2013_08
20
(Tue)10:09

気がかり 2

【設定・未来・お子さまなし】
【捏造しまくりです。東の隣国・翠が出てまいります。】
【オリキャラでます!翠国国王・玉禮と、その甥・玉環です。】



《気がかり 2》




白陽国、東の隣国。翠。

その国王である玉禮は、執務室に居た。


「______________それで?夕鈴様も視察にご同行されるのか?」

「はい。そのようです。」


国軍を任される玉環は、国王の甥で。

血筋は遠いながらも、この叔父と甥は、何故だか気が合う間柄だった。



_______________白陽国・正妃の件を除いて、は。



「ああ・・・・ここからそう遠くもないところに夕鈴様がお出でなのに、お目にかかることすら叶わぬとは・・・・」


苦しげに呟く玉禮に、呆れたような視線を投げた玉環は。


「いつまで正妃様を追い掛け回していらっしゃるのですか、叔父上。『狼』に喧嘩を売るおつもりですか?_________面倒な。」


もう何度目になるか分からない台詞を口にした。


「うるさい。私は諦めないぞ。」

「叔父上っ!いい加減に・・・!」

「諦められるものならば、もうとっくにそうしている。」

「っ!」

「_________何年かかろうと、構わぬ。命尽きようとも、必ず・・・必ず、夕鈴様を・・・」


宙を見つめる玉禮の瞳は、薄暗く翳り。


「ああ・・・一目なりと、お会いしたいものだ・・・・」


夢見るように、微笑んだ。





その頃、視察をこなしていた黎翔は。

ぞくりと背を伝う悪寒に、思わず立ち止まった。


「陛下?どうなさいました?」

「いや、なんでもない。少し悪寒がしただけだ。」


眉をひそめた李順は、「珍しい事もあるものですね。」と小さく呟き。

少し後ろで侍女達とゆったりと歩を進める夕鈴を見やる。


「・・・少々、お痩せになりましたか。」


離宮の厨に手を回さねば、と思いつつ、夕鈴の優雅な所作と品の良い微笑を確認し。


「__________随分と、正妃らしくお成りですね。」


ふっ、と、微笑んだ。



様々な場所を巡り、様々な人々に出会い。

国王と正妃は、多くの人々に歓迎されつつ、視察初日を終えた。


「う、わぁっ!!」

「正妃様、お声が大きい!!」

「ごめんなさいっ!」


夕鈴が思わず感嘆の声を上げてしまうほどに、東の離宮は美しく。

鏡のように澄んだ湖の中央に浮かぶように、殿がある。

眩しいほどの白壁と、瑠璃色の瓦。

ところどころに配された朱。

澄み渡った湖にただ独りで佇むその様は、どこか黎翔と似ており。


「・・・・綺麗。」


魅入られたように立ちつくす夕鈴の瞳から、透明な雫が零れ落ちた。


「気に入った?」

「・・・・は、い・・・陛下と、良く似ています・・・・」

「え?」


きょとんとした黎翔は、すっかり小犬の様相で。

慌てた李順は、「陛下!」と耳打ちし、部屋へと促す。


「・・・・そうだな。正妃も疲れているようだ。」


夕鈴を抱き上げた黎翔は、傅く臣下を睥睨しつつ、殿へ歩を進めた。





「・・・・・お痩せに、なられた・・・・」

「叔父上っ!黙って!!」


侍官達の、後列。

そこには侍官姿の玉禮と玉環の姿があり。

身を起こしそうになる玉禮を、玉環が必死に留めていた。


「___________手配、を。我が国の珍味と妙薬を、夕鈴様に。」

「分かりましたよっ!分かりましたから!もう帰りますよ?!」


ふらふらと帰路に着く玉禮を、うんざりした目で見つめる玉環は。


「・・・・もう、勘弁して下さい。」


心から、疲れ果てていた。




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C.O.M.M.E.N.T

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