕鈴をよそに。


「そのお嬢さんを担いだまま逃げられると、お思い?」


蘭瑶は、まるで座興を楽しむような口調だ。


「やってみる価値はありそうですがね?」


事も無げに言葉を返す克右に、冷たい視線を向けた蘭瑶が。


「・・・本当の狼陛下がどんな方か、知りたかっただけなのに。残念だわ。」


ふぅ、と、ため息をついた時。


「・・・克右さん。降ろしてください。」


夕鈴の静かな声が、部屋の空気を変え。


「__________私、ここに残ります。克右さん、先に宿に戻って下さい。」


「まあっ!!」
「娘さんっ?!」


不協和音が響き渡った。



「枯渇4」へ

C.O.M.M.E.N.T

なんてこと!

克右さんがやたら格好いいヽ(゜▽、゜)ノ
私には李順さんがいるのに。
ふわっと吸い寄せられてしまいました。
ああ、夕鈴が何をするのか楽しみです。
大丈夫です。
待ては得意です。

2013/11/09 (Sat) 19:32 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

Re

羽梨さま
こっくー、かっこいいですか?!わーい!
李順さんでもなく、浩大でもなく、もちろん陛下でもない。
むむ、と思いながら書きました。
待て。
私も得意。じゃなくて。
ちょっとふぁけ、待ってて下さいね?
週末は監視の目が増えるのですよ。ふふ。

2013/11/09 (Sat) 23:10 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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