2013_04
30
(Tue)17:58

慰安旅行

癒されたくて、陛下&夕鈴+李順さん&芙蓉で、慰安旅行に出かけてもらいました。

そしたら、なんだか少し大人な雰囲気になりました。

どうぞ、ご注意くださいませ。



お時間のある方、どうぞ♪

あ、お心を広く、海よりも広く、お願いします!






捏造のかたまりです。
食べ物とかも、全部捏造です。
オリキャラまで出てきます。(李順さんの奥さんです)


【設定・未来夫婦】


《慰安旅行》


東方への、視察。

正妃を連れたそれは、物々しいものではなく、景勝地を楽しみながらのゆったりとした旅行であった。

あえて『視察』と銘打ったのは、質素倹約を旨とする正妃を言い包める、狼陛下の苦肉の策_________なのを知るのは、ごく一部の者のみ。







「芙蓉さんもご一緒で嬉しいです。よかったわ!」

馬車の中で、夕鈴はにこにこと黎翔に話す。

「知らないところでも、お友達と一緒ならなんだか楽しいですものね。」

「・・・ほう。夫と一緒では心もとない、か?」

さらり、と夕鈴の髪を弄びながら、黎翔はくすっと笑い。

「そんなことはないですけれど・・・・陛下はお仕事で・・・・視察中は、いつもご一緒、というわけには参りませんから・・・・さ、寂しくて。」

視線を彷徨わせて、頬を桃色に染め。

珍しく素直な夕鈴に、黎翔は自制心を試される。

「・・・・・・早く離宮につかないかなー・・・・・」

ぼそっと呟いた黎翔の声は、窓の外の景色に見蕩れる夕鈴の耳には、届かなかった。







「_______少し王都から離れただけで、こんなに違うものなんですねー・・・」

卓に並ぶ初めての食材、初めての料理に、夕鈴は目を瞠る。


『長旅ゆえ、正妃を休ませる』

黎翔の一言で、本日の夕餉はごく身内のものだけで囲むことが出来た。

王宮ではありえない、気が置けない友人との寛いだ食事。

ぴりりと刺激があって旨味が濃い料理の数々に、夕鈴の箸は進む。

「芙蓉さん、こちらも!こちらも美味しいですよ!お取りしますから、ね?」

「ふふっ、正妃様にそのようなことをおさせする訳には参りませんわ。私が。」

「李順さん、ほら、こちらのお魚も美味しいですよ?」

「川魚ですか・・・」

「好き嫌いはだめですよ」
「食わず嫌いですわよ、お兄様」

追い詰められた李順は、しぶしぶ箸をつけ。

くすくすと、他人事のように笑う黎翔に、夕鈴の矛先が向く。

「陛下?さきほどからピーマン残してらっしゃいますよ?」

「え?気のせいだよー。」

「いいえ・・・さあ、お召し上がりくださいね?」

にっこりと笑い、夕鈴が箸でピーマンを摘む。

「はい、陛下。・・・・あーんして下さい。」

箸を片手に、夕鈴が迫り。
じりじりと、黎翔が後ずさる。

兎が狼を追いかける、珍しい図が展開された_________。






ひとしきり、賑やかな食事風景が展開されたのち。

夕鈴と芙蓉は、湯殿へ向った。



「素敵な湯殿・・・・」

うっとりと湯に浸かり、夕鈴は手足を伸ばす。

香りの良い果実が浮かべられた乳白色のお湯は、滑るような手触りだ。

「本当に・・・・正妃様のお肌がさらに艶やかになられますわ。」

夕鈴の後れ毛をそっとまとめながら、芙蓉も頬を上気させて温泉を楽しんでいた。

「正妃様、宜しければ、おみあしを・・・・」

「はい?」

「ふふ、よくお兄様にして差し上げますの。疲れが取れましてよ?」

ゆっくりと、細く美しい芙蓉の指が、夕鈴のつま先からふくらはぎまでを揉み解す。

「ふぅ・・・・ほんとう、きもちいいです~・・・・」

馬車に揺られ座り続けた脚は、正直に浮腫んでいた。

芙蓉はうっとりと目を瞑る夕鈴をにこやかに見守りつつ、ゆっくりと疲れを揉み解す。

「・・・・ん・・・ふぅ・・・・・・っあ・・・・」

ゆったりと漂う湯煙に、夕鈴の吐息が溶けこむ。

「ほんと・・・・ふようさん・・・じょうず・・・・・」

縁にもたれかかりながら、夕鈴はうっとりと目を閉じた。





「___________李順。」

隣の湯殿で、黎翔はぼそっと呟く。

「・・・・・なんですか、陛下・・・・・」

心底嫌そうな李順。

「・・・・・何が『じょうず』なの?」

底冷えする瞳で李順を睨み付けた黎翔に。

「マッサージです!!!何考えてんですか!!!!」

_____________食ってかかる側近であった。









離宮・王と正妃の寝所。



「ねえ、夕鈴」

「なんですか?」

「温泉・・・・気持ちよかった?」

「ええ、とっても!芙蓉さんがマッサージまでしてくださって・・・ほんとうにお上手なんですよ。よく李順さんにもしてさしあげ・・・・・って・・・そうだわ・・・・わたし・・・」

「どうしたの?」

「わ、私!湯殿で陛下にマッサージして差し上げたこと、ないですよね?!」

ガシッと黎翔の襟に掴みかからんばかりの勢いの夕鈴に、黎翔はたじろぐ。

「う、う・・・ん、そうだった?」


_________いつも僕がマッサージしちゃうから。

出かけた言葉を飲み込む。


「そうですよ!湯殿でマッサージ!芙蓉さんにやり方を・・・教えて頂かなきゃ!!」

「いやいや、いいから!夕鈴、いいってば!!」

「だめですよ!芙蓉さんは妻の鏡です!見習わなきゃ!」

「・・・・・・僕としては・・・・夕鈴にされると・・・・色々と困る・・・」

「・・・分かりました。私にマッサージされるのは、お嫌なんですね?」

いつのまにか目の据わった夕鈴が、じとーっと自分を睨んでいることに黎翔は気付いた。

「え?どうしてそうなるの?」

「・・・だって、陛下、湯殿でマッサージ、私にされるの嫌、って。」

目を潤ませ、夕鈴は背を向ける。

「・・・そりゃ、私はへたっぴかもしれませんけど・・・・そりゃ、上手な女官さんとかにしてもらったほうが、気持ちいいのかも、しれませんけど・・・・」

「ゆう・・・・」

「わ、私の陛下に、誰かが湯殿で・・・って、思うと・・・・いや、で。」

「・・・うん。僕も夕鈴以外に触れられるの、いやだよ。」

「ほんと?」

「うん、ほんと。」

「じゃあ・・・・触れて、いいですか?」

「もちろん」

_________密かな、夫婦の時間が始まる。







離宮・側近夫婦の寝所


「芙蓉、疲れてませんか?」

「ええ、大丈夫ですわ、お兄様。」

よい香りのする茶を淹れながら、にこやかに答える芙蓉に、李順は寄り添う。

「・・・・よい香りです。」

「おにいさま・・・・お茶、を」

「後ほどいただきますよ__________さあ、芙蓉・・・・」

「あ・・・・おにいさま・・・隣室には・・・・」

「大丈夫ですよ。おまえの美しい声は・・・・誰にも聞かせませんから______」

「・・・・っ・・・・んっ・・・・」




____________柔らかな漆黒の夜が更けていく。
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