2016_06
02
(Thu)22:38

因幡の白兎5


ええと。
今回、さらりととんでもないことが書いてある場所があります。
さて、どこでしょう。←おい

陛下は面会謝絶に耐えきれるのでしょうか。
とりあえず、お話は進んでおりません!←威張るな



【設定 本物夫婦 お子様なし】
《因幡の白兎5》


暑い。
いや、熱い。

「…っ、」

異常なほどの喉の渇きに目が覚めた。
水が、欲しい。

「っ、けほっ、」

起き上がり小さく咳をした途端、すぐそばにいた侍女に背を摩られる。
辺りは、真っ暗。
辛うじて人影を認識できる程度にまで落とされた灯火は、自分の眠りを妨げないための物だろう。
まだ火照りが残る肌にそっと触れ、小さく頭を下げた。

「ありがとう。」
「お妃様…!」

陛下の反対を押し切って勝手に茶会を企画した。
陛下の敵を減らすために、貴族の方々と仲良くなりたくて。
少しでも妃らしくなろうと思って、頑張った。
でも。
その結果が、これだ。
子どもみたいに日焼けした、みっともない妃。
私―――バカみたい。

「…っ、ひっ、く、」
「――――っ!」

情けなくて、悔しくて。
やるせなくて。
唇を噛んだ。

「…お泣きにならないで下さいませ、お妃様。」
「そうですわ、せっかく頬の赤身も引いてまいりましたのに。」
「まあ、今度はお目が真っ赤!」
「さあ、お水を。氷を砕き入れてございます。」

沈み込んだ主を励まそうと、侍女たちは必死だ。
夕鈴の頬に伝う涙を布に吸わせて氷水を運び。
その冷たさに驚く妃の様子に、微笑みかける。

「お妃様、鏡をご覧あそばしませ。」

灯火を起こし、大きな手鏡を夕鈴に渡した。

「あ。」
「いかがでございましょう?」

陽の明かりとは違い、赤みを帯びた灯火のそれに照らし出された自分の顔が映る。
以前、営みの最中のあられもない姿を黎翔に見せつけられたことを思い出し一瞬叫びそうになったがどうにか耐えて覗き込む。

「あ、あれ…?」
「かなり良くなっておりますでしょう?」

正直、驚いた。
あんなに腫れ上がっていた頬が元に戻っている。
まだ火照りはあるし赤みも引いたとは言えぬが、これは、かなり。

「…すごい、治ってる。」
「ええ!ご安心なさいませお妃様、きっと明後日までには元通りになられますわ。」
「うわー…ほんと、すごい…どうやってこんな…あんなに酷かったのに。」

――――治ってる!

ぱあっ、と夕鈴の表情が明るくなる。
それにつられるように侍女たちも笑い、華やかな笑みが灯火を揺らす。

「老師が仰るには睡眠が一番のお薬らしいですわ。さあお妃様、ごゆっくりお休みくださいませ。」
「はい、そうしますね。」

心の底から安堵して眠りに落ちていく、夕鈴。
その意識が深いところに落ちていく寸前に感じたのは、自分の頬に手に当てられる冷たい感触。

寝ずに看病をしてくれている侍女たちのためにも。
今自分にできることはしっかりと眠ることなのだ。

夕鈴は温かいものが胸に満ちるのを感じながら、誰にも邪魔されることのない眠りに落ちていった。



C.O.M.M.E.N.T

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/06/03 (Fri) 11:35 | # | | 編集 | 返信

行さまへ

へんたいさんの必須アイテム、それは鏡。
手鏡姿見を駆使して様々な角度から(やめろ)

夕鈴は大変だ…。(違)

2016/06/03 (Fri) 19:49 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント