2016_08
18
(Thu)23:22

花籠5


後日下げるかもしれませんが、とりあえず書いたとこまでUPを。

コメントへのお返事、遅くてごめんなさい。
皆様の優しさに甘えてのブログ運営でございます。

どうしてこうも、時間がないの?
答えは夏休みだから。
ふふ。
ふふふ。



【設定 本物夫婦】
《花籠 5》



文字通り手を結んだ嫁と姑の動きは素早く。
真っ先にとばっちりを食らったのは嫁の護衛である浩大だった。

「そんな青い顔で何言ってんの?!」
「そんなことないわ、光の加減よ。」
「おいおい、嘘だろ……。」

げんなりとした隠密を従たおぼつかない足取りの妃が向かう先は。

「ちょ、お妃ちゃ~ん、これじゃ標的にして下さいって言ってるようなもんだよ~?」
「それでいいのよ。」

紫苑宮に近い、小さな四阿。

黎翔の父が生前、寵愛する舞姫を喜ばせようと随所に植えた四季折々の花々が囲むそこに、夕鈴はたった二人の侍女を伴い腰を据える。

「マジかよ。」
「私はいつだって本気よ。」

四阿から少し離れた叢に身を隠した浩大は、深々と息を吐いた。

「そう言うのを『無鉄砲』って言うんだぜ?」
「うるさいっ!」
「……地獄耳。」
「なんか言った?!」
「別にぃ。」

不貞腐れ地に伏しつつ、彼は『侍女』達に目線をくれる。
狼陛下の寵愛を一身に集める妃に仕える彼女たちは、選び抜かれた隠密でもある。
技量的には浩大に及ぶべくもないが、それでも。

「頼むぞ。」

たぶん、盾くらいには、なる。

「――――お妃様、少し風が強うございます。屏風を立てても宜しゅうございますか。」
「ええ、お願いします。さ、貴女たちもお茶をご一緒しましょう?」
「ありがとうございます。今日の茶菓子は老師が取り寄せた……」

優雅に妃然と長椅子に寛ぐ夕鈴。
いつもならしっかりと背筋を伸ばして石の椅子に腰を下ろす彼女が長椅子の肘掛に身体を凭れかける。

(お辛いに、違いない。)

侍女たちが眉を顰め、浩大が唇を噛む。
その遥か後方には、黒い影。

「――――。」

囮を買って出た最愛の妻をじっと見つめる狼が握りしめた掌から血が滴り落ちる。

「守ると、誓ったのに。」

誰にも聞こえない、呟きを。

「君を傷つけたくないのに。」

風が運び、天に届け。
覚悟を、促す。

「――――ただ守られるだけは、嫌……か。」

誰も信じず他を寄せ付けぬ自分とは違い、周囲を魅了し味方を増やす、彼女。
世にも稀なる春を呼ぶ花、には。

「籠など、不要だったか。」

くくっ、と自嘲して。
黎翔はゆっくりと踵を返す。

「私も負けてはいられないな。」

彼女が戦っているのなら、私がそうせぬわけにはいかぬ。
どれほどの敵がいようとも、決して。

我が花は、損なわせぬ。



C.O.M.M.E.N.T

こんばんは

2回目のコメントですが
前回どのニックネームを
使ったか忘れてしまい
実質初コメントになるかもしれません。

いつも楽しみに読ませていただいています(*^^*)
ありがとうございます

2016/08/19 (Fri) 01:02 | みきママ #Okh7TLLo | URL | 編集 | 返信

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2016/08/21 (Sun) 19:53 | # | | 編集 | 返信

みきママ様へ

二回目のコメント、ありがとうございます。
初コメントでも二回目でも三回目でも、嬉しいです~。

最近更新停滞気味で申し訳ありません。
書いてはいるのですが、イベントの原稿で。
ブログUP用のSSに手が回らず(汗
のんびり楽しんで頂ければ、と。はい。(笑)

2016/08/25 (Thu) 09:26 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

ゆん様へ

ドキドキして下さっているうちに続きを、と思ってはいるのですが。
遅くてごめんなさい!

頑張れ陛下!←逃

2016/08/25 (Thu) 09:28 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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