2000_05
20
(Sat)17:26

狼の迷い・おまけ

《狼の迷い・おまけ》



浩大の着物を着せ掛けられ、目を赤くした、夕鈴。

少し乱れた、兎のような髪型。

「____________帰ろう。」

浩大の上着を脱がせ、自分の上着を羽織らせ。

黎翔は、夕鈴を抱え上げて、馬上の人となった。




「老師、妃の湯殿の仕度を急げ。」

強張った表情と、硬い声。

今の黎翔に逆らえる者は、誰一人として、おらず。

黎翔の帰りを待ち侘びていた李順も。

そばに控える、浩大も。

事情を知らぬ、老師も。


_________無言で、跪く。


狼の腕の中で微かに震える兎を、痛ましげに見つめながら。





黎翔は、夕鈴を抱きかかえたまま、湯殿に入る。

「・・・へい、か。」

びくっと、腕の中で夕鈴が身を竦ませるが、黎翔の動きは止まらず。

夕鈴を立たせ、上着を脱がせ。

しゅっ、と帯を解き、衣を落とす。





手早く、衣を脱がされる。

恥ずかしい、はずなのに。

黎翔の真剣な表情と、真摯な紅い瞳に、なにも言えなくなる。

するり、と全てを取り除かれ。

確かめるように、撫で上げられる。


「__________傷は、ないな。」

髪を掻き揚げられ、項から背まで探られ。

耳朶から首筋まで、さわり、となぞられる。

途端、先ほどの克右の唇と舌の感触が思い出され。

「だ、だめっ!汚いから!」

________我に返った夕鈴は、叫んだ。





「汚いから!」

その声に、手を止めた。

「・・・・何を、された?」

自分の声の低さに、身震いする。

「・・・・あ・・・・・」

夕鈴の顔が、青ざめ、逸らされ。

「な・・・なにも、」

「嘘をつくな」

自分の冷たい声が、聞こえる。

「・・・・言え、ませ、ん。」

涙が一粒、夕鈴の頬を伝い。

_______兎の目に、力が宿る。


「克右、さんはっ!!私を心配、してくれたんです!陛下の大切な臣下、でしょう?!だ、だからっ!私は!だいじょう、ぶ、なっ・・・・っ!」




夕鈴の言葉を最後まで聞かず、黎翔は兎を抱きしめた。

包むように、守るように。

・・・・癒す、ように。



「・・・・我慢しなくて、いい。」

「っ!」

「大丈夫、君が望むなら、克右を罪に問う事は、しないから。」

「へい・・・・」

「・・・・もう、いいんだ。我慢、しないで、いいから。」

「か・・・・っ」




涙が、止まらない。

我慢しなくて、いいの?

大丈夫、なの?

この胸で、泣いて、いいの?・・・いい、の?



________温かい。



夕鈴は、逞しい胸に顔を埋め。

黎翔は、小さな身体を抱きしめた。



真っ白な、夕鈴。

心も身体も、真っ白で、綺麗な夕鈴。

温かい湯に浸かり、ほんのりと桜色に染まる君の身体を。

僕は、優しくなぞる。

耳朶を食み、肩を、背を、柔らかい双丘を、弾力のある臀部を、全てを。

僕だけの君を、撫で上げ、味わう。

僕の瞳と同じ、紅い華を咲かせながら。



ぴくん、と、自分の意思とは関係なしに、身体が跳ねる。

「________んっ・・・・は、ぁっう・・・あ、あ・・・・・あ」

聞いた事もないような、自分の声が聞こえる。

胸の頂を食まれ、転がされ。

温かくてぬるりとしたものが、身体中を、探る。


「・・・・いや、か?」

切なげな、貴方の囁き。

________いやな、わけ、ない。

ふるふると、首を振ると、安堵のため息が聞こえた。


力の入らない身体は、自分のものじゃないようで。

されるがまま、探られるがまま。

自分でも触った事なんてない、身体の中を探られて。

「あ!ぁ!い、いやぁっ!あ、きゃぁっ!ん、んんん!!」

自分の意思とは無関係に、声が出てしまう。

「・・・・陛下、へいか・・・・」



_________大好き。



知らなかった。


言葉にして伝えるだけじゃなくて。


身体で、温もりで、語る事ができるなんて。


「・・・・夕鈴・・・・夕鈴・・・・」

あやすような、縋るような、貴方の優しい声に、私は何も分からなくなって。

施される、最上の痛みと、最高の幸せに。

ただ、酔いしれた。

C.O.M.M.E.N.T

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2013/05/21 (Tue) 13:39 | # | | 編集 | 返信

Re

羽梨様♪
ぬるめの、初めてでございました。うふふー。
やっぱり、陛下だと「いやじゃない」んですよ。うちの夕鈴は!
そりゃあもう、陛下は堪能した模様です。一晩中、朝まで。
・・・朝も、だけど!!!

2013/05/21 (Tue) 17:53 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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