2016_09
20
(Tue)23:14

合奏


こんばんは。
昨日は次女のピアノの発表会でした。
連弾、緊張しましたがなんとかノーミスでいけた、はず。(笑)

そんなこんなで陛下と夕鈴に合奏をしてもらいました。
一発書きの見直し無し。←見直せ
アップしてから直します。←おい

それでは、もし宜しければ。

【設定 本誌沿い】
《合奏》


そうだ。
私から目を逸らすな――――夕鈴。





いつも世話になっている侍女たちを慰労したい、と。
ある日夕鈴が提案してきた、宴。
夕鈴の手料理を僕以外の人間に振る舞うのは面白くなかったけれど、可愛らしくお願いしてくる彼女に僕はあっさりと敗北した。

「美味しそうだね!」
「そ、そうですか?宮廷料理に比べると茶色っぽくて地味で……。」
「なら、花を飾ればいい。」
「あ!そうですよ!あの食べられる花を…!!ありがとうございます陛下、大好き!」
「僕も大好――――って、夕鈴……。」

流石は、兎。
感嘆すべき速足が老師の温室へと消えていく。

「慰労の宴、ね。」

心を尽くした料理と一人一人への感謝の手紙。
それだけで十分だと思うのだが、彼女はまだ『足りない』と言う。
器を飾る花を提案しただけでこの始末。

「夕鈴、君は『お妃様』なんだよ?」

くすくす、と。
自分でも信じられないほど幸せそうな笑い声が唇から漏れて。

「――――ならば、夫としても感謝の念を表すべきだろうな。」

僕は、この。
『夕鈴ならでは』の宴に加担することに決めた。


翌日。

「あのさ、夕鈴。僕と合わせない?」
「?」

可愛らしく首をかしげる夕鈴の頬に口づけて、更に言う。

「楽器を合わせないか、ってこと。」
「え、」
「侍女たちへの良い慰労になると思うんだけど?」
「陛下、楽器お出来になるんですか?!」
「あんまり得意じゃないけど、琵琶とか笛とか、まあ、適当に。」
「……あの、私は箏でいいですか。」
「氾大臣から聞いたよ。最近は紅珠のおかげで上達したみたいだね。じゃあ決まり。あんまり時間もないことだし適当な曲を水月に選ばせるから明日にでも紅珠を寄越すよう手配するね。」
「は、はいっ。」

半ば、いや。
かなり強引に了承させほくそ笑む。
頑張り屋の夕鈴のことだ。
これで少しは僕と過ごす時間が増えるだろう。
そんな考えはおくびにも出さず涼しい顔で諸事諸々を李順に命じた途端、ものすごく嫌そうな顔をされた。

「陛下は琵琶になさって下さい。私が教え易いので。」
「笛はダメ?」
「折ってしまわれそうで怖いんですよ!」
「……。」

昔々、上手く吹けないことにイラついて古びた笛を折ってしまったことを思い出した。

「あー、うん。」
「琵琶の糸も安くないですからね?!撥も!扱いは慎重に願います。」
「はい。」

なんだかんだと言いながら、李順は氾に話を通し夕鈴は紅珠の教授のもと日々上達して。
僕は政務の合間に忘れかけていた琵琶の音を手繰る日々。

「陛下……昔より相当下手になっておられます。」
「分かってる!」

相も変わらず手厳しい李順の言葉にイラつきながら、僕は必死に曲調を覚えた。

そして。
宴当日。

「やだ、泣かないで下さい、ほら、ね?」
「お妃様……!」

突如開催された妃手ずからの宴に感動して泣きだす侍女たち。
やっぱりな。
こうなると思ったんだ。

「お料理が冷めちゃうと不味くなっちゃいますから、温かいうちに召し上がってください。」
「っ、ありがとうございます…!」

後宮では望むべくもない、湯気の立つ膳。
涎を垂らしそうになっている僕に気付いた夕鈴が、にっこりと笑いながら料理を運んでくれた。

「陛下のは、特別です。」
「そうなの?」
「今日の宴を許して下さったお礼の意味も込めて、特別にお饅頭が三つなんです。しかも――――」
「あ!兎だ!夕鈴みたい!」
「どうせ私はお饅頭です。」
「あ、いや、そうじゃなくて!」
「……ふふっ。」

和やかに過ぎていく、楽しい時間。
いつになく寛いだ様子の侍女たちに満足しながら、夕鈴と席を立つ。
こちらに集まる視線を縫い止める様に、隠しておいた楽器を取り出した。

「まあ!」
「陛下とお妃様が、楽を?」

期待に満ちた言葉と眼差しが、痛い。
なんだこれは。

「陛下、大丈夫ですか?」
「夕鈴、」

まさか。

「緊張、しますね。」
「う、うん。」

この僕が、緊張――――いや!そんなはずはない!
なにより、夕鈴に情けない姿を見せる訳にはいかない。
ふぅっ、と小さく息を吐いて笑顔を作った。

「――――大丈夫、僕がいる。僕の音に集中して……ね?」
「……っ、はいっ!」

ぱあっ、と。
花が咲いたような笑顔に吸い込まれそうになりながら、二人手を取って座に就き。
息を、心を合わせて最初の音を摘む。

そうだ、夕鈴。
私だけを見て、私の音だけを聴け。
絡み合う音と視線が旋律を奏で溶けていく様を楽しもう。

最後の一音、まで。




後日。
紅珠が記した『宴』の様子は国中に広まり。
国王と妃の合奏見たさの女官志望者が殺到したという。



告白   
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C.O.M.M.E.N.T

連弾、お疲れ様でした。
いいなぁ、愛娘ちゃんと連弾なんて素敵。
ふふふ、私も陛下と夕鈴の宴に参加希望しますっ。
侍女になれないかちら←年齢制限に引っかかる

2016/09/21 (Wed) 00:35 | くみ #17ClnxRY | URL | 編集 | 返信

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2016/09/21 (Wed) 01:25 | # | | 編集 | 返信

連弾。お疲れ様で御座いました。ええ、無かったんですよ。ミスなんて…そう信じれば…日々は穏やかに過ぎ去ります。←

なんて素敵なご褒美!!わ、私も宴…に出席は出来ないだろうから(当たり前)侍女…もB型気質でムリだから(笑)下女で洩れ聞こえて来るのを聞いてていいすか?←変〇

2016/09/21 (Wed) 14:31 | 行 #jxT87rSU | URL | 編集 | 返信

くみ様へ

くみ様…。
私、ピアノ苦手なんです…。
なんで連弾やることになったのか、いまだに謎で(笑)

それより!
年齢制限あるんですかね、侍女さんって。
いっそ姥桜の方が色々都合が良いこともあるよ陛下!
ゴリ押ししてご一緒に採用試験をパスしましょう!
ああ、侍女さんになりたい。←

2016/09/21 (Wed) 23:48 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

宇佐美さまへ

こ、この長さならね。早いんだよ。
問題はほら。
原稿。
あれは本当に脳みそが煮えるね!
うささんの流麗な文章下さい。脳移植希望。
つか、新刊一番に買う!

2016/09/21 (Wed) 23:50 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

行さまへ

え、行さまは浩大に取っ捕まって岩牢でピシピシ鞭を…と思いきや隙を見て奪い取り浩大を縛り上げて逆にピシピシするのかと。
下女より刺客なイメージです。←失礼
だってスレンダー美女なんだもん、行さま。
持ってるものは鈍器や鋭利だし。

そしてその目的は寝室の盗聴www
録音データ下さい。←

2016/09/21 (Wed) 23:53 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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