2013_07
28
(Sun)19:40

その先 浩大とお姫様 2

【設定・バイト終了のSS「その先」おまけ】
【なんだか今更ですが、捏造あります】
【陛下は出てきません。たぶん。←】





《その先 浩大とお姫様 2》




だだっ広い屋敷の一室が、俺に与えられた。

中庭に面していて、物凄く監視しやすい、素敵な部屋だ。


「ふふ、逃げようなんて、思わないでね?」


そう言って嬉しげに微笑んだお姫さんの顔が、鮮明に脳裏に浮かぶ。



あのさ。お姫さん。


「俺、『お妃ちゃんの護衛兼陛下との連絡役』をさせるために、拉致られたんじゃねえの?」

「飾り甲斐があるわ~。愛らしい弟で自由に遊べる日が来るなんて・・・。」


それはそれは良い笑顔を浮かべる、肉食獣のような紅い瞳に。

俺は、抵抗を諦めた。



__________この人、ダメだ。

何を言っても聞く気がしねえ・・・・


ああ、陛下。

さすがはアンタの叔母上様だよ・・・。











「へえ・・・・皇女様になったのか、お妃ちゃん。」

「ええ、瑠霞姫様が手を回して下さって。」


覚悟、ってやつを決めた者だけが持つ強さを、瞳に宿し。

お妃ちゃんは、気高く、真っ直ぐに、俺を見て。


「____________浩大。お願いね?」


凛とした声が、俺に届いた。


・・・喜んで。

そう言おうとしたのに、身体は勝手に動き。

膝が、片手が、地に吸い寄せられた。

頭が自然と下を向き。


「御意。」


陛下以外に使った事なんてない言葉が、口をついた。


ああ、そうか。


『威厳』っていうヤツだな。



妙に納得した俺は、衣装を翻して立ち上がった。






「あのさ・・・・頼みがあるんだけど。」


そこらで出会った女官を捕まえる。

怯えたような表情を浮かべたから、安心させるように微笑んでやった。


「この衣装、動きづらくてさ。俺の服、返してくんないかな?」


軽くてひらつく衣装を手で示す。

耳元で、リン、と涼やかな音がして。


「・・・・この耳飾もさ、とっていい?」


否と言わさぬよう、女官の耳元で囁いてやった。


「あ・・・・・その・・・・」


頬を染め、カタカタと身を震わせる女官に、最後の一押しをしてやろうと、頤に指をかけたとき。


「・・・それはなりません。」


やっとお出ましか。

覚えのある気配が、現れた。





「だーかーら!!俺の服返してくれよっ!!このひらひらしてふわふわした袖、嫌なんだよ!!」

「申し訳ございません。出来かねます。」


「あー・・・じゃ、せめて普通の服出してくれよ、あんた達みたいなやつ。」

「申し訳ございません。出来かねます。」


「っ!あー、もうっ!!!じゃあ、耳飾りとっていいか?!」

「申し訳ございません。出来かねます。」


「お前ら、真面目にきいてんのかよ?!」

「至極真面目です。」


「・・・・ああ・・・・そうだよな・・・・」


がっくりと肩を落とした俺を、気の毒そうに見て。

やつらは、ようやく普通にしゃべりだした。


「浩大殿。気の毒とは思いますが、ここは大人しく従われるのが上策かと。」

「・・・・・」

「主は、『これだ』と思えば即決即断。気に入った者を愛でるのが好みで、着飾らせるのが何よりの癒し・・・と、常々。」

「あー・・・・・」

「あの方のお目に叶ってしまった以上、しばらく大人しくなさるのが宜しいかと。」

「しばらくってさー・・・俺、早く国に戻んないと仕事になんないよ・・・あんた達も知ってんだろ?」

「____________ご愁傷様です。」

「おいっ!!!」











「・・・・そろそろ、戻っていいですかね?白陽国に。」


何度目かのお茶会の後、痺れを切らした俺は、お姫さんに頼んでみた。


なのに。


「あら、まだだめよ。輿入れまで、まだ一月もあるじゃない!直前に戻れば問題ないでしょう?」

「ダメだって!俺、陛下に殺されるって!!」

「大丈夫よ。」

「何を根拠に?!」



優雅に立ち上がったお姫さんは、俺の耳飾に触れ。

嫣然と、笑む。


リン、と涼やかな音がする。


「・・・・・私がこれほどのことをして上げたのだから・・・・あの子も多少のことには目を瞑るはずよ。」


どこかで聞いた様な低い声が、耳に注がれ。

背筋に悪寒が伝う。

見慣れた紅い瞳が、喜色を浮かべる。

形の良い唇が、弧を描き。


「__________お前を留め置くのは、ほんの少しの間。叔母の親切心を汲まなかったあの子への、ささやかな罰よ。」


女狼の美しい頬を、俺はただ見つめるしかなかった。







③へ

C.O.M.M.E.N.T

ありがとうございます♪楽しく読ませて頂きました~(^o^;)私も今日は疲れがピークですので明日からまた楽しませて頂きます!!

ありがとうございます♪楽しく読ませて頂きました~(^o^;)私も今日は疲れがピークですので明日からまた楽しませて頂きます!!

2013/07/28 (Sun) 21:02 | KYO #- | URL | 編集 | 返信

うきゃあ!

御意キター(・∀・)--
たまりませんね。
叔母上の狼モードも大好きです。
ああ、血縁者( ´艸`)って、ドキドキします。
完全にあさ様ワールドに引き込まれました。
今日はゆっくりお休み下さい。

2013/07/28 (Sun) 21:39 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

KYO様へ

楽しんで頂けて、嬉しいです♪
今、最終話をUPしました。
もし宜しければ♪

2013/07/29 (Mon) 09:18 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

Re

羽梨さまへ
使ってしまいましたよ。「御意」。
私なんぞが使ってよい言葉じゃないよなー、と思いながらも、つい。←
よし、瀬津音さまにメールしよう!(こら)
最終話、できましたー。
平日って素晴らしいですね。落ち着くー。

2013/07/29 (Mon) 09:22 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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