2013_06
25
(Tue)21:09

約束

先日観に行った映画の影響が抜け切らず。

どうしても、浩大が書きたかったんですー。





【設定・少し未来・恋人設定】
【ほとんど浩大しか出てきません】




《約束》




頼む。

浩大。

守ってくれ。



旅立つ直前の陛下と交わした、約束。



__________約束。



そう、これは『約束』。


『命令』じゃ、ない。


自然と笑む自分に、驚く。


あの人と、初めて交わした『約束』。


これを、破ったら。


「___________男が廃る、ってもんだよな!」


降り注ぐ矢から逃れつつ。


浩大は振り向きもせずに、小刀を後方へ放ち続けた。









陛下の留守を狙って急襲してきた、刺客たち。

どこの誰かは知らないけど。

陛下の『本物』になったお妃ちゃんが、もうすぐ立后するのを嗅ぎ付けたか。

鼻だけは聞く狸どもが、揃いも揃って邪魔しに来たか。


いずれにせよ。


『守ってくれ』


これだけは、譲れないね。


立ち入り禁止区域の奥深く。


後宮管理人の住まう、厳重に警備を張り巡らせた、部屋。


そこにいる、陛下の最愛を、守る。


今にも闇に飲まれそうなあの人の。

光を放つ、稀有な花。


俺みたいなやつが触れることすら叶わない、純白の花弁を持つ、花を。


「てめえらみたいな奴に、消されてたまるか、ってんだよ!!」


鞭を撓らせ、矢を叩き落し。

岩陰から、樹上を狙う。


________馬鹿が。数打ちゃ当たる、ってもんじゃねえんだよ。


仕込んでいた小刀を・・・・ざっと、十三本、取り出す。


________よし。頭数分、あるな。


今夜は、月夜。


陛下がいないと思って、気が大きくなったんだろうけどさ。


「・・・・・ばっかじゃねえの?お前らのご主人サマ。」


光る鏃を目印に、数を減らす。


あと、二人。


全員殺しちゃ、証拠が掴めない。


二人くらいが、適正。


仲間がどんな風に壊されていくか見物してりゃあ、喋り易くもなるってもんだろ?




___________さて、と。



ザリッ、と、玉砂利を踏みしめて、月光に身を晒す。



____________出て来いよ。



薄青い月の光を纏った浩大の、影が、広がる。



「おい。遊ぼうぜ、『お客様』。歓迎するよ?」



笑みを深めた隠密の、影が、濃くなった。









翌日。


「よっ!お帰り、へーか!」


・・・っと、やべ。


「っ!浩大!」


「・・・・・・お前・・・・・」


「あー・・・スイマセンでした。邪魔するつもりはなかったんですっ!!!」


ジロリと睨む陛下の目が、マジで怖え。


くわばらくわばら。


窓枠に足を掛け、いつも通りに屋根に上がろうとした俺に、陛下が何かを投げた。


「________っ、と!なんだよ、へー・・・・」


手の中のそれを見て、一瞬固まる。


それは。


御印。


それを見せれば、大臣をも従わせ、軍部をも動かせる、『王命を賜った者』の印。


「ちょ、ちょっと待て!俺なんかにこんなの持たせたら・・・・・っ!」


柄にもなく、本気で焦る。

冷や汗が出た。


「___________うるさい。持ってろ。」


仏頂面で、陛下が呟く。


「・・・・それは、『命令』か?陛下。」


手の中の印を見つめながら、問う。


「・・・・いや、違うな。」


ふっ、と、陛下が笑う気配がした。


「・・・『約束』を守ってもらわねばならないからな。______その『証』だとでも思えば良いだろう?」


お妃ちゃんを抱き上げ、真っ赤な頬に口付けを落とし。


朗らかな顔で、陛下が俺を見つめる。



・・・・ああ。


良かったな、陛下。


そんな顔、出来るようになったのか。




浩大は、にっこりと笑みを返し。


チャリン、と、鈴のような音を奏でる『証』を再度、見つめ。



「__________了解!!」



窓の外へ、飛び出していった。
慈雨   
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2013/06/25 (Tue) 21:51 | # | | 編集 | 返信

たまらんっ!!

あさ様~(*´д`*)
たまらんとです。
浩大教官カッコいい←
見ずに撃つ小刀がたまらんっ!
陛下との約束・証。
ん?陛下、どのポジションだ?
司令か。うんうん。
後二人は、素手で倒すんですね。
武術で。
華麗に翻る躰を駆使して。
あれ?私、何かとシンクロし過ぎてる?
幸せ~(*´д`*)

2013/06/25 (Tue) 22:01 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

おりざ様へ

ふふ。
浩大、責任重大。笑
見てないですよ?

2013/06/26 (Wed) 09:40 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

Re

羽梨さまへ
証として、うっかり書籍を渡すところでしたよ。濃紺の表紙の、郷土史。
そう、最後の二人は、素手です。
息もつかせぬ高速体術!!
たのしかったー!

2013/06/26 (Wed) 09:44 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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