2013_09
03
(Tue)22:58

漆黒

現在連載中の「宝花」とは全く関係のないSSです。

真っ黒陛下です。

黒い上、極悪。

お好みが分かれるかと思います。

どうかご無理なさいませんよう。




【設定・未来・夕鈴正妃です】
【お子様ありなしどちらでも】
【捏造あります】
【どす黒いです。暴力表現が苦手な方は、ご無理なさいませんよう。】




《漆黒》





「____________分かった。下がれ。」


浩大が寄こした隠密に、声を投げ。

黎翔は暗闇を見据えて。


「・・・・私から逃げ切れるとでも?」


呟く。



妖艶な微笑を。

暗く光る瞳が、紅く彩った。









「少し、時間を下さい。」


そう書置きを残して、君が離宮に赴いたのは・・・・もう半月も前のこと。


「お妃ちゃん、かなり堪えてるみたいだよ?」


浩大からの報告は、無理もないもので。




勝手に正妃気取りで押しかけてきた遠国の皇女。

見たこともないような白磁の肌と、黄金の髪。碧玉の瞳。

彼女の国では、正妃は寵愛次第で挿げ替えられる。


__________ふざけるな。


躾のなっていない女狐を、即刻追い返そうとした、私を。


夕鈴が、止めた。


「・・・・大切な、交易のお相手なのでしょう?」


僕の手を握り締めて囁いた夕鈴の瞳は、切なげで。


「お願い・・・私のせいで、国益が損なわれるのは・・・・」


僕は、泣き出しそうな君の唇を塞ぎ。

思いの限り、愛しんだ。



___________だが。

その翌日、夕鈴は南の離宮へ赴き。

自由奔放な女狐は、我が物顔で後宮を占領した。









夕鈴がいなくなってから、一月後。


「陛下。もう宜しいですよ。」


李順は、ようやく許可を出した。


「遅いぞ。」

「これでも最速です。」


無表情に答える李順の顔は、蒼白で。

動きの鈍い左手が、少々無理をしたことを悟らせた。


「・・・・ご苦労。」


黎翔は一言だけ、労い。




狩りを、始めた。







「_________っ!こ、この様な無体を、父が知れば・・・っ!」

「知れば?」

「貴国もただでは・・・っ!」

「・・・済まぬと申すか?」


正妃の部屋に居座る、皇女の衣装を。

黎翔の剣が、切り刻む。


「________衛兵。」

「はっ。」


黎翔の背後には、十数名の兵士が立ち並び。


切り刻まれた、皇女の衣装を。

用を成さなくなったそれから覗く、白磁の肌を。

乱れた髪を。

恐怖に怯える碧眼を。


全てを、舐めまわす様に見つめる。


「・・・褒美だ。丁重に持て成せ。」



ざわり。

兵士達の気配が変じた。












「夕鈴・・・・」


いるはずのない人の、声。

とうとう幻聴まで。


耳を塞ぎ、頭を振り。

寝台で蹲った、夕鈴を。


ふわり。


懐かしい香りが包む。


「・・・へい、か?」


「ごめん・・・来ちゃった。」


「っ!」



嬉しい。


そう思った自分を、夕鈴は即座に恥じた。



勝手に逃げ出した、国益を生まぬ、無駄な『正妃』。

そんな、私を・・・・迎えに来て、くれた?


『喜んじゃ、だめ。』

自戒する。


『嬉しい。』

感情が暴走する。


どうしたらいいのか分からず、身を固くして時を止めた、夕鈴を。


「_____________私が君を手放すとでも思ったか?」


甘くて恐ろしい、愛しい声が貫いた。




「どの様な私でも、受け入れろ・・・」


この世で一番美しい、漆黒の、闇が。

自分を飲み込んでいくのを、感じながら。


「____________どんな陛下も、私のもので。」


夫を抱き締め、夕鈴は。


「どこにいても、私は貴方のものです。」


変らぬ真実を。

闇を照らす、唯一つの光を、失わぬよう。


__________愛しい、夫に。


伝えた。
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2013/09/04 (Wed) 05:42 | # | | 編集 | 返信

ますたぬ様へ

黒陛下お気に召していただけて嬉しいです。
この後、ですか??
えっとですね・・・ごめんなさい、ない、かも・・・ぺこり。

2013/09/04 (Wed) 09:36 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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