2013_07
14
(Sun)11:17

白詰草 おまけ

【設定・臨時花嫁】


《白詰草・おまけ》




ゆらゆら、ゆれる感触が心地いい。

逞しい腕。

ゆったりとした、落ち着く香り。

さらさらと、衣擦れの音がし。

柔らかい寝台にそっとおろされたのが、分かる。



だれ、かしら。


この香り。

この、熱。

この、手。


「__________夕鈴。」


この、声、は・・・・



さらりとした黒髪。

紅くて美しい、瞳。

薄くて形の良い、唇。

広い背。


「・・・私が、わかるか・・・?」




『思い出すな』


知らない声が、頭に響く。

鉛のように重く、何かが蓋をする。


いやよ。

私は、思い出したいの。


『壊すぞ』


何を壊すって言うの?

私の中に、勝手に入ってこないで。


ずきん。


頭が痛む。

気分が、悪い。


で、も。


「___________夕鈴。」


私を呼ぶ、この声を。

私に触れる、この手を。



________私は、思い出したいのよっ!!



叫んだ、瞬間。



『__________おはようございます、お妃様。』


背筋を逆撫でする様な、不気味な声と共に。

ぱんっ、と、何かが弾け。

視界が、開ける。

急に開けた視界は、眩しくて真っ白で。

まるで何日も眠っていたみたいに、強すぎる光に目が慣れず。

ボロボロと、涙が落ちた。


「う・・・・まぶし・・・」

「夕鈴?!大丈夫?!」


急に泣き出した夕鈴に驚き、黎翔は慌てて寝台の帳をおろし。

少し和らいだ陽の光に、徐々に夕鈴の目が慣れた頃、黎翔はおずおずと尋ねた。


「・・・ねえ、夕鈴。僕のこと、わかる?」


夕鈴は、黎翔の手をそっと取り。

その掌を、自分の頬に寄せ。


「会いたかった、です・・・・陛下・・・・」


そっと目を閉じ、呟いた。



黎翔の顔が、唇、が。

________________近づいてくるのを、感じながら。
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