2016_02
16
(Tue)10:00

甘味の後味


こんにちは。
バレンタイン、終わっちゃいましたね…。

「甘味」のおまけです。
がっつりではありませんが、R18でお願いします。
ここから先には大人の方のみお進みくださいませ。

さて!
通販事務作業行ってきます!



【「甘味」のおまけ】
《甘味の後味》


「はい、あーん。」
「あー…んっ。」

とろりと蕩けた茶色の瞳。
こってりと甘い自作のチョコ。
ブランデーをたくさん含んだそれをしっかりと食べさせられた夕鈴は、すでに酩酊していた。

「甘ぁぃ。」
「もう少し、深く。」
「ん。」

小さな口をいっぱいに開いて夕鈴はねっとりと熱い黎翔のモノを咥え込む。
赤黒いそれは、夕鈴だけのもの。
昔の事なんてどうでもいい。
先のことなんて、分からない。
今この時だけでいいから、手の届く未来のだけでいいから、自分だけのものでいて欲しい。

食べなれない甘い菓子のせいだろう。
夕鈴はそんな事を思いながら熱い塊を舐め続ける。
その頬に伝う涙を黎翔は長い指先で拭った。

「んぁ、へいか。」
「…夕鈴、何考えてるの?」

くぷっと粘液を引くそれを、黎翔は断腸の思いで引き抜いた。

「あ、いや、もっと。」
「どうして泣いてるの?」
「え…あ、やだ、私、どうして?」

戸惑う夕鈴。

「苦しかった?ごめんね。」
「いいえ、大丈夫です…。」

困ったように泣き笑う彼女の頬にもう一度触れた時。
ふっ、と。
黎翔の記憶の片隅に眠っていた言葉が浮かび上がった。

『来て下さるのが嬉しくて辛くて幸せで…哀しいのです。』

美しい頬に涙を伝わせ微笑む母。
苦し気に顔を歪めて母を見つめる父。

『私の愛は、君を殺す、か。』


「――――っ!」

胸が焼ける様に痛み、息が止まる。
同じ轍は踏むまいとしていたはずなのに、だめなのだろうか。
ここは、白陽国。
伝統と格式に縛られた国。
古きものを尊び新しきを挫く国。
『狼陛下』は、本来いてはならないのだ。
もちろん、その妃も。
僕は、異端の王。
国を傾けた愚王の息子。
僕には、無理なのだろうか。

「夕、鈴――――っ。」

君を幸せにすること、は。
私には過ぎた望み、なのか。

「……っ、く、」
「陛下、くるし、」
「――――。」

骨が軋むほどの抱擁に続き、深い口づけが夕鈴を襲う。
息を継ぐ間も与えられず、意識がもうろうとする。
吸い上げられて舐め尽されて。
歯列の裏をぞろりと舐められた瞬間、快楽が突き抜けて。
くたり、と。
夕鈴からすべての力が抜けた。

「夕鈴?!」
「やぁ、しんじゃう…。」
「っ!」
「へーかの、ばか。こんな風にされたら、もっと好きになっちゃう。」

真っ赤な顔で夫の胸に顔を埋め。
夕鈴はぷうっ、と頬を膨らませる。

「ずっとずーっと、私だけの陛下でいて欲しい、って…思っちゃう。」
「ゆう、」
「もうっ、陛下のおんなったらし!」
「ええ?!……むぐっ。」

面食らった黎翔の開いた口に、柔らかいものが押し込まれた。

「ん…ふ…っぁ、」
「――――。」

それは、小さな桃色の舌と。

「…どっちも、いい香り…。」
「ぁ、やん、まだ、くちづけ…。」

色とりどりの、花びら。

「ずっとずっと、君だけの僕でいるから…君も、ずっとずっとずーっと、僕のそばにいてね。」
「約束?」
「うん、約束。」
「……はい。嬉しい。」

ゆっくりと抱き合って、どちらからともなく倒れ込む。
花びらが敷き詰められた敷布に沈み、狼陛下は花を愛する。

「美味しいね。」
「あ、あっ、」
「蜜も花弁も芳しくて頭がくらくらする……今夜は寝せない。」
「んんっ!」

ほろ苦い思い出を幸せな甘さで包み込み。
ゆっくりと溶けていく。
後に残るのはきっと、ふたりの笑顔。
あらゆる困難を乗り越えて行ける、絆。



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2016/02/17 (Wed) 17:05 | # | | 編集 | 返信

novelloさまへ

こちらでは、初めまして。
コメントありがとうございます。
あさ、でございます。ぺこり。
あちらのお国では足跡付けてコメント残さない読み逃げ犯でごめんなさいっ。
私は読み専なんです!本当は!

陛下両親に萌えて下さって嬉しいです。
舞姫様は陛下が思っているほど不幸ではなかったんじゃないかな、と思いつつ書きました。

こんなブログですが、どうぞまたお気軽にお越しくださいませ。

2016/02/18 (Thu) 22:38 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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