2013_02
14
(Thu)17:39

結託①

【設定 原作寄り(臨時花嫁)・捏造あり】
【CP 黎翔&夕鈴+几鍔】

注意!オリキャラが出てくるお話です。今回はまだ出てまいりませんが・・・。


お心の広い方、どうぞ宜しくお願いします!



《結託①》

白陽国、王宮。国王の政務室。
山のような政務を精力的にこなす王に、側近がいかにもついで、といった風に報告する。


「夕鈴殿へ実家から便りが届いた様です。」

黎翔は、チラリと側近を見やり、

「そうか」

と一言だけ漏らした。



夕鈴の実家から便りが届くのは、いつもの事だ。

そう。いつもの事、と言えば「いつもの事」なのだが、以前のように急に実家に帰ると言い出されては、自分の心臓に悪い。
よって黎翔はあれ以降、夕鈴に実家から文が届いた場合は自分にも報告するよう、李順に命じておいたのだ。

李順のあきれた様な視線が少し痛かったが、急に夕鈴から里帰りを宣言されるのは、もう嫌だった。

だから今回は心積もりをしていたのだが。

翌日。
・・・やはり、と言うかなんと言うか、夕鈴から里帰りの申し出があった。

「・・・・ちょっと、父が友人の頼みを断れなかった様で・・・。二日間、お休みを頂いてよろしいでしょうか?」

おずおずと申し出る夕鈴に、上司である李順は当然の質問をする。

「休暇を取られる事は構わないのですが・・・。念のため、その『頼み』とやらをお教え願えますか?」

「うっ・・・。やっぱり、理由を言わなきゃダメですか・・・?」

いつになく困った様子で、俯きながら言い澱む夕鈴を見ていたら、可哀想になってきた。

「李順。夕鈴を困らせるな。たった二日。良いではないか。」

李順を軽く睨みつけて、黙らせる。

「ちょうど今は政務も暇だから、僕もついて・・・」
「「陛下!!!!!」」
響く、李順と夕鈴の二重奏。
息がぴったりすぎて、なんかヤダ。

鈍く眼鏡を光らせた側近が、こめかみをピクピクさせながら迫る。
「陛下・・・『お暇』とは存じませんでした・・・・。明日からは遠慮なく!心を込めた書簡を!!贈らせて頂きます!!!」

むぅ。と唇を尖らせた僕に、夕鈴が何故かホッとしたように微笑んだ。

「それでは、私は明日から2日間、お休みを頂きますね。ありがとうございます!陛下。」


***********

一方。
王都下町、章安区。几商店。


「これ!!鍔!!」
今日も元気に女主人の声が響く。

「大声出して、どうしたんだよ?」
忙しく働きながら答える孫息子を、ちょいちょいと呼び寄せる。

「・・・?なんだ?」

「____鍔。最近おまえ、あの商売敵の高商店の様子、しってるかい?」
「いや、しらねぇ。」
そっけなく答える几鍔に、おばば様は哀れみの目を向ける。

「お前もまだまだだねぇ。おまえの婚約者と私があいつらの悪事を暴いて、安心し切ってたのかい?」

「誰が婚約者だって????!!!!!」
真っ赤になった孫の絶叫を聞き流し、祖母は続ける。

「高商店があのまま引っ込むもんかい。だが、やつらは役人に目をつけられた。」
「・・・ああ」
「だから、気を引き締めな。こういうときは、『嫌がらせ』をして鬱憤を晴らす、と相場が決まってるんだ。」

「おばば様。アイツに、何か迷惑かかるっていうのか?」

几鍔の顔つきが、変わった。

そんな孫の様子を少し楽しげに眺めながら、祖母は告げる。

「今のところは、まだ何とも言えないね・・・。だがね、鍔。ああいう奴らは、人の弱みに付け込むのが上手い。気を付けるに越した事はない、と、あたしの勘が告げてるんだよ。」



夫亡き後、卓越した経営手腕を奮い、女手一つでここまで店を盛り立ててきた「おばば様」の言を、几鍔は後に思い出すことになる。
結託②   
«  HOME  »
  正反対

C.O.M.M.E.N.T

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック