2013_05
07
(Tue)20:36

抱擁

少し疲れ気味でしたので、癒されるために、ほのぼのとしたのを書いてみました。



【設定・未来夫婦・おこさまあり】


《抱擁》



「しーっ・・・お父様はお疲れなのよ?お起こししないように、そっと、そーっと、ね?」

ふふふっ、と笑いながら、夕鈴が子ども達を嗜める。

こっそりと隠れるような小さな足音が、僕に近づいてくる。

「そーっと、そーっと・・・」

ふわ。

寝たふりをする僕に、柔らかい掛け布が優しく降ってきた。




子ども達の声を聞きながら、のんびりとまどろむ。

こんなに幸せでいいんだろうか。

本気で心配になってきた僕の頭上から、夕鈴の声が降ってきた。

「起きてらっしゃるんでしょう?」

くすくすと笑いながら、僕の頭を膝に乗せた夕鈴は、掛け布を直してくれた。

「・・・・ばれてた?」

「ええ。」

少し身じろぎをして、夕鈴の香りを胸いっぱいに吸い込む。

_________いい匂い。



「_________あの、陛下?」

「ん?」

「お疲れでしょうから・・・本当に眠っても、宜しいんですよ?」

心配そうに覗き込んでくれる君が、あまりに愛しくて。

手を伸ばして、頬を撫でる。

「・・・・じゃあ、僕が目覚めても、側にいるって約束、して?」

不安に揺れる赤い瞳が夕鈴を見つめた。





君に出会う前までは、望むことすらしなかった。

君を知る前までは、その存在すら信じていなかった。

________安らぎ。


一度得たそれは、僕を臆病にする。

もし、これが全部夢だったら。

目覚めたら、一人きりだったら。

もし、大切な君や子ども達に、何かあったら。

もし。
もしも。
ひょっとして。

_________不安で、たまらない。

この温もりが、もしも、消えてしまったら__________僕は、どうなるんだろう。





夫婦になって、子ども達を授かった今も、陛下の瞳は時々不安で揺らぐ。

確かめるように、私を抱き。

守るように、子ども達を包む。

この愛しい人に、私がしてあげられる、唯一つの事。



「____________貴方を一人にはしません。」


心からの言葉と、抱擁を。

例え、何があろうとも。

この人を_________独りには、しない。

私の愛しい貴方、を。

私は抱き続ける。
  
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