2013_11
01
(Fri)14:37

きみのせい

こんにちは。
あさ、です。

穏やかなのが、書きたかったのに。
ただそれだけだったのに。


どうしてこんな事にっ!!!






少し(ほんとか?)大人の香りが漂いますよ?

ご注意下さいっ。しくしく。




【設定・未来夫婦・お子様有り無しどちらでも】


《きみのせい》



舞うように花が散り、強い陽射しが遠くなって、湖畔の緑が朱色に変る。

明け方の空気が、少し冷たく感じて。

冷たい絹の敷布の上で、身を縮めた夕鈴に。


「__________『温めて欲しい』と・・・言ってはくれぬのか?」


笑みと艶を含んだ夫の声が降って来て。


「っ?!」


一気に覚醒した。


「陛下っ!」

「起こしちゃってごめんね、ゆーりん。」


昨夜は戻れぬと聞いていた夫が、思いもよらず、隣に居て。


「お帰りなさい、陛下。」


少し冷えかけていた心が、急に温もりを取り戻した。


「・・・寒かったんです。」


独り、は。


最後の言葉は、心で呟いて。

夕鈴は花の様な笑顔を、黎翔に向けた。





昨夜は、思ったよりも早く政務が片付いて。

夜半過ぎに、夕鈴の元に戻った。


少し、眉間に皴を寄せて。

くるりと掛け布に包まって眠る君は、本当の兎みたいで。

広い寝台で独りきり。

少し寂しそうに見えた。


「・・・毎晩、遅くなって・・・ごめんね?」


もう一月以上、夕餉を共にしていない。


君には、正妃の仕事があるし。

僕には、王の仕事がある。


仕方ない事とは言え、でも。


「もう少し、一緒に居たいよね。」


誰にとも無く、零した愚痴は。

夜明け前の空気に溶けた。





「・・・寒かったんです。」


目覚めた君は、花の様に笑ってくれて。

寂しさを、上手に隠す。


そんな事、上手くならなくてもいいのに。



少し、意地悪をしたくなったのは。


__________きっと。


僕のせいじゃ、ない。






「・・・・脚、上げて?」

「んっ・・・・あ、やぁっ・・・」

「夕鈴、温かい・・・」

「へいかも・・・・あったか・・・・ああっ!」



冷気を払うような温もりで満ちる、正妃の寝所。

日が昇る頃、朝の仕度のために様子を伺おうとした、侍女たちは。

一様に頬を染め、微笑み合い。

幸せな夫婦のひとときを、守るため。

静かに静かに、退出した。
幸せ   
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