2016_02
07
(Sun)14:09

高嶺の花2

お話が迷走中です(笑)

もし宜しければ。


【設定 臨時花嫁】
《高嶺の花 2》


「……ここは、」
「目が覚めたか。」

ぼうっとする頭を必死に働かせ、体を起こす。

「っ、」

自分の身体とは思えないほど、重い。
くらくらする。

「無理をするな。三日間眠り続けてやっと毒が抜けたばかりだ。」
「ど、く?」
「ああ、矢に毒が塗ってあった。」

――――そうか、腕を矢が掠って水指を取り落としたんだわ。
あれ、借金追加になっちゃうのかしら。

「……ふう。」

がっくりと肩を落とした夕鈴を、不思議そうに見つめる男。

「おまえ――――妃、なのか?」

くいっ、と夕鈴の顎を持ち上げ、しげしげと見下ろした。

「妃らしくない。少しは慌てるとか悲鳴を上げるとか怯えるとかは、ないのか?」
「……。」

場慣れしていてすいませんね、とは言えず。
夕鈴はじろりと男を睨み付けた。

「私を攫って、どうするつもり?」
「まあ、お前が本物の『妃』なら、狼陛下の弱点を聞き出すとか交渉材料にするとかするつもりだったんだがなあ。」

ふーっ、とため息を吐いて。
男は夕鈴から離れ、そばに置かれた椅子に腰を下ろした。

「お前は、妃じゃない。」
「っ!」
「生娘だろ、お前。」
「な……っ!」

ぼふっ、と。
男の顔に枕が当たる。

「な、な……っ!し、調べたの?!」
「ちょっと待て、落ち着け!」

次々飛んでくる枕。

「人が寝てる間に何てことするのよ!」
「だ、大丈夫だ!調べてないっ!今のは鎌をかけだけだ!だから投げるなっ!!」
「え。」
「ったく……あれだろ、回廊の柱の陰で妃と入れ替わった侍女とかだろ、お前。」
「……。」

どう答えるのが正解なのか。
夕鈴は口を噤んだ。

「名前を聞こうか、娘さん。」
「……汀、夕鈴。」

嘘はつかない方がいい、そう思った。

「まったく、とんだ偽妃をつかまされた。あ、俺のことは『お兄ちゃん』とでも呼んでくれ。」

――――偽妃。

ずきん、と胸が痛む。

「大丈夫だ、安心しろ……殺さないでおいてやるから、そんな顔すんな。」

くしゃり、と乱暴に頭を撫でられて。
夕鈴は俯いたまま、こくりと頷いた。

C.O.M.M.E.N.T

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