2013_11
03
(Sun)14:25

幸せ

こんにちは。
あさ、です。

拍手コメントへのお返事が遅れておりまして、申し訳ございません。
こればかりは、SSを書く時みたいに、時間制限かけるとか片手間で書くとか、したくないんです。

1時間強、集中できる時間が持てるまで。
もう少々、お待ち頂けると嬉しいです。


今回のSS、「幸せ」は。
目線がコロコロ変って読み辛いです!←言い切った
何が書きたかったのか、自分でも良く分かりません!←

お時間に余裕のある方、どうか広いお心でお願い致します!







【設定・原作沿い】



《幸せ》


それは、ふとした瞬間に現れて。

包み込む。







〈李順〉





「今月の明細です。」


いつも通り、李順の部屋で手渡された、給与明細。

毎度の事とは言え、夕鈴はその場でしっかりと目を通した。

万一何か間違いがあったら________いや、この上司に限って間違いなどありえないのだが、それでも。

余計な借金が加算されていたら、たまらない。


「・・・そんなに睨まずとも、先月刺客に襲われたときに破損した扇や衣装代は、必要経費ですから借金にはなっておりませんよ?」


「ありがとうございます!!!」


李順に後光が差したように思えて。

夕鈴は思わず手を合せた。





「・・・『ありがとうございます』ですか。」


呟いた李順は、窓の外を眺めた。

秋も深まり、王宮の庭園の其処此処には朱が差し始め。

天は高く、少しの霞を帯びた色に変り。

渇ききった風が、肌を嬲る。



『こんなこと・・・すごく言いにくいんだけど。』


陛下が引き留めた、バイト。

舞い散る花と運命を共にするはずだった、偽者の、王の花は。

しなやかな強さを持って、咲き続けている。


絶える事のない刺客。

寄せられる心ない言葉。

浴びせられる侮蔑の視線。


隠さねばならぬ、恋心。



「それでも、礼を言うとは_________」



強い。


「・・・・相応しいのかも、しれませんね。」


不意に訪れた、春の気配に。

李順は苦笑した。










〈浩大〉




________今日の散策は、紅葉狩り、かな。


物音を立てずに移動して、お妃ちゃんの周囲を見張り。

今日も刺客の有無を探る。


血の臭いがしそうな場所や、身を潜められる場所。

物騒な物音や、火薬の臭いを探す。


猛禽類のように目を光らせる浩大の、耳に。

夕鈴の笑い声が届いた。




侍女たちと楽しげに話しながら散策を続ける、お妃ちゃん。


________よく笑う娘だな、ほんと。


珍しい色の鳥がいたと聞けば、瞳を輝かせ。

池に船を浮かべて紅葉を楽しむのも良いとすすめる侍女に、満開の笑顔を向ける。



きっと、お妃ちゃんの心は。

どこまでも澄んでいるのだろう。



ふっ、と笑みを浮かべた、浩大の心に。

柔らかな春の風が吹いた。







〈老師〉





「老師、お茶が入りました!」


散策を終えた夕鈴は、午後の予定である掃除婦バイトに勤しみ。

広大な立ち入り禁止区域の一角で、小休止を取っていた。


「おお、すまんの。では、取って置きの上手い菓子を分けてやろうかのう。」


好々爺の微笑を浮かべ。

細められた張元の目は、遠い昔を見つめる。



_________今日も陛下は、舞姫様のところ?

_________正妃様のご機嫌が・・・・

_________関わらない方が、身のためよ。


甦る、過去の。


『下賎な舞姫の分際で陛下の寵を賜るとは。・・・身の程を弁えるよう伝えよ。』

『張元。あの目障りな母子を、どこぞへ・・・』


毒花達の言葉。



「_________老師?」


不意に動きを止めた張元を不審に思い、その顔を覗き込んだ夕鈴に。


「おお、茶菓子じゃったの!」


にっこりと微笑み返した張元は、何事も無かったかのように棚を漁り始めた。


今はまだ蕾の。

後宮に春を運ぶ花の香を聞きながら。

温かな春の気配を、感じながら。






〈黎翔〉






「お帰りなさいませ、陛下。」


湯上りの香を漂わせて、僕を迎えてくれる君は。


「お茶をお淹れしますね!」


____________偽者の妃。


「今日はお給料を頂いて・・・李順さんが扇の代金を請求しなかったんですよ?!」

「うん、そっか・・・よかったね。」


借金が増えるのは、僕としては大歓迎なんだけどな。


「紅葉狩りをしたんです!本当に綺麗な色で、可愛らしい葉がたくさんで・・・・あ!池に舟を浮かべて紅葉を楽しむのも良いって、伺ったんですけど!」

「僕も一緒なら、危なくないからいいよ?」

「ありがとうございます!」


紅葉が散らないうちに時間を作るよ、と、約束して。

良い香の茶を、口に運ぶ。


少し甘くて、ほろ苦い。

でもやっぱり美味しい、茶は。


『一日も早く、お世継ぎを。』

『臣下の不安もご理解いただきたく』


煩わしい事を、忘れさせてくれて。


「・・・陛下、お疲れですか?」


僕の膝に手をついて見上げてくれる、その瞳は。


「________君が、いるから・・・・大丈夫。」


僕の心に、凪をくれる。


ふわり、と。

包み込まれるような、君の香。


優しくて柔らかい、僕だけの。

強くてしなやかな、揺るぎない。


____________幸せ。

C.O.M.M.E.N.T

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