2013_04
28
(Sun)09:39

追憶の花

【設定・未来】




4/28「庭の日」ということで♪




《追憶の花》



___________これは夕鈴に初めて会った頃、よく挿していた花。

___________あれは花恵宴で「春」を届けてくれた、花。

___________こちらは、夏の離宮で。

___________あちらの花は、バイト終了間際に、よく挿していた・・・花。




黎翔が即位してから30年の月日が流れ。

「冷酷非情」と呼ばれた珀黎翔の治世の下、白陽国は栄えていた。

国民や臣下に畏れられながらも、慕われ。

後宮は賑わい、世継にも恵まれ。

「・・・・・もう、何も、憂う事はないな・・・・」

そうっと、花に、触れる。

「・・・・・ゆう、りん・・・」

くるくるとよく動く、生き生きとした瞳と、その愛らしい顔。

さらり、と流れる薄茶の髪。

『陛下!!』

よく通る、その名の通りの鈴のような声。

胸を焦がし、手に入れることを躊躇い。甘く、苦しかった、あの日々。


「今は昔・・・か。」

ふっ、と笑みを浮かべ、優しく花を撫で。


くるり、と振り返る。


「正妃様とのお約束のお時間でございます。」

李順が節目がちに告げ。

「________ああ。」


黎翔は、撫でていた花をぷちん、と摘み。

そっと、甘い香りを楽しみ、口付けを贈る。

___________あの頃の夕鈴、に。






追憶の花園を抜け、向う先は、池の畔。

四阿にて王を待つのは、大輪の花のように艶やかな_______『正妃』。


「_________陛下、お待ちしておりましたわ。」

優雅に微笑み、正妃はふと目を留める。

「あら?こちらの花は・・・・」

「ああ・・・・懐かしいだろう?___________夕鈴。」

もう一度、花に口付けを贈り、黎翔は妻の髪に花を挿す。

「愛している」

心からの、言葉とともに。





☆ちなみに、後宮が賑わっているのは、子ども達が騒々しいからです。笑
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