2013_10
25
(Fri)19:47

はじまり

【設定・原作沿い&未来】


《はじまり》



国の為になる正妃を。

国益をもたらす妃を。


______________後宮、に。




即位した私に向けられた、狸どもの笑顔と。

見え透いた罠。


私を後宮に縛りつけ、薬漬けにでもするつもりか?

女に溺れた前王と同様の事を。

__________私にも、せよ、と?


殊勝な顔で妃献上を奏上する、大臣達と。

後ろに控える、女狐ども。

その顔を見るだけで。

____________反吐が出る。



すっ、と、立ち上がり。

薄く微笑んだ黎翔は。


この上なく、美しく。


覇者の威厳に満ちたその風貌が、場を制す。



居並ぶ大臣達と、その後ろに控える、妃候補として伴われた令嬢達が。

『狼陛下』に、見蕩れた、瞬間。


ダンッ!!!


黎翔の剣が。

石を砕く音がした。





___________ああ、陛下。


凄絶な笑みを浮かべて怒りを露わにする主に、李順は頭を抱えた。


__________修繕や研ぎに、いくらかかるとお思いですか?!


砕かれひび割れた敷石が、李順の頭痛を誘い。

刃毀れしたであろう剣が、胃痛を誘う。


それも、これも。

すべては。


「________皆様、今日の奏上はこれまでになさっては如何でしょう?」


この無能な大臣達のせい。


・・・・・うるさい口を、塞がねばなりませんね。


李順は、自室に戻る王に付き随いながら。


沈思した。







「_________まったく、どいつもこいつも・・・・!」


どさり、と、乱暴に長椅子に身を投げ。

不貞腐れたように足を投げ出した黎翔に。


「________馬鹿ばかり、ですね。」


素直に同意した、李順は。


「・・・嗜めぬとは、珍しいな。」


驚いたように自分を見つめる、主に。


「彼らに同情の余地など、ございませんからね。」


吐き捨てるように答え。


「ははは、お前らしいな。」


砕けた表情に変った黎翔を見つめ、口を開いた。


「________つきましては、陛下。『臨時花嫁』をお迎え下さい。」













あの日が、転機。



花が舞い散る、庭園を。

互いに手を取り合って散策する。

まるで、一幅の絵のような。


___________王と正妃を、見守りながら。


李順は目を細め。

遠いあの日を、思い出す。


全てが始まった、あの日、を。


懐かしむ様に。

繰り返し、繰り返し。

思い出す。


過ぎ去りし、夢のような日々を。

帰らぬ、懐かしい日々を。


夢見るように。


思い出す。
理由   
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さて。

布石は整いました。逃がしませんよ。
思い出は懐かしく、未来は続いていくものです。
浮き沈みする幸せがあるから、
人は強く、優しくなれるものです。
そうですよね、李順さん。
続くのですよ。
まず敷石を直して、刀を修理にださなければね。
時間は沢山ありますよ。
ね?陛下。

2013/10/26 (Sat) 02:33 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

Re

羽梨さまへ
修理しなくちゃ、いけませんね。
直せばよいのですよね。
逃げちゃダメですね。
ありがとうございます。
お願いです。
逃げられなくして下さい。

2013/10/26 (Sat) 06:30 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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