2013_06
15
(Sat)08:28

恋人の日2

先日、SNSのコミュにて盛り上がった、「恋人の日」のSS二つ目です。




【設定・恋人】


《恋人の日・2》


________へーかの、ばか。


むぅ、と頬を膨らませ、夕鈴はぽすんと枕を壁に投げつけた。


今日は、早く帰るって、言ったくせに。

夕食作って待ってて、って、言ったくせに。


「・・・・・冷めちゃった、じゃない。」


湯気を上げていたスープも。

熱々だった、餃子も。

美味しそうな彩だったはずの、お野菜も。

ほかほかだったお饅頭も。


「・・・・・台無し、だわ。」


いろんなお話ししながら、ゆっくり召し上がってもらおうと思ったのに。

『美味しいね』って、言ってもらいたかったのに。

にこにこ笑う優しい笑顔が、見たかった、だけ、なのに。


「・・・・・へーか、の、ばか・・・・」


じわり、と、涙が滲み。

ぽろり、と、雫が頬を伝ったとき。



「・・・・遅くなって、ごめん。」


ぎゅぅっと、抱きしめられた。

夜の冷たい空気を纏った恋人の鼓動は、少し早くて。

彼がどれほど急いでここに来てくれたのかが、わかる。


「本当に、ごめん。_______もっと早く、帰るつもりだったんだ・・・」


悲しげな声を聞いた途端、夕鈴は、自分の了見の狭さを思い知り。


「っ!あ、謝らないで下さいっ!」


慌てて、振り返った。






「・・・・ごめん、ね・・・」


ずらりと並んだ、手作りの料理と、悲しげな君の背中。


『・・・・夕食を作って、待っていてくれる?』


そういった僕に、嬉しげに微笑み頷いた君を、思い出す。


「本当に、ごめん。_______もっと早く、帰るつもりだったんだ・・・」


謝罪をこめて、ぎゅぅっと抱きしめると。


「っ!あ、謝らないで下さいっ!」


急に、君が振り向いた。



_____________あ。

_____________っ。



少し動けば触れてしまいそうな距離に。

二人の頬が、同時に、染まる。


「・・・・口付け、して、いい?」


正直な言葉が、僕の口から零れ落ち。


「・・・・っ、もうっ!そういうことは、聞かないで下さいっ!」


夕鈴の目から、涙が消え。


「・・・・へいかの、ばか・・・」


呟いた言葉は、言葉に、ならず。


今日も、狼と兎の密やかな幸せを守るかのように。


____________甘やかな夜の帳が、ゆっくりと、落ちていった。
  
«  HOME  »

C.O.M.M.E.N.T

じゅるじゅる

ああ、甘くていいですな。
糖分の足りてない羽梨が吸い尽くしにきましたよ。
じゅるるる
今日は頑張って下さい。
レス不要ですよ。

2013/06/15 (Sat) 16:39 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

Re

近所のホタルスポットに、みんなで出かけてくれた!!
この隙に、iPad!!(おい)
あー、サクサクつながって快適♫打ちやすければ、もっといいのに。
って。
とうぶんはq、相互補給ですわね。ほほ。

2013/06/15 (Sat) 20:34 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2013/06/15 (Sat) 23:26 | # | | 編集 | 返信

慎さまへ♫

こんばんは!
コメントありがとうございます。
夕鈴のわがままは、可愛らしいですものね。
もっと言って♫
と、すっかり陛下な気分です。

2013/06/15 (Sat) 23:30 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック