2013_06
26
(Wed)16:19

慈雨・続

【設定・臨時花嫁】



《慈雨・続》



もし、『臨時花嫁』を雇おう、などと、思いつかなかったら。


僕は、君に会うことも無く。


見せかけだけの愛情を撒き散らす、数多の『妃』と。


笑顔の下に、刃を隠し。


睦言の裏に、本心を隠し。


それまでとなんら変りのない、殺伐とした日々を過ごしていた事だろう。


ただ、ひたすらに。


死ぬまで。



___________慈雨。


君が降らせる雨は、優しくて、温かくて。


凍りついた僕の心を、緩ませていく。










「・・・ほんとに、驚きました。」


射抜かれた右肩を労わりながら、そうっと衣を着せ掛けて。


夕鈴は、目を潤ませたまま、黎翔を見つめ。


「________矢、が。・・・矢が、陛下を貫いているように見えて・・・・」


ぎゅっ、と、唇を噛み締め、俯く。


「へ、陛下が、お倒れになって・・・・、ぴくりとも、動かなくて・・・・」


指先が白くなるほどに拳を握り締め、何かに耐えるように、夕鈴は言葉を紡ぐ。


「こ、このまま、陛下が目覚めなかったら、って。わ、私________」


「夕鈴・・・・・」


「っ、なんて!縁起でもないですよね!うん!失礼しました!」


何かを振り切るように、パッと顔を上げた夕鈴から、雫が舞い散り。


「陛下はお強いから大丈夫だ、って、李順さんも励まして下さったのに!」


「ゆう、り」


「命に関わる怪我ではない、って、安心していい、って、老師も仰ったのに!」


泣き笑いの夕鈴は、何かから逃れるように、しゃべり続ける。


「これくらいの怪我、なんでもないって。よ、よくある事だって、浩大も、い、言ってたのに。」


「________夕、鈴。」


「わ、わたしっ!取り乱してしまって、ご、ごめ_________っ!」


堪えきれなくなった黎翔の左手が、夕鈴を引き寄せ。


そのまま、胸に抱く。


「へ、へいっ!」


「黙ってて?夕鈴。」


慌てる夕鈴を片手で抱き締め、黎翔はそっと口を開いた。


「・・・・あのさ、夕鈴。」


「は、はい。」


「僕のこと、心配だった?」


「あ、当たり前じゃないですか!!」


怒ったように顔を上げ、黎翔を睨みつけた夕鈴は。


思ったより近くにあった紅い瞳に驚き、頬を染め。


_____________ち、近いっ!!


胸の鼓動が黎翔に伝わらぬよう、ぐいっと胸を押し返す。


が。


「・・・ダメ。」


片手で抱き寄せられているだけなのに、一向に緩む気配のない、優しい腕。


諦めた夕鈴は、ふふっ、と、笑い。


黎翔の胸に、頬を寄せる。



そして、黎翔も。


自分の腕の中で、少し嬉しそうに笑う、愛しい兎を見下ろしながら。


「・・・・君に出会えて、本当に、よかった・・・・」


ふふっ、と、笑みを零した。
添い寝   
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C.O.M.M.E.N.T

(*´д`*)←また

床の上で寝転がって、360度回転×5回してしまいました。
くはぁ(*´д`*)
射抜かれました。
ずきゅーん!!です。
何だっ!!この純愛!!
美しすぎて、直視出来ません!
どこぞのタラ師匠並みの薄目読みですよ?
はあはあ(*´д`*)
今日は、自分んちのSSいいや。
皆様、ごめんなさい!
羽梨はあさ様宅でお泊まりです!

2013/06/26 (Wed) 16:36 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

Re

羽梨さまへ♪
一向に塾の宿題に手をつけぬ汚部屋長女に業を煮やしまして。
無言の圧力をかけながら、幸せな妄想に浸っておりました。
続が書けたのは、ある意味、長女のおかげです。ふふふふふ(怒)
怒りの反動で、純愛ですよ。
現実逃避、ですよ!!!
お泊りですか?どうぞどうぞ。大歓迎です。
でも、一つ条件が。
・・・一緒に寝ていい?

2013/06/26 (Wed) 16:45 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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