2013_07
11
(Thu)10:05

白詰草 1

前から一度書きたかったお話しです。
そのくせ、この後がどうなるのか。
私にも分かりません。←


【設定・臨時花嫁】
【夕鈴が痛いです】



《白詰草 1》




「今日のお茶は、少し変わった香りが致しますね。」


口に運びかけた茶杯から、ふっ、と、顔を上げ。

何気ない風を装い、夕鈴は侍女に語りかけた。


いつもの侍女さんのお具合が悪いから、その代理の、『初めて会う侍女さん』。


__________その彼女が淹れた、お茶。


ため息をつき、夕鈴は茶杯を卓に戻す。


__________いくらなんでも、このお茶を飲むほど私もお人好しじゃないわ。


「・・・ごめんなさい。老師からの課題を思い出してしまって・・・書物を」


そう言い、立ち上がった私の背後に、女官さん・・・いや、もう刺客と言ったほうがいい。

もとい。

私の背後に回りこんだ刺客さんが、卓上の茶杯を掴むと同時に。


「・・・・っ!」


私の口に、小刀の柄を突っ込んだ。


_________何するのよっ!


声は言葉にならず。


「・・・・・お休みなさいませ、お妃様・・・・」


場にそぐわぬ、穏やかな声と、微笑と共に。


不思議な香りの茶が、私の口に注ぎ込まれ。


私は意識を失った。










__________目覚めたら、長椅子の上。



「・・・・あ、れ?生きてる・・・・」



常と変らぬ、部屋。

常と変らぬ、穏やかさ。


さっきのあれは・・・・夢?

そう思い、唇に手を当てると。


「・・・・ぃっ。」


唇の端が少し切れていて、あれが夢ではない事を知らせる。


「・・・・・?どこも・・・気持ち悪くも、ないし・・・」


でも、一応老師に看て貰った方がいいわよね。

首を傾げながら、夕鈴は老師の庵に向った。










「おお、どうした、お妃よ。」


ごりごりと薬研で薬草を磨り潰しながら、張元は突然やってきた夕鈴を迎えた。


「・・・・どうした、顔色が悪いぞ?」


蒼白というほどではないが、いつもと違う様子の夕鈴を、椅子に座らせる。


「・・・・あの、老師。実は・・・」


刺客らしき女官の事。

不思議な香りの茶。

飲まされたのに、具合の悪いところはない事。


「_________どういうこと、でしょうか・・・」


張元は、不安な表情を浮かべる夕鈴を安心させるように、微笑み。


「とりあえずは、この毒消しを飲むが良い。妃を暗殺しようとするのなら、即効性の毒を使うじゃろうが・・・茶と混ぜたらしいからの・・・効力が、弱まったか・・・」


ブツブツと呟きながら、散薬と水を夕鈴に渡した。

夕鈴が常用している茶には、解毒作用があるものが含まれている。

おそらくはそれが功を奏したか・・・・と、張元は考えをめぐらせ。


「とりあえずは、陛下にご報告せねば・・・」


と、腰を上げ。


「小僧!わしが陛下をお連れするまで、ここでしっかりと護衛すんるんじゃぞ?!」


声を張り上げる。


「はいはーい、了解!」


くるんっ、と、窓から飛び込んできた浩大は、夕鈴を安心させるように、にぱっと笑い。


「陛下、すぐ来るからさ!薬飲んで、安心して待ってなよ!」


卓上の菓子に手を伸ばしながら、明るく声をかけ、夕鈴の顔を覗き込んだ。





ガチャン。


水椀の割れる音が辺りに響く。


「お、お妃ちゃん?!」


突然震え出した夕鈴に、浩大が驚いた声を上げる。


「どうした?!」

「掃除娘?!」


脂汗を流し、手で口元を覆い、身を震わせ。

夕鈴は、何かを耐えるように、荒い息で。


「・・・・・・『へいか』って・・・・だ、れ?」


やっとのことで、言葉を発し。


糸が切れた人形のように、椅子から崩れ落ちた。




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2013/07/11 (Thu) 10:36 | # | | 編集 | 返信

やっとこちらに来れました
夕鈴は陛下のことだけ忘れてしまったんでしょうか??(>_<)
気になります、これは

2013/07/11 (Thu) 14:01 | からあげ #- | URL | 編集 | 返信

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2013/07/11 (Thu) 14:08 | # | | 編集 | 返信

ちび様へ

ほんと、あーつーいー。
そして。クーラー。さーむーいー。
エアコンを消したい母と、リモコンを隠す子どもたち。
まけないっ!←
細切れ且つ長くなりつつあります、このお話し。
もし宜しければ、お付き合い下さいませ。

2013/07/11 (Thu) 17:25 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

からあげ様へ

あ、横綱さまだ。笑
じゃなくて。
私も気になります。どうなっちゃうんでしょうか?
まだ5話までしか書けてません。しかも細切れ。さあ、どうなる!!←

2013/07/11 (Thu) 17:27 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

ますたぬ様へ

えへへ。ばれちゃいましたか?しっぽ。陛下苛めに走っております。手直ししながら書いてます。

2013/07/11 (Thu) 17:28 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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