2016_09
02
(Fri)12:42

花籠7


……あれ?
「花籠」が迷走しております。
あれだ、ほら。
本誌萌えで色々吹っ飛ぶパターンですね!(こら)

スタートとゴールが決まっているSSもありますが、書き始めてからゴールを探すSSもあったり。
また、予定していたゴールとは違う目的地にたどり着くSSもあります。
たまに迷走したままどこかに消え去ってしまうものも(笑)
「花籠」はどうでしょうね。
最初に予定していたお話よりも明るい方向に向かっているような気がします。(気が、ってなんだ。)
おかしいな、出たとこ勝負なSSじゃなかったはずなのに。
長編書くからこうなるんだ私!

原稿と本誌とSSとで、脳みそがパンクしたみたいです。(笑)






【設定 本物夫婦】
《花籠 7》


ぎりっと引き絞られた矢が放たれる、その少し前。
ゆったりと長椅子で休んでいた夕鈴は、驚いて声を上げた。

「浩大、浩大!」
「どうした?」
「あの人――――ほら、少し離れたところにいる警備兵の右側にいる人、克右さんじゃない?」

ほらほら、とそちらを指さす夕鈴。
浩大は悪戯が見つかった子どものような顔だ。

「お妃ちゃん、目がいいね。」
「だってあんなに背が高い人、珍しいもの……って、どうして克右さんがここに?」
「陛下が警備を増やしたんだよ。」

本当は『増やした』どころか最低限のもの以外は全て夕鈴に付けてある。
つまり黎翔の警備は手薄だという事なのだが、それを夕鈴が知ればどうなるか。
簡単に想像がついてしまう自分に苦笑しつつ、浩大は自分の予想が外れることを願った。

「警備を増やした?私の?」
「そう。」
「克右さんを私に付けるほど?」
「まあね。あの軍人さん、陛下の昔っからの――――ぐえっ!」

隠密にあるまじき油断。
突然襟を掴まれバランスを崩した浩大がたたらを踏む。

「ちょ、お妃ちゃん離し、」
「正直に言って、浩大。」

怪我人とは思えぬ力で浩大を揺さぶり、ぎゅっと唇を噛む夕鈴。
(ああ、分かっちまった。)
気付いてしまったのだ。
自分のために黎翔が我が身を危険に晒している事に。
今この瞬間にも彼が――――誰よりも大切な人が命を落としているかもしれない、その可能性に。

「大丈夫だ、陛下は強い。」
「行って浩大、今すぐ!陛下を守って!」
「それは無理だよ、俺は『花守』だ。」
「っ!」

それは、浩大が絶対に譲らない一線。
道具たる自分の主である黎翔が一番大切にしているものを守る。
それが浩大にとって最も大切なこと。

じっと彼の目を見据え、夕鈴は微かに唇を開いた。

「――――お願い。」
「ダメだ。」

真っ直ぐに己を射抜く茶色の瞳から目を逸らさず答える花守。

「……っ、」

花の顔がくしゃりと歪む。

微動だにしない浩大と唇を噛む夕鈴を見守っていた侍女たちがハラハラし始めた頃、大きな男がひょっこりと四阿にやって来た。

「お妃様にはご機嫌麗しく―――――って、なに見つめ合ってるんですか。」
「克右さん!」
「ご挨拶が遅れて申し訳ございません、先ほど陛下より護衛を仰せつかっ」
「お願い、すぐ陛下のところに行って!」
「え?」
「いいから早く!」
「でも私はお妃様の護衛を」
「なんでもいいから早く……っ、もうっ!分かったわ、私が行きます!」
「「ええええ!!」」

ゆらり、と。
射られた左肩を抑えつつ、四阿の階を降り始めた夕鈴。
その背後で顔を見合わせた克右と浩大から深いため息が聞こえて。

「分かりました、私が参りますからお妃様はお部屋にお戻りを。」

克右が折れた。

「あれー?軍人さん、命令違反?」
「――――貴様がお妃様と見つめ合っていたと報告しておいてやる。」
「ちょ、それだけは勘弁して。」

じろりと浩大を睨み付けて克右は走り出した。
ここから黎翔がいるはずの軍部の馬場まではかなりの距離がある。

――――間に合うか。

風を切って走り続ける克右の前方。
馬場を囲む城壁の上に、複数の影が視界に入った。

「お妃様の勘が当たった……なっ!」

脚を速める。
兵を連れて来られなかったのが悔やまれるが、仕方ない。
勝手知ったる城壁を駆け上がる。
影が潜む最上部を目指しつつ克右がすらりと剣を抜いたとき。

馬場に向けて矢が、放たれた。

「陛下、危ない!」
「李順、お前も危ないぞ?」
「何落ち着き払ってるんですかー!」

飛来する、複数の矢。
前回の襲撃よりかなり数は減っている。

「やはり狙いは私の様だな。」
「その様ですね―――っと、何人で射てるんですかねこれ。」
「そうだな、五人か。だが今一人減った。」
「は?」

バシッと弓を払いのけた李順が城壁に目を向けると、遠目にもそれとわかる大男の一撃が射手を沈めたところで。

「克右殿、ですか。」
「夕鈴の護衛を命じていたのだが……ったく。」
「なにが『ったく』ですか。彼のおかげで命拾いしてる真っ最中ですよ?!」
「……李順、お前余裕だな。喋りながら矢を払えるのか。」
「どなたかのおかげでこういった修羅場には慣れておりますからね、ええ。どなたかのおかげで。」
「……。」

ぎゃいぎゃいと賑やかな馬場を見下ろしながら克右はひとり、刺客の残党を打ちのめしていく。

「覚えてろよ、隠密……陛下にご報告してやるからな。」

思いのほかに手強い抵抗を見せた最後の一人の意識を失わせ、克右はふぅっと息を吐いた。



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C.O.M.M.E.N.T

ええ、よくある事ですよ(笑)迷走ww←

長編なんて夢の又夢な私には一つのお話しを続けることが難しい。…向いて無いww

ヒャッホーイ!こっくー大活躍!!で、最後は残念な扱いなんでしょ?←希望。
李順さんのサラリとした嫌味が大好きです(キリッ)自分も上げて落とすタイプなんで(笑)昨日、息子に『どうしてお母さんは褒めたままで終われないんだ。最初から否定するか最後に否定するかどっちかだよね。』と言われました。…ソレが君の母です!と言ってやった私はド○ですww

2016/09/02 (Fri) 13:25 | 行 #jxT87rSU | URL | 編集 | 返信

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2016/09/02 (Fri) 13:49 | # | | 編集 | 返信

お久しぶりでーすwww
って言いつつ覗いてはいるヤツです(笑)

あさ様の迷走うぇるかむ♪
だって、予定は未定じゃなぃですか?
私得意分野です!←おぃ

それにしても…
何時どんな時でも、ヤッパリ夕鈴は強し!ですね。
マヂギレしたら向かうところ敵無し的な?
陛下相手に、嫌み炸裂な李順サンも何気に好き(笑)
もぉ皆でギャイギャイやっちゃって下さいwww

2016/09/03 (Sat) 22:57 | いち #- | URL | 編集 | 返信

あい様へ

こっくー、いいですよね!
なんていうか弄りたくなります。←

さて。
こっくーと浩大。
どちらに軍配が。←そんな話だったのか

2016/09/08 (Thu) 22:33 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

行さまへ

長編苦手仲間。
推敲すればするほど短くなる本文。
全消ししたくなる衝動。
原稿で死んでましたすいません。
推敲嫌いだ…自分の妄想文読み返すとか何の拷問。

2016/09/08 (Thu) 22:34 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

いち様へ

いつでも覗きに来てやってください(笑)

予定は未定ですよね、ええ。
良かった同意を得た。←

推敲で死にそうな脳みそになってますが、続き頑張りますね。
ありがとうございますー!

2016/09/08 (Thu) 22:36 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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