気がかり 3
【設定・未来・お子さまなし】
【捏造しまくりです。東の隣国・翠が出てまいります。】
【オリキャラでます!翠国国王・玉禮と、その甥・玉環です。】
《気がかり 3》
「正妃様、畏れ多いことながら、私の父母が、一言だけでもお礼を申し上げたいと・・・・」
部屋で寛ぐ夕鈴に、侍女が遠慮がちに声をかけた。
「ええ?!お父様とお母様が、わざわざお越しに?!す、すぐにお通しして下さいっ!」
夕鈴は慌てふためき、身じまいを正し。
恐縮の極みにいる侍女とその両親を居間に通した。
「・・・・いつもお嬢様には良くしていただいて・・・本当にありがとうございます。」
心から礼を言う夕鈴に、侍女とその父母は驚き、慌て。
「な、何を仰いますか!お礼を申し上げねばならぬのは、私共の方でございますっ!!」
必死にいい募り。
「こ、こちらの品は・・・・私共が正妃様に謁見を賜る事を聞きつけた近隣の者達が、様々に持ち寄った品でございます。山海の珍味、貴重な薬材、東の異国の品々が・・・」
山と積まれた献上品を、おずおずと差し出した。
「・・・まあ、こんなに・・・どういたしましょう、何もお礼を準備しておりませんのに・・・・」
困り果てた夕鈴の様子は、周囲の微笑を誘い。
「正妃様、お礼は後ほど改めて、と言う事で宜しいのでは?」
気を利かせた別の侍女の一言に、皆がにっこりと笑んだ。
「・・・・随分と、豪華な品々が揃いましたね。」
ずらりと並ぶ正妃宛の献上品に、李順は眉をひそめ。
「正直、一介の地方貴族にこれほどの力があるとは思えないのですが・・・・」
呟く。
真珠や人参は言うに及ばず、珍品がずらりと並び。
「____________これは、翠の品ですね。」
菓子や食材、薬材、薬酒、果物や宝飾品。
際立って上物であるそれらは、全て翠国のもので。
「・・・・・気に、なります・・・・」
ぼそりと零した言葉に、黎翔が反応した。
「何が気になるの?李順。」
「申し訳ございません、つい。」
「いいよ、別に。今、僕達しかいないし。・・・で、何が気になるの?」
長椅子にゴロリと横たわったまま問いかける黎翔に、言葉を選んで李順は続けた。
「いえ・・・正妃様への献上品が、あまりに立派なので、少々気にかかりまして。」
「正妃への品、が?」
案の定、顔つきが変った黎翔に、嘆息した李順は。
「いえ、豪華なのが悪いと言うわけではないのです。この地の貴族達は、ここぞとばかりに趣向を凝らして正妃様に取り入ろうとしておりますからね。」
「___________隠すな。何かおかしいことがあるのだろう?」
全く、勘が宜しい。
諦めた李順は、素直に白状した。
「白陽国の品よりも、翠国の品の方が多いのですよ。しかも全て上物です。」
「それは・・・・」
「おかしい、でしょう?初めて会う自国の正妃に異国の品ばかりを献上するなど、通常はありえません。」
「だな。自領地の珍品を献上するのが常であろう。」
「ええ。ですから・・・・」
「なるほど・・・翠、か。」
黎翔の眉間に皴が寄る。
「成婚式で会った、あのいけすかない男。・・・玉禮、か。」
「翠国国王、ですね。」
李順の脳裏に、青慎の言葉が甦った。
『・・・あの『目』は、普通ではありません。』
『・・・・以前下町で、馴染みの酒屋の売り子に執拗に付きまとった男がおりました。』
『その男の目と、その方の目が・・・似ているのが、どうしても気にかかります。』
_____________玉禮は、危ない。
黎翔と李順は、同時に目を合わせ。
「・・・・夕鈴には、知らせるな。」
「御意に。」
東の空を、睨み付けた。
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【捏造しまくりです。東の隣国・翠が出てまいります。】
【オリキャラでます!翠国国王・玉禮と、その甥・玉環です。】
《気がかり 3》
「正妃様、畏れ多いことながら、私の父母が、一言だけでもお礼を申し上げたいと・・・・」
部屋で寛ぐ夕鈴に、侍女が遠慮がちに声をかけた。
「ええ?!お父様とお母様が、わざわざお越しに?!す、すぐにお通しして下さいっ!」
夕鈴は慌てふためき、身じまいを正し。
恐縮の極みにいる侍女とその両親を居間に通した。
「・・・・いつもお嬢様には良くしていただいて・・・本当にありがとうございます。」
心から礼を言う夕鈴に、侍女とその父母は驚き、慌て。
「な、何を仰いますか!お礼を申し上げねばならぬのは、私共の方でございますっ!!」
必死にいい募り。
「こ、こちらの品は・・・・私共が正妃様に謁見を賜る事を聞きつけた近隣の者達が、様々に持ち寄った品でございます。山海の珍味、貴重な薬材、東の異国の品々が・・・」
山と積まれた献上品を、おずおずと差し出した。
「・・・まあ、こんなに・・・どういたしましょう、何もお礼を準備しておりませんのに・・・・」
困り果てた夕鈴の様子は、周囲の微笑を誘い。
「正妃様、お礼は後ほど改めて、と言う事で宜しいのでは?」
気を利かせた別の侍女の一言に、皆がにっこりと笑んだ。
「・・・・随分と、豪華な品々が揃いましたね。」
ずらりと並ぶ正妃宛の献上品に、李順は眉をひそめ。
「正直、一介の地方貴族にこれほどの力があるとは思えないのですが・・・・」
呟く。
真珠や人参は言うに及ばず、珍品がずらりと並び。
「____________これは、翠の品ですね。」
菓子や食材、薬材、薬酒、果物や宝飾品。
際立って上物であるそれらは、全て翠国のもので。
「・・・・・気に、なります・・・・」
ぼそりと零した言葉に、黎翔が反応した。
「何が気になるの?李順。」
「申し訳ございません、つい。」
「いいよ、別に。今、僕達しかいないし。・・・で、何が気になるの?」
長椅子にゴロリと横たわったまま問いかける黎翔に、言葉を選んで李順は続けた。
「いえ・・・正妃様への献上品が、あまりに立派なので、少々気にかかりまして。」
「正妃への品、が?」
案の定、顔つきが変った黎翔に、嘆息した李順は。
「いえ、豪華なのが悪いと言うわけではないのです。この地の貴族達は、ここぞとばかりに趣向を凝らして正妃様に取り入ろうとしておりますからね。」
「___________隠すな。何かおかしいことがあるのだろう?」
全く、勘が宜しい。
諦めた李順は、素直に白状した。
「白陽国の品よりも、翠国の品の方が多いのですよ。しかも全て上物です。」
「それは・・・・」
「おかしい、でしょう?初めて会う自国の正妃に異国の品ばかりを献上するなど、通常はありえません。」
「だな。自領地の珍品を献上するのが常であろう。」
「ええ。ですから・・・・」
「なるほど・・・翠、か。」
黎翔の眉間に皴が寄る。
「成婚式で会った、あのいけすかない男。・・・玉禮、か。」
「翠国国王、ですね。」
李順の脳裏に、青慎の言葉が甦った。
『・・・あの『目』は、普通ではありません。』
『・・・・以前下町で、馴染みの酒屋の売り子に執拗に付きまとった男がおりました。』
『その男の目と、その方の目が・・・似ているのが、どうしても気にかかります。』
_____________玉禮は、危ない。
黎翔と李順は、同時に目を合わせ。
「・・・・夕鈴には、知らせるな。」
「御意に。」
東の空を、睨み付けた。
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