2013_07
23
(Tue)12:11

昔話 5

【設定・未来・お子さまなし】
【オリキャラが色々と出ます】
【陛下の過去捏造】



*最終話です。





《昔話 5》




二週間に及んだ離宮滞在も、最終日を迎え。

夕鈴の手首の痣も、だいぶ薄くなった。



「またのお越しを、心よりお待ち申し上げております。正妃様。」


「ありがとうございます。秀麗さん。」


「次回は是非!お一人でお越し下さいませね。」


「それはだめだ。」



賑やかな別れの挨拶を交わし、黎翔と夕鈴は馬車に乗り込み。

爽やかな風を楽しみながら、夕鈴は窓の外を眺め。

ふっ、と、髪を掻き揚げる。


その手首に残る青黒い痣は、だいぶ薄くはなっていたが、まだ痛々しくて。


黎翔は、震える手を押さえ込み、俯いた。








あの日以来、陛下は私に触れない。


夜、眠りについた私の頬にそっと触れるだけ。

その指先は、冷たくて、震えていて。


ごめんね。ごめんね。


何度も何度も、震える声で。


繰り返す。





ねえ、陛下。


私、陛下を信じてる。


だから。


貴方も。





夕鈴は、向かいに座る黎翔に手を伸ばし。

両手で、頬を包み込み。


「__________もう、自分を責めないで?・・・・私に、触れて。」


目を合わせ、伝える。




貴方の昔も、今も。

これからも。


全部、全部。


全部ひっくるめて、貴方が、好き。




だから、お願い。


「私を・・・・信じて。黎翔様。」



黎翔の眼から、涙が伝い。

震える手が、夕鈴の頬に触れる。


壊れ物に触れるがごとく。

そっと。

大切に。


その手に、夕鈴の手が重なり。

もう片方の手も、夕鈴が導く。



「お願い・・・・もっと、貴方を近くに感じたいの・・・」



深い深い吐息が、黎翔から漏れ。

温もりが、掌に戻る。



「夕鈴・・・・・」

「陛下・・・・大好き。」



淡い吐息に満たされて。

馬車は、一路、王都へと向う。







《おまけ》




「__________わあっ!!」


『あの日の夜に差し上げるつもりだった物です』


短い手紙と共に、秀麗からの献上品が届いたのは、夕鈴が王宮に戻った翌日のこと。


『陛下と共に、お楽しみ下さいませ。』


その言葉どおり、その夜後宮に戻った黎翔と共に、小箱の蓋を開けると。


ふわりと舞う、蛍。



互いを呼び合うように、闇の中で光る、微かな、だが、確かな、光が。


夕鈴と黎翔を取り囲むように、舞う。


「・・・・・きれ、い。」


夕鈴は、呆然と立ち尽くした。






『秀麗は、嫁に行かぬのか?』

『あら、私を妻にするほどの殿方がいらっしゃらないだけですわ。』

『・・・ふうん。』

『ふふ、黎翔様が、貰って下さいます?』

『________っ!ば、馬鹿を言うなっ!』



あの時も、蛍が舞っていたな。


なあ。


秀麗。




黎翔は、夕鈴の肩口にとまった蛍にそっと触れながら。

穏やかに、笑った。
«  HOME  »

C.O.M.M.E.N.T

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2013/07/23 (Tue) 14:19 | # | | 編集 | 返信

ますたぬ様へ

いいなーいいなーいいなー。早売り。
なんでこの辺りには早売りないんだろう。
ああ、切ない。←
春部屋までは行きませんでしたが、素敵イラストUPさせて頂きました!
ご覧になる際は、背後に注意!!特に職場では!!笑

2013/07/23 (Tue) 17:45 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

NoTitle

陛下~
嫉妬する男は嫌われるぞ~?
…という浩大は…今回居ないですね。
陛下と夕鈴は切ない気がしますが、
李家の方々は大好きです!(文が支離滅裂)
玲華さんも秀麗さんもいいキャラしてますね♪

2013/07/23 (Tue) 18:12 | さき #- | URL | 編集 | 返信

さき様へ

浩大が、なぜ出てこないのかというと。
来たの離宮は、玲華さんの支配下だからです。
浩大は、いるけど、出てこられません。笑
オリキャラも陛下も、好き勝手に動いてくれました。
振り回されましたよ。
つ、疲れた・・・・。

2013/07/23 (Tue) 19:53 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

一気に読めた幸せに浸っております(*´∀`)
昔話に参加させてください
決まりの悪い顔の陛下を観察しつつ、お話お聞きします♪
李家のお二人がご一緒なら陛下も小刀投げてこないかなー、と。どうでしょうか

2013/07/23 (Tue) 21:01 | からあげ #- | URL | 編集 | 返信

からあげ様へ

一気読み、大変じゃなかったですか?
すいませんでした。
李家のご婦人方が一緒なら、陛下も大人しくしていることでしょう。
昔のあれこれを、聞き出すチャンス!
後ほどもれなく斬られますね。

2013/07/23 (Tue) 22:13 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2013/07/23 (Tue) 23:44 | # | | 編集 | 返信

羽梨さまへ

楽しんでいただけて、本望です!!
蒸し風呂状態のお部屋で、必死に課題をこなす李順さん。
当時はまだ眼鏡かけてなかったのかもしれませんね・・・。
どうしよう。
青さの残る李順さん。白皙の美少年。さあ。食べに行きましょうか。ご一緒に。
冷たい麦茶でもお淹れしましょうか?
それとも、冷やしたおしぼりで首筋を拭って差し上げましょうか?!
李家、S揃い!例外は芙蓉ちゃんですかね・・・。
私も大好きですよ♪うふふふふ。←

2013/07/24 (Wed) 08:49 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック