2013_08
25
(Sun)11:42

10月号ネタバレです!!


宜しいですか?

宜しいですね?














【設定・原作沿い&未来】
【捏造あり】




《間》




演技なんて、間を空けたらすぐに忘れてしまう。



そう、思っていたのに。












壬州への、視察。

数日間の自由をもぎ取るため、ぎっちりと仕事を詰め込み。


「何故彼女を連れて行かねばならないのでしょうか?!」

「私がいない間に、彼女に何かあったらどうするのだ?」


青筋を立てる側近を適当に誤魔化して。




僕は、自分に自由な時間を与えた。




普通の夫婦のように、手を繋ぎ。

普通の夫のように、妻を労わり。

珍しいものを見て。

ころころと変る愛らしい表情を楽しみ。

柔らかい身体を、抱き締める。



「目立つ事はなさらないで下さいよ?」


諦めたように呟いただけで、李順は僕の時間を妨げることなく、見守ってくれて。


「いつもより護衛しやすいな。克右さんがいるしー。」


浩大も、穏やかな顔で仕事をこなす。




夢のような、時。


留まることなく流れる、時。


楽しい事も、嬉しい事も。

辛い事も、悲しいことも。


時は、全てを流し。



君に刻み付けた、僕の温もりも。



______________きっと、もう流してしまっているのだろう。













「・・・・あの時は陛下のわがままに振り回されて・・・今思い起こしても、『楽しい』お忍び旅行でしたねぇ。」


同じ行程を辿りながら、感慨深げに呟く李順を無視して、足を早める。


あれから、三年。

愛しい兎を手放してから_________三年。


未だに燻る内政問題に対処するため、再びこの地を訪れた、僕は。


どこか懐かしさが漂う閑積の街をそぞろ歩いた。


『・・・・陛下!』


目を輝かせ、嬉しげに見知らぬ街を歩く、君。


『うわぁ・・・・っ、陛下、あれは何ですか!?』


耳に心地よく響く、弾むような声も。

繋いだ手の、温もりも。

少し俯いた君の、寂しげな表情も。

思わず抱き締めた、あの時の僕も。


全てがそのままに、残されているような気がして。




「・・・・・夕、鈴・・・・・」



君の面影を、探す。




________________借金も終わりましたし、もう、帰してやりませんと・・・。



あの日。

日々数を増す刺客と、強まる臣下の不満に、耐えかねて。

僕は君を手放した。


このままでは、いつか君を傷つける。

そう、分かっていたから。


例え、君の側にいられずとも。

君がどこかで笑っていてくれるなら・・・・・それで、いい。


自分の気持ちに蓋をする事には、慣れていたから。


僕は偽りの笑顔を浮かべ、君に別れを告げ。


綺麗に微笑みながら、ぽろりと零れた君の涙に、気付かない振りをした。




____________夕鈴殿の縁談がまとまったようです。


____________地方に赴任する御夫君について行かれるそうですよ・・・。



折に触れて夕鈴の様子を知らせてくれる、李順は。

なんの返事もしない僕を、労わるように見つめ。

黙って、書簡を積み上げる。


僕はそれらを手に取り、政務に集中し。


君が笑って暮らせるように、この国を治め続けた。












視察から戻って、ほどなくして。

僕は正妃を迎える事になった。

相手は、宰相が薦めた由緒正しい家柄の娘で。

どの中央貴族にも引けを取らぬ家柄ゆえ、柳や氾にも文句は言えず。


__________黎翔は、淡々と式当日を迎えた。



湯浴みを済ませ、正装に身を包み。

何の感情も浮かばぬ瞳で、祭壇に向う。


居並ぶ臣下は、一言も発せず、王の威厳の下、平伏しながら正妃の到着を待った。



「御成りにございます。」


宰相が静かに告げ。

音もなく、殿の扉が開かれ。

しゃらん、と、涼やかな音を響かせながら。

「正妃」は歩を進める。



黎翔は目を伏せ、手を見つめ。

ぎゅっ、と、拳を握り締める。


未だに残る、夕鈴の感触を。

温もりを。

_________忘れぬように。



しばし後、黎翔は。

ゆっくりと、掌を開き。

見知らぬ正妃に、その手を差し出した。


「___________正妃よ。こちらへ。」


僅かに頷いた、正妃は。

小さな掌を、王に預け。


「・・・・は、い。」


震える声で、応え。


「っ!!!」


黎翔の一切の動きが、止まる。


「・・・へい、か・・・・」


小さく囁く、正妃の声は。

耳に馴染んだ、懐かしい、愛しいもので。


我知らず、手が動いた。


指先で愛しい娘の頬に触れ。

色づく頬を、艶やかな唇を、柔らかな髪を、なぞる。

額に口付けを贈ると、自然と身体が動き。


黎翔は掬い上げるように正妃を抱き上げ、祭壇へ向った。





ぎゅっ、としがみつく、腕も。

柔らかな温もりも。

花の香りも。

頬を伝う涙も。

花の様な、笑顔も。


全て、僕の_________愛しい、君。




「ただいま、夕鈴。」

「・・・お待ちしておりました、陛下。」



僕達の小さな囁きは、静かな空気を震わせ。



会心の笑みを浮かべる李順と。

いつも通りの、宰相と。

にぱっと笑う、侍官姿の浩大と。

目を潤ませる、老師と。

驚きに目を見開いたままの、克右は。



幸せそうな国王夫婦の後姿を、見守った。


_____________どれほど間が開こうとも。


変らぬ、二人の『演技』を。





おまけ 李順さんVer.へ

C.O.M.M.E.N.T

もうっ!

あさ様ったら!
間あけすぎ!
もう、もう、もう(つд`)
悲しい老後← を迎えるのかと
(陛下が)、泣きそうになりながら読んでましたよぅっ!!
良かった!良かった~(つд`)
夕鈴が幸せになれて。
3年後といえば、陛下24歳。
夕鈴21歳。
李順さん、27歳!!
お、おとなの男・・・(´¬`)
はふぅ~( ´艸`)

2013/08/25 (Sun) 13:00 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

注目すべきは…

「宰相が薦めた」「宰相が薦めた」…
宰相さんが薦めたんですねっ!っと、反応してました。
宰相さん、いい働きをしますね~と感じ入っていました(^_^)
陛下、良かったね!
克右さんは…まあ…いいや。

2013/08/25 (Sun) 14:05 | さき #- | URL | 編集 | 返信

Re

李順さんが、27歳!!羽梨様、釣り合いが取れますよ?!←
間、空けすぎちゃいました。笑
おまけの李順さんVer.を、書くつもりです。今日はきっと無理だから、明日かな?
趣味に走っております。笑

2013/08/25 (Sun) 14:59 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

Re

さき様へ
コメントありがとうございます。
陛下も夕鈴も、幸せになりました。
少々間は開いてしまいましたが。

2013/08/25 (Sun) 15:00 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

なんていじらしい「間」なんですか!!
もう、うるっと来ちゃいましたよ!!
画面見づらいよぅ(。・・。)

2013/08/25 (Sun) 20:55 | からあげ #- | URL | 編集 | 返信

からあげ様へ

もう、どうしても「間」が気になって!!
思わず書いてしまいました。
だ、誰に涙を拭わせましょう?!

2013/08/25 (Sun) 21:07 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

あさ様、こちらも切れております。
宜しくお願い致しますm(。_。)m

2015/09/09 (Wed) 12:19 | なおかざ #- | URL | 編集 | 返信

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