2013_05
27
(Mon)17:21

日傘

【設定・臨時花嫁・原作沿い】



《日傘》



薄茶の髪に映えるようにと選んだ、金の髪飾り。

いきいきと表情を変える、明るい茶の瞳。

鈴の鳴るような、声。

すぐに朱に染まる頬。

華奢な肩。なだらかな背。

優しくくびれた腰と、まるくて柔らかそうな・・・・




_________とにかく。


僕以外の男が。

彼女を見つめ続けるなんて。


______________どうしてやろうか。











「お妃様、陽射しが強うございますので、本日より日除けを使わせて頂いても宜しゅうございますか?」


いつも通り、湖畔へ散歩に向おうとした夕鈴に、侍女が申し出た。


夕鈴は、日焼けが苦手だ。

色素が薄いせいか、長時間日に当たるとすぐに真っ赤になって、ひりひりと痛む。


今日の陽射しは、まるで夏の様で。


「・・・・ありがとうございます、宜しくお願いしますね。」


夕鈴はにっこりと侍女に礼を言った。





妃のために設えられた日除けは、大きくて重い。


侍女が二人がかりで大きな日除けをしっかりと支え、淑やかに歩く妃に快適な日陰を作り出す。



__________いたたまれないわ・・・・。


夕鈴の背に嫌な汗が伝う。


・・・うん。絶対重いわよね。あの巨大な日傘。

侍女さんたちは力仕事なんて慣れてないから・・・ああ、よろめいて!あ、危ないっ!

_______ああ、どうしよう。

私なんかの為に、侍女さんたちに大変なご迷惑を・・・・!!



いつもの四阿に到着した頃には、日除けをかかげる役目の侍女達には疲労の色が濃く。


「・・・・あの、帰りは、日除けは不要です・・・」

夕鈴は、おずおずと申し出たが。


「何を仰られますか、お妃様!!お妃様の玉のお肌をこのように強い陽射しに晒すなど!侍女の名折れでございますわ!とんでもございません!」

ものすごい勢いで、反対されてしまった。


________妃が日焼けで真っ赤、だなんて・・・確かに、格好が付かないわよね。


夕鈴の煩悶は、続き。

散策の間中、考えに考えた夕鈴は、思い切って老師を訪ねた。



「あの・・・・老師。折り入ってお願いが・・・・」


「お!なんじゃ?陛下を落とすなら簡単じゃぞ?艶やかな夜着を纏い、灯を落として、そっとお手をとり、寝台へ誘う!それだけでよい!」


「___________なにを仰ってるのか、さっぱりなんですが・・・」


冷たい視線を投げかけ、夕鈴は勤めて冷静に話しを切り出した。


「あのですね、散策に出るときに日除けを持っていただく役目を・・・・」


静かな後宮管理人の自室には、妃のひそひそ声と、うんうん、と頷く老師の声だけが響いた。










翌日。散策の時間。


「お妃様、本日よりこの者がご散策時に日除けをお持ちすることになりましてございます。」

どこかほっとしたような侍女さんたちの表情に、夕鈴も安心する。

そして。


「そうですか。どうぞ宜しくお願いしますね。」

にっこりと、愛らしい笑みを・・・・年若い侍官に向けた。



日除け役の持官は、力が強いらしく、重たい日除けを軽々と持ち上げ。

良い具合に日陰を調節しながら、妃一行の散策に随う。

そして。

後宮管理人直々に選任されただけあり・・・・・見目麗しい美丈夫であった。


侍女たちは嬉しげに頬を染め、心なしか華やいだ空気が漂い。



___________やっぱり、老師にお願いして本当によかったわ。



夕鈴も、心から散策を楽しんだのだった。








その日の夜。王宮の黎翔の自室では。



「・・・・・ってなわけで、でっかい日傘を持つ役目の持官が散策に加わったよ。」


浩大の報告が行われていた。


「_______持、官?」


黎翔の眉がぴくりと上がる。


「うん、持官。じいちゃんが選んだヤツだから、安心できるよ。・・・護衛の役目もある、かな。」


にやにやと笑う浩大に、黎翔が噛み付いた。


「__________隠すと、ためにならんぞ。」


低い声音が、浩大を襲う。


「おお、こわっ!大丈夫だよ、陛下。」

「なにがだ。」

「だから、そいつは確かにいい男で、侍女たちが浮き足立ってたけど・・・・・」

「・・・・・・ほう。」

「お妃ちゃんは、そいつを見るというより、そいつを見て楽しそうにしている侍女たちを見て、にこにこしてたから。」

「・・・つまり、夕鈴の眼中にはない、ということか?」

冷気を纏ったまま、黎翔が浩大を追い詰める。

「__________へーか。ほんと余裕ないね・・・。」

「うるさい。」


不機嫌そのものの顔で浩大を睨みつけた黎翔は・・・・・数日前にちらりと見かけた夕鈴の姿を思い出していた。




政務の合間に、偶然見かけた夕鈴。

汗ばむ季節にふさわしい、薄手の衣。

すっきりと纏め上げられた、艶やかな髪。

少し大きめの耳飾が、とてもよく似合っていて。

華奢な肩。

柔らかそうな背。

なんともいえず、優雅にくびれた腰。

そこから続く、なだらかな・・・・・・



__________それ以上を想像した黎翔は、思わず片手で顔を覆った。



「・・・・へーか?」

おずおずと問いかける浩大に・・・思った以上に冷たい声が出る。

「__________許さん。」

「へ?」

「___________老師を、呼べ。」







翌日から。


妃の散策には、必ず王が同伴するようになった。

片手で軽々と日除け持ち、妃にさし掛け。

「・・・陛下、もう止めて下さい!!私が自分で持ちます!!!」

恐縮して固辞する妃に甘い笑みを向け。

「・・・・・だめだ。」

終いには、妃を抱き上げ四阿へ連れ去る。


そんな時、妃は少しだけ王の胸に頬をよせ。

王の大きな影の中に、すっぽりとおさまってしまうのだった。


恥ずかしそうに、嬉しげに________頬を、染めて。

C.O.M.M.E.N.T

唐揚げ

揚げなきゃいけないのに、ふと立ち寄ったあさ様宅で、ガッツリと座り込んでしまってます(笑)
なんだか、久しぶりな気がしますが、そうでもないんですね。
あさ様のSS。
持官くん目線とか侍女ちゃん目線なんかも読みたくなっちゃうくらい、夕鈴が艶やかで。
陛下が余裕なくて可愛くて。
いやあ、あさ様宅の陛下は日傘も持っちゃうくらいヤキモチやき屋さんで( ´艸`)
陛下の影にそっと隠れちゃう夕鈴がいいっ!
コテン、ですね??
可愛い。めろめろになるがいい!!←死語?
さて、唐揚げ揚げよう!
酢入り唐揚げですよ。
お酢レシピにハマってます。
お酢が入ってると気がつかない家族を見るのが、快感・・・(*´д`*)

2013/05/27 (Mon) 17:35 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

Re

そうなんですよ、久しぶりだなーと思ったんですが、たった二日しか経ってなかったんです。笑
二日間SS書けなかっただけなのに、なんでしょうね、この感覚は。
お酢ですか!大好きです、お酢。
から揚げにお酢ですか。いいですね。
肉団子スープに入れようかな。次女と長男が肉団子作ってるんですよ。いま。
・・・食べられる物体に仕上げておくれ。お願い。(泣)
うちの陛下は焼きもちすごいですからねぇ。
護衛を兼ねていても、間近で夕鈴の後姿見るとか、ぜったいダメな陛下です。
ふふ。

2013/05/27 (Mon) 17:46 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック