2013_06
28
(Fri)10:35

添い寝

【設定・未来・お子様あり】
【オリキャラでます。芙蓉・玉華(名前だけ)】




《添い寝》




「清、明、桜花。」


「「「はい。」」」


「今日こそは、お母様は、眠らずにお父様をお待ちします。」


「「「・・・・はい。」」」


「だから、お願い。」


「・・・・・・・・なんでしょうか。」


三者を代表して、清翔が不機嫌そうに返事をした。


「今日は、添い寝なしで、いいかしら?!」


「「「ええええ!!!」」」


_________国王一家の居間に、不満げな叫び声が響き渡った。









ここのところ、十日ばかり。

夕鈴は、子ども達と共に寝入ってしまう日々を送っていた。

黎翔が後宮に戻る時間が深夜だ、ということもある。

日中は、正妃の務めと子ども達の世話で忙しい、ということも、ある。

しっかり寝まねば、身体が持たない、ということも、ある。


_________だが。


寂しい。


そう、思う。



自分だけに見せてくれる、柔らかい微笑。

広い胸。

優しい声。


もう十日も、会っていない。





「・・・・ね?お願い。」


少し寂しそうな母の顔に気付いた、明翔は。


「・・・・はい!わかりました!」


殊更に明るく答え。

仏頂面の清翔と、頬を膨らます桜花の手をとり、寝室へと向った。


「そうだ、母上!芙蓉に絵巻物を読んでもらってもいいですか?」


ぱっと顔を輝かせ、ウキウキと言う清翔に、夕鈴は、優しく笑み。


「ふふ。・・・玉華ちゃんも、一緒に、ね?」


傍らに立つ、芙蓉と目を合わせ、悪戯っぽく、答える。


「おうかと!!お姉ちゃんは、おうかとねんねするの!!!」


一気に機嫌が良くなった清翔につられるように、桜花もはしゃぎだした。


「・・・・・ちょっとだけなら、貸してあげる・・・・」


不承不承、と言った様子の清翔。


「・・・・・兄上、心狭い・・・・」


ため息をつく、明翔。


そんな兄弟を微笑ましい思いで見守っていた、芙蓉は。


「皇子様方、私は玉華を連れてまいりますわね?」


李順の自室にいる玉華を迎えに行くため、退室の礼をとる。

が。


「僕が!僕が迎えに行く!!」


と、清翔。


「「ずるい!!!僕も!私も!!」」


明翔と、桜花が続く。


わいわいと、賑やかに。

三人の子ども達は、それはそれは嬉しそうに、芙蓉を追いかけた。












___________今日も、いない、かな。



黎翔は、誰もいない寝台を想像して、思わず立ち止まる。


もう、十日。十日も、起きている夕鈴に会ってない。

子ども達と共に眠っている夕鈴しか、見ていない。

三人の子に囲まれて、幸せそうに眠っている夕鈴は、本当に綺麗だけど。

母の温もりを感じながら眠る子ども達は、この上なく可愛らしい寝顔を見せてくれるけど。



寂しい。


そう、思う。



「・・・・・ゆうりん・・・・・」


情けない声で、妻の名を呼び。

そうっと、寝室の扉を開けた黎翔が、見たものは。


_________にっこりと自分を迎える、愛しい妻。


「・・・おかえりなさい、陛下。」


鈴の鳴るような声が、耳に届き。

温かい花茶の香りと、夕鈴の香りが漂う。


____________幻?


予想外の光景に、呆然と立ち尽くす黎翔を、夕鈴は不思議そうに見つめ。


「・・・あの、陛下?大丈夫ですか?」


そっと、額に手を当てた。





「・・・大丈夫ですか?」


夕鈴の掌の感触が、する。

___________幻、じゃない。

刹那、自分の頬が熱くなるのを感じ。

黎翔は、片手で顔を覆う。


「・・・え?陛下?!ほんとに大丈夫ですか?!」


慌て始めた夕鈴を、むぎゅぅっ、と、抱き締め。


「・・・・・ちょっと、だいじょうぶじゃ、ない・・・・・」


温もりを、補充する。






「・・・・・・ちょっと、だいじょうぶじゃ、ない・・・・・」


甘えるように自分に縋り付く夫に、愛しさが込み上げ。

寂しかった時間を埋めるように、その広い胸に頬を寄せる。


「私も、大丈夫じゃ、なかった、です・・・・」


夕鈴は、安心したように、呟いた。






「大丈夫じゃ、なかった、です・・・・」


抱き締めた夕鈴からの、思いもよらない言葉に、驚いた僕に。

少し泣き笑いのような表情で、君が言う。


「・・・・・添い寝、して、下さいね?」


__________なに、これ。

やっぱり、幻?


黎翔は、思い切り、自分の頬を抓った。
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2013/06/28 (Fri) 11:51 | # | | 編集 | 返信

ますたぬ様へ

ふふ。ありがとうございますー。
ほんわりしたのが書きたかったのです。
やはり、落差が激しい。笑

2013/06/28 (Fri) 13:28 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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2013/06/28 (Fri) 13:35 | # | | 編集 | 返信

からあげ様へ

そう。
だいじょうぶじゃ、ないのです。ふふ。
清翔。
・・・・変なところが、陛下に似てます。笑

2013/06/28 (Fri) 16:15 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

なにこれ(*´д`*)癒やし?

羽梨を癒やすための罠ですか?
うふふふ。
情けない声で「ゆーりん」癒やされるぅ( ´艸`)
うふふふ。
たまには独り占めしたいですよね。
分かりますっ!分かりますともっ!
うんうん。
あさ様んちと一緒!
羽梨んちも一緒!
うんうん!酔っ払ってませんよ?
ワイン半分くらいで酔ったりしませんとも!
憂さ晴らしなんかしてませんよ?
うふふ( ´艸`)

2013/06/28 (Fri) 22:16 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

Re

・・・・まだかえってこない・・・
500缶ビール二本じゃ、酔いませんよ?
じりじり待ってるうちに、二本目が空になりそうですよ!!早く帰って来い!!
ワイン、いいですね。
私にワイン飲ませると危険ですけどね!
さあ、一緒に憂さ晴らし!

2013/06/28 (Fri) 22:30 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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