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2016_03
24
(Thu)23:23

確認


本誌発売!
おめでとうございます!

本誌ネタバレじゃなくてごめんなさい。
三日前に書きかけて寝落ちたSSを完成させたらこうなりました。

ええと。
本誌ネタバレ。
にやり。←
返事しましたよ、ええ。色々と。


【設定 原作沿い】
《確認》


「あ~…いい気持ち。」
「そ、そうですか?!」

狼陛下の後宮。
唯一の妃が住まう部屋の、長椅子。

「いいにおい…柔らかいなぁ。」
「っ、変な事しちゃダメですよ!」
「ん?『変な事』ってなに?」
「くっ…な、なんでもありません。」

冷酷非情と噂される国王と、妖怪と噂される妃は、今。

「ふにふに~。」
「ひゃっ!」

ただひたすらに、じゃれついていた。

「…あれ、陛下、肩凝ってませんか。」
「そう?」

うーん、と難しい顔をした夕鈴が黎翔の肩を探る。
擽ったそうに首を竦めた黎翔の頬が、ぴくりと引き攣った。

「え、」
「あー、ごめんね、気にしないで。」

夕鈴が探り当てたのは、極力薄く巻かれた、布。
包帯だ。

「陛下…これ、いつ、」
「ああ、大したことないんだ。克右と鍛錬したときにちょっと失敗しちゃってね。」

――――もう大丈夫、全然平気!

そう言って起き上がった黎翔は、きまり悪げに笑って見せた。

「かっこ悪い?」
「いいえ!」

即座に断言し、夕鈴は夫を睨む
狼陛下にしては下手過ぎる嘘だった。

「なんで、隠すの?」
「……。」

きゅっ、と寄せられる柳眉。
困ったような、怒ったような。
悲しそうな、その表情に。

「――――心配、かけたくなかった、から?」

ぽろりと本音が零れ出た。

「何言ってるんですか。」

ぷつん。
夕鈴は自分の中で何かが切れる音を聞いた。



「心配、かけたくない?誰が誰に?」
「え、と。僕が夕鈴、に?」
「…そう、ですか。」

ドスの利いた茶色の瞳が紅瞳を睨む。

「私は陛下の、何?」

ぎりっ、と奥歯を噛みしめて。
夕鈴の声が震えた。

「私…はっ!」
「ゆう、」
「私は、陛下の、なに?!」
「っ、」

弁解するように差し出した黎翔の手は、ぴしりと弾かれて。

「どうして、言ってくれないの、教えてくれないの?」
「違う、そうじゃないんだ。」

後退る夕鈴の目に浮かぶ拒絶の色に、黎翔は身震いをした。

「陛下のバカ、大っき―――」
「嫌いって、言わないで。」

嫌わないで。
憎んでもいい、詰ってもいい、罵ろうが、揶揄ろうが。

「お願いだ。」

疎まないで、嫌わないで。
願いつつ、事実をありのままに話した。

「この傷は、三日前に刺客にやられた痕だ。」
「三日前…。」
「うん。」
「…あの、もしかしたら、」
「……うん。僕がここに帰ってくる途中に、やられたんだ。」

夕鈴から血の気が引いた。

三日前。
『戻る』と言っていた黎翔が政務の都合がつかず後宮に戻れなくなった、その日。
よくある事だと自分に言い聞かせつつ枕を抱えた、あの夜。

「やだ、そんな、」
「ごめん。」

自分は、温かい寝床で黎翔を詰りながら眠りに就き。
黎翔は独り、戦っていたのだ。

広い広い、後宮。
迷路のように入り組んだそれは、王がどの房を訪れたのかを隠すためもあるが、刺客避けの意味もある。
だが、妃が一人しかいないこの状況はむしろ。
他者の目をはばかる刺客にとっては好都合なのだ。

「私がここに、いるから。」
「違うっ!」

違わない。
毎夜同じ部屋へ渡る国王。
辺境軍を率い、荒れに荒れた内政を武力で鎮圧した狼王。
彼を狙う刺客は数知れず、そして。
彼らにとってこの状況は好機以外の何物でもない。
それもこれも、全ては。

「―――私、が。妃、が…ひとり、だから。」
「違うっ!」

怒りに紅潮していた夕鈴の頬が、驚くほど白くなって。
噛みしめていた歯の根がガタガタと音を立てる。

「わ、わた、し、」
「落ち着いて、夕鈴。」

黎翔は知っていた。
自分が彼女を想うように、彼女も自分を想っているなら。
この傷は、彼女の心に傷を残す、と。

「君のせいじゃない。」
「…っ、」

伸ばした手は振り払われることなく彼女に届く。
蒼白になった夕鈴を、黎翔の袖が包み込んだ。

「黙っててごめん。」

冷え切った華奢な体に温もりが戻るまで、待ってから。
黎翔はおずおずと提案をした。

「夕鈴、一緒に暮らそう。」
「―――は?」

ぽかんと開いた口。
その愛らしさに今すぐ食らいつきたくなるのを堪え、黎翔はにっこりと笑う。

「僕の部屋、広いから。二人で住めばお得だよ?」
「た、確かに、そうですけど、」
「じゃあ、決まり!」
「は、はぁ…。そうすれば陛下を狙う刺客も減らせますか?」
「うんっ。」

狼陛下とその唯一の妃。
護衛対象が行動を同じくすれば兵たちは言うに及ばず隠密の労も減る。

「今までよりずっと楽になるよ。」
「はい、ではそうします!」

ぱぁっ、と夕鈴の顔が輝いて。
黎翔の心も浮き立つ。

「じゃあ、朝から晩までずっと一緒だね!」
「…朝と晩『は』一緒、です!」
「僕のお嫁さんは真面目だなぁ…。」

ふふ。
ふふふっ。

長い長い、夫婦の時間。
越えるべきものは、多いけれど。
見つめ合い、触れ合い。
語り合い、確かめ合えば。

力を、くれる。

C.O.M.M.E.N.T

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2016/03/25 (Fri) 15:15 | # | | 編集 | 返信

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2016/03/25 (Fri) 20:13 | # | | 編集 | 返信

あい様へ

おめでとうございます~!!
お元気そうでよかった!
おめでとうございます、おめでとうございます!

あちらの「あさ」は正体不明な人と化しておりますのでご迷惑おかけしてすいません!
プロフくらいはもう少し復活させた方がいいですかね。←聞くな
ID35が私です。

2016/03/25 (Fri) 20:45 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

まるねこ様へ

いやいやいやいや、なんだか読み辛いSSでごめんなさい!
ブツ切れ感が満載で、書き直した方がいいのか…。←書き直せ

本のご感想、ありがとうございます。
絵師様方のパワー、凄いですよねっ。
百聞は一見に如かず、なんだなぁ、と思います。
もはや本文が蛇足です!(笑)

2016/03/25 (Fri) 20:48 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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