明日には
こんばんは。
あさ、です。
実は昨日から、私の可愛い息子が(溺愛している末っ子長男)発熱いたしまして。
本日、インフルエンザB型と診断が下りました。
来たよ、インフル。
学級閉鎖が多発しておりますので、覚悟はしていたんですけどね?
インフルBってお腹にも結構くるんですよね。
ご飯大好きちび陛下。(息子のことです)
ご飯が全く食べられません。
「お腹空いたけど、食べたら気持ち悪くなっちゃうから食べない。だけどね、ママ。」
治ったら。
「焼きおにぎりとおかかご飯と納豆卵ご飯と明太子ご飯といくらご飯とお豆腐のお味噌汁と餃子とハンバーグが食べたいの。」
だ、そうで。
とりあえず、米を5キロほど買っておこうと思います。
早く、早く良くなあれ。
いつもは元気いっぱいなのに、ぺしゃんこになって横たわっている姿が不憫でなりません。
感染拡大阻止に努めつつ、ちび陛下を抱っこして眠ろうと思います。
そんなこんなで。
ひょっとしたらこれが、春コミ前の最後のSSかもしれません。
それでは、皆さま。
おやすみなさいませ。
【設定 原作沿い】
《明日には》
「お水が飲みたいな。」
「お白湯をどうぞ。」
身体を起こす素振りを見せれば夕鈴が手を差し入れ。
優しい力加減で僕を起き上がらせてくれる。
「お背に枕を当てますからね、寄りかかって下さって大丈夫ですよ。」
「うん、ありがとう。」
いつもより重たい身体を背あてに凭れさせ。
手渡された杯を口に運んだ。
ちょうどよい温度の、白湯。
ほんのり甘いのは、君の香。
「お腹は空きませんか?」
心配そうに聞いてくれるけれど、ごめんね。
「ごめんね、まだちょっとダメみたいだ。」
いつもとは違う、性質の悪い流感。
熱は下がっても内臓がやられている感じだ。
「でも、この白湯は美味しい。」
悲し気に、困ったように。
僕を見つめていた夕鈴。
その瞳がパッと輝いた。
「では、蜂蜜をひと匙いかがですか?」
なるほど。
固形物は無理だが、蜂蜜なら。
「じゃあ、もらおうかな。」
「はいっ。すぐにもらって来ますね。」
ぱたぱたと部屋を出ていく夕鈴の背を見送りながら、思い出した。
『さ、黎翔。口を開けて?』
『お薬は苦いから、イヤだよ。』
『きちんと飲んだら蜂蜜を上げましょうね。』
『はちみつ?』
『ええ。先ほど父上が…黎翔に、と――――』
生来あまり丈夫ではなかった母に似て。
僕は本来、頑健とは言えない。
小さい頃はよく熱を出していたし、今でも時折病を得る。
「はい、陛下。あーんして下さい。」
「あー…」
ん。
甘い。
『甘いね、母上。』
『よかったわ。』
『母上も食べて!』
『ええ、黎翔が眠ったらゆっくりと頂くわ。』
目を瞑った僕の耳に聞こえてきたのは。
父の声。
『黎翔は?』
『お帰りなさいませ、陛下。今しがた眠りましたわ。』
『どれ、熱は――――』
今ならわかる。
父は、病に乗じて僕が暗殺されないように手を回し。
母は、誰をも信じず手ずから僕を看病してくれた。
「――――陛下、ゆっくり休んでくださいね。」
「うん、ごめんね。」
「誰だって風邪くらいひきますよ、謝らないで下さい。」
くすっと笑う夕鈴の手を、ぎゅっと握る。
先を望まずに生きてきたけれど。
今の僕には、この手がある。
「夕鈴も、休んでね。」
「はい、陛下が眠ったら、ゆっくりと休みます。」
ふっ、と。
頬に笑みを浮かべ、黎翔は安らかな眠りに落ちていく。
きっと、明日には。
元気になれる。