2013_06
01
(Sat)00:39

皇子の願い⑧

【設定・未来・お子様あり】
【ご注意!オリキャラ(お子さま三人・李順さんの奥さん・その他)でまくりです。】
【捏造の塊でございます】
【ほぼ、お子さま世代がメインの話しです】


☆人物説明

珀清翔(長男にして、李順の長女と夫婦。李家に居候中。)
珀明翔(次男にして、時期国王・・・なのは、まだ内緒。)
珀桜花(三人兄弟の末子。長女にして、女王。几鍔の嫁になることが決まっている。)

李芙蓉(李順さんの奥様。)
李玉華(李順さんの長女。清翔の妻。姉さん女房。)


この他にも、オリキャラさんが出てきます。


苦手な方は、ご無理なさらず!!



一応、これで最終回です。






《皇子の願い8》




清翔が解毒の薬湯を口移しに飲ませ、その影響で玉華は高熱を出した。


「おそらく、明日の朝になれば熱は下がります。」


老師はそう言って、下がり。

清翔は終始無言で、玉華をじっと見つめていた。



『いまだけは・・・・』


背に縋り付き、玉華がそう言ったとき。


__________なぜ、もっときちんと向き合わなかった?


哀しげに泣きながら、僕に縋り付く、君。


__________どうして、もっと伝えなかった?


ここまで君を追い詰めたのは・・・・僕、だ。





玉華が飲もうとした『毒』。


あの毒は、眠るように、だが、確実に死へと誘う、猛毒。


___________あの樹の下で、眠るように逝くつもりだったのか?


苦しげな息遣いで横たわる妻の頬に、清翔はそっと触れ。


「・・・・一人で、なんて、逝かさない。」


ぎりっ、と唇を噛み締め。


「玉華・・・・・」


額に、口付けた。


すると、ぴくりと玉華の瞼が震え、ゆっくりと、目が開き。


「・・・・・太子さ、まは・・・・きちゃ、だめ、です・・・」


切れ切れに紡がれた言葉に、清翔の中で何かが切れた。


高熱で熱くなった玉華の唇に、噛み付くように口付け。


燃える様な紅い瞳が、怒りの程を表す。


「・・・・せいしょ・・・さま・・・・」


息も絶え絶えな玉華に、清翔は覆いかぶさり。


「君以外は、要らない。君が逝くのなら、私も逝く。『太子』を殺したくなくば、自分を生かせ。玉華。」


両手で顔を挟み込み、真っ直ぐに、伝える。


「わ、たし・・・・あなたが、ほかのひとと・・・・たえられ、な」


「耐えられずとも、生きよ。私を置いて死ぬな。何があろうと、生きよ。__________そして、何度言わせれば、分かる?」


清翔の笑みが深まり、本気の怒りが玉華を襲う。


「私の妻は、君だけだ。・・・・分かるまで、分からせる。もう手加減などせぬ。覚悟しろ、玉華。」


夫から与えられる激しい熱と、身の内で荒れ狂う、『解毒』の熱。


明け方まで抗い続けた玉華は、気を失う寸前に、ようやく、頷き。



翌朝、清翔は、桜花にすごい勢いで怒られた。











それから、二週間後。


明翔は、『彼女』と再会の約束を果たすため、国境の河辺に佇んでいた。



「・・・・来てくれる、かな・・・」


明翔は向こう岸を見つめながら、先日のやり取りを思い出していた。









約束の日の、一週間前。


「__________李順。準備は進んでいるのか。」

「はい、陛下。」

「説明しろ。」


黎翔の指示で、李順が話し始めた。


「明翔殿下。ただ今白陽国は、翠国に縁談を申し込んでおります。」

「は?」

「翠国皇女・玉水蘭様と、珀明翔殿下の縁談です。」

「え?だ、だって!」

「明翔様。・・・・翠国へ、お入りになる覚悟はございますか?」

「僕が、翠国へ・・・」

「はい。過去のしがらみを水に流し、両国の新たな関係を築く、よい楔となりましょう。」

「・・・・・」

「話しは変わりますが。数年前より、我が家の長男・李正と、次男・李章が遊学に出ておりますのを、ご存知ですか?」

「ああ、知っている。」

「そろそろ、李正を呼び戻す事にしました。」

「そうか。」

「そして・・・・李章は、数年前に翠国で官吏登用試験に合格し、現在は王宮政務室にて勤めております。」

「え?!」

「これは、上皇陛下もご存知の事です。」

「え?え?」

「・・・・もう何年も前から、です。目的は『友好』ではなく、『侵攻』でしたがね。」

「侵攻・・・・」

「ですが、事情が変りました。上皇陛下も、過去の事は水に流すと仰った事ですし!ね?陛下?!」



ぶぅ、と頬を膨らませて、黎翔は嫌そうに返事をする。


「・・・・水に、流す。・・・流さないと、夕鈴が寝室に入れてくれない。」


ふぅ、と李順はため息をつき。


「ですから、殿下。心置きなく、翠国皇女にお会い下さい。」


にっこりと、笑った。










遠くに栗毛の駿馬が見える。

ぱっ、と明翔は立ち上がり。

徐々に近づいてくる皇女を、待つ。



翠国と白陽国を分かつ河の、こちらとあちら。

そこにあるのは、見えない壁のような、何か。


・・・・でも。



__________きっと、世の中はもっと単純なんだ。


明翔は、几鍔の言葉を思い出す。


こちらとあちらの違いなんて、きっと、とても微々たる物で。


どちらにも『人』が住んでいて。


どちらにも、大切な人が、いる。


ならば、僕のする事は・・・・






ざぶん、と河に乗り入れ、向こう岸に渡り。

皇女の手をとり、笑顔で告げる。


「私の妻に、なって下さい。」


心からの『願い』を、伝えること。


他の誰でもなく、僕の心からの『願い』を。


_________君に、伝えること。







微笑みあいながら、見詰め合う、翠国皇女と明翔のお話しは、また、別の機会に。

C.O.M.M.E.N.T

うっ(T^T)

最終回?うそ・・・。
ああ、でもみんなが幸せになれるなら良かった!
上皇陛下以外( ´艸`)
いや、夕鈴に寝室に入れて貰えるなら、幸せ?
うん、幸せ!
明翔くんの愛のストーリーいつか、詳しく細かく、ねっとりと書いて下さいね?ね?

2013/06/01 (Sat) 19:10 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

Re

えへへ。
ちょっと疲れてしまい、キリが良いところでいったんお終いにしてしまいました。
ごめんなさい!
貧乏性で、やりかけの仕事があると帰りたくない人なんですよ。
だから、長編は書き切るまでソワソワしちゃって。
ぶっちゃけ、睡眠時間が足りなんです!!
寝ないと倒れる子なので。笑
たくさん寝たら、書ききれてない明翔君とか、清翔玉華の裏とか、コミュの幼な妻の裏とか、色々書きます。
ねっとりですね。ふふ。

2013/06/01 (Sat) 19:27 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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