2013_07
22
(Mon)21:07

昔話 1

【設定・未来・お子さまなし】
【オリキャラが色々と出ます】
【陛下の過去捏造】




《昔話 1》





「遠路ようこそお越し下さいました。陛下。正妃様。」


出迎えの口上を述べる、涼やかな美声とともに。

白陽国・北の夏離宮。

その女官長は、にっこりと微笑み。


「_________本当に、お久しぶりでございます。陛下。」


余人には察せぬ、試すような視線を、黎翔に送った。












部屋に案内され、荷解きをしてくれる侍女たちを横目で見ながら、いたたまれない思いで夕鈴はお茶を飲んでいた。


・・・私もお手伝いしたいのに。


そんな事を言い出そうものなら、全力で反対されるのは分かっている。

仕方なく、お茶を啜るほか、することもなく。

なんとなく、先ほどの女官長の姿を、思い出した。



すらりと高い背。

優美な物腰。

涼やかな目元と、艶やかな唇。



『_________陛下の好みなら、お色気美人を・・・・』


いやな事を、思い出す。


陛下に向けられる、女官長の艶やかな眼差し。

含みのある、潤んだ瞳。




・・・・・どうかしてるわ、私。


ぶんぶんと頭を振って、あらぬ妄想を振り払おうとする夕鈴に、侍女が駆け寄り。


「大丈夫ですか?正妃様!」

「っ!ごめんなさい、大丈夫です!」


ああ、またやっちゃった・・・・


慌てる夕鈴と、心配げな侍女たち。

どうにか取り繕おうと、四苦八苦していると。


「失礼致します、正妃様。」


女官長の入室を乞う声が聞こえた。


ぴりっ、と、空気が変る。


「____________?」


訝しんだ夕鈴は、侍女に目で問うが、瞼を伏せられてしまい。



やっぱり、何かあるんだわ。



確信した。






「お初にお目にかかります、正妃様。私はこの離宮の女官長、秀麗と申します。」

「初めまして。夕鈴、と申します。」


ふわりと笑みを浮かべた秀麗は、慈愛に満ちた瞳で夕鈴を見つめ。


「陛下が片時も御側からお放しにならぬと、王宮の女官長から承ってございます。こちらにご滞在中は、少しでもご休息頂けるよう心を尽くせ、とも。」

「か、片時もっ、って・・・・!」


恥じらい、頬を朱に染める夕鈴と、嬉しげにそれを見つめる、秀麗。



_____________今部屋に入るのは、やめておこう。



扉の外で、黎翔は気配を殺し。

細心の注意を払って、踵を返した。


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C.O.M.M.E.N.T

あらあら。

何やら楽しそうな雰囲気。
ふふふ。
そっと踵を返しても、離宮からは出られないのよ?陛下(笑)
さあさあ、マズいことを吐いてしまいなさいな。
ああ、楽しいですねっ!

2013/07/22 (Mon) 21:21 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

Re

さて、陛下。
北の離宮ですからね。
来た時点で、色々と諦めてください。
李順さん、今回はお留守番です。王宮組。
胸を撫で下ろしておられます。笑

2013/07/22 (Mon) 22:51 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

お、なんだか美味しそうな匂いがしますよ?(゚ω゚)
北の昔話か聞けるのですね??

2013/07/22 (Mon) 23:34 | からあげ #- | URL | 編集 | 返信

からあげ様へ

あら?美味しそうですか??
少々苦味が強いSSになってしまいました。
お口に合わなかったら、ごめんなさい。

2013/07/23 (Tue) 12:15 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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