2013_05
23
(Thu)21:14

夏至

SNSにて19999人目のお客様となられた、へもへも様のリクエストです!

いやー・・・暴走陛下を制御するのが大変。笑


師匠!煮るなり焼くなり、お好きにどうぞ!!



【設定・臨時花嫁】



《夏至》



「・・・・他言は無用だ・・・私から、伝える。」


夏の強い日差しが王宮の瓦屋根を焦がし。

後宮の白い回廊が、眩しいほどに陽射しを撥ね返す。


庭園の木々は、思うがままにその葉を茂らせ。

夏の花々は、真っ直ぐに天を目指す。




眩すぎる、日の光溢れる、この季節は__________自分の影が浮き彫りになるようで、あまり、好きじゃない。


光が濃いほどに、影も濃く。


対なる二つは、決して交わる事はない。

互いを渇望し、手を伸ばすが・・・決して、届かない。

届いては、いけない。






「あと、三ヶ月です。」

李順の言葉が甦る。


夕鈴の借金は、もうすぐ、終わり。

秋が深まる頃、君は解き放たれる。

・・・・僕を、置いて。



「_________陛下。お覚悟、を・・・・」


脳内を、李順の言葉がぐるぐるとまわる。


君が光なら、僕は、影。

光を失えば、影は________


我知らず、呟いていた。

「__________どうなる?」











強すぎる陽射しに、侍女さんたちが日傘をさしかけてくれる。

きらきら光る水面が、とってもきれいで。

湖畔の四阿は、すごく気持ちがいい。



夢の中にいるかのような、後宮での日々。

そりゃ、楽しい事ばかりじゃなかったし、怖い目にもあったけれど。



________夕鈴。

私の名を呼んでくれる、薄い唇。


_________良い香りだな。

髪を弄ぶ、長くて骨ばった指。


_________泣くな。

頬を撫でてくれる、大きな掌。



この国を照らす、強い太陽のような、王。


小さな花にも、優しさを忘れない・・・あまねく世を照らす、光。


その心の片隅にでも、残れたら。


・・・それで、いい。




「あと三ヶ月で、借金は完済です。」


李順さんの言葉が甦る。


「夕鈴殿・・・・・心の準備を・・・・」


ぐるぐると、言葉が頭の中を巡る。






「・・・・へい、か・・・」


ぽろり、と、涙が膝に落ちる。












湖畔の四阿は、夕鈴のお気に入りの場所だ。


きらきらと輝く水面を見つめる夕鈴の瞳は、本当に、綺麗で。


僕はいつも君の瞳の中の水面を楽しむ。



________伝えても、いいのだろうか。

________受け入れて、もらえるだろうか。


恐怖に、足が止まる。


「_________くくっ。狼陛下にも怖いものがあるとはな・・・」


自嘲する。



ざあっ、と、吹いた強い風が、黎翔の前髪を弄り、夕鈴の髪を吹き流す。


「_________っ!」


風にのった夕鈴の涙が、黎翔のもとへと届き。


明るい日差しが、二人を包む。



「_________ねえ、夕鈴。」


黎翔は夕鈴の手をとり、そっと立たせて、相対した。


「・・・なんでしょうか、陛下。」


夕鈴は、黎翔の手をそっと握り返し、紅い瞳を正面から見つめた。



「私の______珀黎翔の、妻になってはくれぬだろうか。僕の______本当の、お嫁さんになって・・・夕鈴。」


「っ!」


「いてくれるだけで、いいんだ。側にいてくれるだけで、僕は、私は、満たされる。お願いだ。側に。私の側に。いつまでも僕に寄り添っては・・・・くれぬ、だろうか。」


「陛下・・・・」


夕鈴の手をとったまま、黎翔は跪き。

強い決意を宿した紅が、夕鈴を見つめる。


「___________我が后に。君を、望む。」


「あ・・・・・・・・」


返事は、こぼれる涙と、満面の笑み。

風に飛ばされる夕鈴の涙は、玉を砕いたように輝き。


まぶしい陽の光が、二人に降り注いだ。


祝福を、贈るように。









その夜。

黎翔の自室では。




「李順。覚悟を決めたぞ。」

「そうですか・・・」


いつもの調子で、李順は書簡をまとめ始めた。


「________それでは、三ヵ月後の正妃立后の儀にむけて・・・・明日から。お覚悟はよろしいですか?」


にやりと、李順が笑い。


黎翔は嬉しげに、微笑んだ。








一年で一番、太陽が輝く、夏至。


陽の恵みを寿ぐ、この佳き日に。


我が、光である、君と。

私の、太陽である、貴方と。


心を、繋ごう。

____________決して、ほどけぬように。


____________決して、離れない。


覚悟と、共に。
日傘   
«  HOME  »

C.O.M.M.E.N.T

眩しいっ!!

お互いが光で太陽であるなんて、すでに輝く王と正妃になっているじゃないですか( ´艸`)
陛下、頑張ってよく言えました!
逃げられた後じゃ大変ですからね。色々と。ええ。
終わりですよ~と、言いながらちゃんと夕鈴を正妃にする準備をしてる李順さんがいい男で堪らんですな( ´艸`)←こればっか。
どんどんいい男になるがいい!
ふはははは(壊)
羽梨

2013/05/23 (Thu) 22:28 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

Re

ほら、結局は李順さんがキーマンなんですよ。
羽梨様の大好きな、李順さん、が♪
『________さあ、手を。』
『全て、準備してございます。陛下。』
『なにを、いまさら・・・・まだまだ、ですね』
『責は、貴方にありますよ?________芙蓉』
上記のセリフ。
どういうことなのか、私にもさっぱり分からず。
脳内の李順さんがおかしくなってます。
いつになったら、まとまる事やら。

2013/05/23 (Thu) 22:56 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

ああっ!!

すべて李順さんですか?
妄想が振り切れる~(≧∀≦)
特に芙蓉ちゃんへのセリフ。
もう、正座してお星様眺めてようかな( ´艸`)
そのセリフ1つでSS1ついけますよね?
全部繋がったら・・・。
鼻血コースですな。
ティッシュ持って待てしてます!
待て♪待て♪待て~♪(完全崩壊)

2013/05/23 (Thu) 23:07 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

Re

はい、すべて李順さんです!
・・・ほんと、最後の一つでSS一個いけるかも。
うっかり、露出しすぎたとか?!
夕鈴の側仕えで、身の程知らずの坊ちゃん官吏に横恋慕されたとか?!
マジ切れ李順さん!
即、春部屋行き!!(違)
・・・・・・・・・すこし、落ち着かねば。もうすぐだんなさんのご帰宅ですよ。ええ。

2013/05/23 (Thu) 23:14 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック