2013_07
30
(Tue)10:59

鎮静剤

美味しいパンを頂きまして♪♪

むぐむぐ頬張りながら、書いてみました!(お行儀悪いですね)




【設定・原作沿い】



《鎮静剤》




昼過ぎ。


煩わしい狸どもからの飽きもせぬ「妃献上」の訴えに、業を煮やし。

荒々しい足音共に、黎翔は後宮に現れた。


怒気を隠さぬ狼陛下の身も凍るような恐ろしさに、侍女たちは蹲るように礼をとり。


「妃は。」

「お、お部屋にいらっしゃいます。」


妃が王の機嫌を直してくれることを、心から祈った。











「陛下?!」

「今戻った。」


眉間に皴を寄せ、どかっと長椅子に腰を下ろした黎翔は、不機嫌さを隠さず深くため息をついた。


「・・・・ったく、どいつもこいつも・・・・!」


ガツン、と長椅子を打つ。

普段夕鈴には見せることのない荒々しい仕草に、夕鈴は青ざめる。

それを知って知らずか、黎翔は片手を額に当て、天を仰ぎ。


「今はそんな時ではないだろうに・・・・」


狸どもめ。

呟き、目を閉じた。







コトン、と優しい音が卓から聞こえる。

夕鈴が茶を置いた音だろうか。


しゃら、と衣擦れの音が耳に届くと同時に、柔らかい手が、僕の手を額から外し。

ひんやりと冷たい布が、目と額を覆った。


「・・・・私ごときが言うべき言葉ではないのでしょうが・・・・・」


僕の手の甲を、そっと撫でながら。


「いつも、お仕事、お疲れ様です。陛下。」


労わるように言葉を紡ぐ夕鈴の声が、甘露のように胸に染み渡る。


「・・・・・いつも、いつも。陛下はお仕事頑張っていらして・・・素敵です。」


一瞬、少し湿った柔らかい感触を手の甲に感じ。


気付けば、身を起こして君を抱き締めていた。



ふわりと届く、夕鈴の甘い匂い。

耳をくすぐる柔らかい髪。

真っ赤に染まった耳朶。



自分が鎮まっていくのが、分かる。

__________夕鈴。君は、凄い。




「へ、へいかっ!おちゃ、お茶を頂きましょう?!」


ワタワタと慌てる君が、とっても可愛らしかったから。


「うん、そうだね。」


小犬の笑顔で、開放した。








「・・・・・これは、『ぱん』という食べ物で、ほんのり甘くて美味しいですよ。」


ころんとした丸い形の愛らしい「ぱん」に、異国の茶を添え。

夕鈴はあれこれと説明しながら、僕に勧めた。


「えっと、甘栗が入っているのも美味しいですし、胡桃も捨てがたいです。でも初めて召し上がるならやっぱり何も入っていないのが・・・」


頬を桜色に染めて、熱心に勧めてくれる夕鈴を見つめながら。

僕は、夕鈴のように可愛らしい「ぱん」を堪能した。


「ほんとだ、甘いね!」

「ですよね?お夜食にもちょうどいいかな、なんて。」


にっこり微笑む君の頬が、あまりに美味しそうだったから。

唇を寄せて、啄んだ。


「_________うん。やはり甘いな。」

「・・・・っ!お饅頭の次は、パンですか?!私はっ!!」


真っ赤になって怒り出す夕鈴を、ゆっくりと、包み込む様に抱き締めながら。


「最高のお茶菓子だよ、君は。」


黎翔は、くすくすと笑った。
快哉   
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C.O.M.M.E.N.T

ざっぱーん!!!

砂糖の海に、襲われました。
あっぷあっぷ。
お妃さまの存在は、絶大ですなっ!!
きっと蔭では拝まれているに違いない(笑)

2013/07/30 (Tue) 12:31 | twomoon #- | URL | 編集 | 返信

Re

twomoon様へ
きっと拝まれてますよね!
官吏の皆さんや侍女さん達に!
困ったときのお妃様頼みです。
甘かったですか?
わーい、嬉しいです。

2013/07/30 (Tue) 13:23 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

…ん?

夕鈴のように可愛い「ぱん」…?
…陛下、また夕鈴のこと食べ物に見えて…
って!やっぱり!
「お茶菓子」ってことは、まだありそうですね。
次は何にたとえられるのでしょう…?

2013/07/30 (Tue) 16:51 | さき #- | URL | 編集 | 返信

Re

甘くて噛み応えのある美味しいパンでした。
丸くてむにっとして、程よい重量感があってね。
美味しそうだな、と、陛下じゃなくても思いますよね。
夕鈴。←

2013/07/30 (Tue) 21:18 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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