2013_08
01
(Thu)21:27

お妃様の小さな葛藤 続

【設定・臨時花嫁】
【少々捏造気味】



《お妃様の小さな葛藤・続》




「お妃様におかれましては、軽い暑気当たりにございましょう。冷たいものはお控え頂き、人肌程度の白湯を・・・」


夕鈴は、侍医からの細々とした注意を聞き漏らすまいと、真剣な表情だ。


_________元を取ろう、とか思ってるんだろうな。


まさか診察代を請求するほど李順も鬼じゃないだろう。

万一、借金に上乗せなどと言い出したら、私が黙らせてやる。

そんな事を考えながら。

黎翔は、夕鈴の真面目な表情の愛らしさに緩みそうになる頬を、なんとか引き締めた。






「大したことが無くてよかった。今夜は早めに寝むんだよ?」

「やっぱり診て頂くと安心ですね。お手数をおかけして、本当に申し訳ございませんでした、陛下。」


ぺこりと頭を下げる夕鈴に、少しの不満が募る。


・・・・なんか、ほんとに他人行儀、だよね。


頭を擡げそうになる狼を、何とか押さえ込み。

君が受け入れてくれる、小犬の笑顔を浮かべ。


「そんなこと、気にしなくていいよ。夕鈴は僕のお嫁さんなんだから!」


柔らかい声を出して、軽く反論してみた。

でも、返ってきた答えは。


「とんでもありません!バイトなのに、侍医様に診て頂くなんて!本当にありがとうございましたっ!」


身に余る光栄です!とかなんとか力説する君は、懸命に線引きをしているようにも見えて。


ちょっと。

いや、かなり。

___________落ち込んだ。



「じゃあ、おやすみ。」

「おやすみなさい。」


いつもの挨拶を交わして、警備兵を睨みつけながら、とぼとぼと自室へ戻り。


「いやー、一生懸命診察代の心配してたね!お妃ちゃん!!」

「・・・・付き合え。」


くすくすと、わざとらしく笑う浩大に、小刀と酒を投げつけた。

投げるのは酒だけにしてよー、と軽口を叩く浩大と、酒をあおり続け。

気付けば、酒壷がそこいら中に転がっていた。


「じゃぁ、陛下。俺そろそろ戻んないと。じいちゃんも待ちくたびれてるだろうし。」

「ああ。」


老齢の老師に、深夜まで護衛をさせわけにも行かないから、と、浩大は後宮へ戻って行った。


もう着替えるのも面倒で、適当に着崩して寝台に転がる。

だが。

目を閉じても、闇の気配しか感じられず。

少しも安らがない。


「・・・・ゆーりん、もう、ねてるかな・・・」


当たり前だ。

侍医が処方した薬湯には、安眠を誘う成分も入っているはずだ。



きっと、もう。

ぐっすりと、寝ている。



そう。

________多少の事では、目覚めぬほどに。









「・・・・いい加減にしろ。」


夕鈴の部屋の前。

宿直の女官と警備兵を下がらせ、扉を開き。

寝台の帳に手をかけた自分に、警告した。


「_________僕の、じゃ、ない。」


少し手を伸ばせば届く距離。


「・・・・私の、もの、だ。」


違う。彼女はバイトだ。


「でも。」

だが。

「・・・・・少しくらいは。」

いいだろう?


一人納得した黎翔は、寝台に滑り込み。

くぅくぅと、健やかな寝息を立てる愛しい娘の髪を撫で。

指の背で、頬をそっとなぞり。


ふっ、と、笑む。


「君がいるだけで、私は・・・・」

安らげる。

「君がいないと、僕は・・・・」

寂しいよ。


だから。

叶う事ならば。


「ずっと、側に。」


診察代なんて気にさせない。

借金なんてもうとっくに終わっているんだし。


ねえ。

夕鈴。


「早く、気付いて・・・?」


僕と私に。

演技の真実に。





しばらくして、

月が傾き始めた頃。


「あーあ、陛下、寝ちゃってるよ・・・・かわいい顔しちゃって。」


黎翔よりも遥かに多くの酒を飲み干したはずの隠密は。

にやにやと笑いながら、妃の部屋を覗き見た。

C.O.M.M.E.N.T

あれ?あれ?

ねむねむしただけ?
ああっ!たくさん呑み過ぎて駄目だった?
残念!
朝が楽しみですね。
うふ。

2013/08/01 (Thu) 23:16 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

Re

羽梨さまへ
飲みすぎると使えませんよね。←
じゃなくて。
軌道修正したんですよ。鍵ばかり書き過ぎだからっ!!!
逆にストレスが溜まりますね。素直に鍵付き書けばよかった。笑

2013/08/01 (Thu) 23:21 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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