2015_10
30
(Fri)13:11

記念日 【拍手10,000御礼SS】

こんにちは。
あさ、です。
コメントへのお返事滞っておりまして申し訳ございません。
あと少しだけお待ちくださると嬉しいです。ごめんなさい。

少し事情がございまして、来週までSS書くのを自重しようと思っておりました。
『来週』といっても今日は金曜日なのでそんなに長い間のことではないのですが。(笑)
で、そんなことを考えていたら、拍手のキリ番を踏んだとご連絡をいただきました。

「拍手のキリ番にだけは、何があってもお応えせねばならない。」

というのが私基準です。
だって拍手ってひと手間かかるじゃないですか。
ポチらなくてもSSは読めるのにポチって下さるなんて、嬉しいじゃないですか!

と言う訳で。

拍手10,000のキリ番を押して下さった、Y様。
これまで皆様から頂きましたすべての拍手へのお礼も込めて、SSをご奉納させていただきます。

Y様、皆さま。
ありがとうございます。

心より御礼申し上げます。


2015.10.30  あさ









【設定 全部】
《記念日》



白陽国、国王。
珀黎翔二十一歳、新婚。

新妻との蜜月を心ゆくまで楽しんでいる彼には、一つ悩みがあった。

「ねえ、李順。知らない?」
「存じ上げません。」
「えー、元上司のくせに。」
「以前なら『特別手当』と申し上げるところですが、今は存じ上げません。」
「そっか…。」

ふぅ、と物憂げなため息。
だがそれに反し、黎翔の表情は明るい。
いや。
明るい、と言うよりもはや蕩けていると表現したほうが良い。

「もうすぐ一か月なんだよね。」
「…なにが、ですか。」

嫌そうな顔で返事をする側近。
国王はうきうきとした様子で続ける。

「僕と夕鈴がほんとの夫婦になってから、だよ!」
「はぁそうですかおめでとうございます。」
「何で棒読み…まあいいけどさ、だからほら、夕鈴に何か贈り物をしたいんだ。」
「…『おたま』でも贈られたらいかがですか。」

黎翔の顔がぱぁっと輝いた。

「百本くらいでいいかなぁっ!」
「冗談ですおやめください。」
「えー。真面目に答えてよー。」

時刻は、昼。
休憩に入ったばかりで人気のない政務室に李順のため息が満ちる。

――――もう付き合いきれません。

朝からそわそわしっぱなしの黎翔。
李順は午後の政務を諦めることにした。

「妻の好みをあれこれと探るのも、夫の楽しみの一つ、では?」
「っ!そうだよねっ!!」

満面の笑みを見せる黎翔。
子犬全開。
狼のかけらも感じられない狼陛下。
こんな姿は誰にも見せられない。

「午後の政務は宰相と調整いたしますので、今日だけっ!今日だけ、自由時間を差し上げます!いいですか、今日だけですよ?!」
「うんっ、ありがとー!」

羽が生えたような足取りで後宮へ向かう国王。
見送る側近の胃と頭が鈍い痛みを訴えていた。

「…しかし、おたま以外に夕鈴殿が喜ぶものとは、いったい…。」

弟君との面会?
特売の大根?
借金完済…は、もう終えられましたし。

「なんでしょうねぇ…。」

とんとん、と書簡を揃える李順。
その頬にも、笑みが浮かぶ。





「そうですのう…陛下のご健康ですかな。」
「うーんと、そうだなあ…陛下の敵が減ること、かな。」

後宮・老師の部屋。
夕鈴の好みを調査すべく現れた黎翔に、張元と浩大は声を揃えた。

「それでは夕鈴への贈り物にならんではないか。」

むぅ、と困る黎翔。
張元も浩大も同じような表情だ。
ややあって、浩大が口を開く。

「陛下が喜べばお妃ちゃんも喜ぶんじゃない?例えば綺麗な衣装とか贈ってさ、それを着たお妃ちゃん見て陛下が喜べば、お妃ちゃんも喜ぶ。」
「…そうかもしれんが、それではやはり…。」
「お妃様への贈り物と言うより、陛下のための贈り物になってしまわれますなぁ。」
「ああ、そうなるな。」

うーん。

重苦しい沈黙は、夕刻まで続いた。





そしてやってきた、満一か月記念日の朝。

「おはよう、夕鈴。」
「おはよう、ございます…へーか。」

まだ夜と言ってもよい刻限。
寝ぼけ眼の夕鈴。
その視界に飛び込んできたのは、お忍び姿の夫。

「ちょっと付き合って?」
「え?」

夫の真剣な様子に一気に目が覚めた夕鈴は、手渡された衣装に着替え。
促されるがまま、黎翔と馬上の人になる。

「どこ、行くんですか?」
「すぐ着くから。」

爽やかな風に包まれて馬は走り。
少しして、王都を見下ろす小高い丘に到着した。

「さ、着いたよ。」

ふわりと抱き下ろされて、草原に立つ。
優しく手を取られたと思ったら、自分を見下ろしていた黎翔の顔がすっと降りた。

「え、へい、」
「…夕鈴、ありがとう。」

さくっ、と草を踏む音がして。
狼陛下が跪く。

「僕のお嫁さんになってくれて、今日で一か月。」

花嫁の手にそっと口づけて。

「これからも、よろしくね?」

大きく見開いた茶色の瞳に自分を映し。
そっと差し出したのは、一輪の花。

「もっと気の利いたものを贈りたかったんだけど、思いつかなくてごめん。」
「陛下。」
「これからも、ずっと。この花が咲くたびに、僕と一緒にこの景色を見てくれる?」
「…はいっ!」
「ああ、よかったぁ。」
「陛下、大好き!」
「…っ!」

跪く狼を守るように抱きしめる兎。
黎翔の赤くなった耳と頬を、薄茶の髪が優しく隠して。
そんなふたりを祝すように朝日が注ぐ。

狼陛下とその花嫁。
二人の日々は、まだまだ続く。


花嫁   
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2015/10/30 (Fri) 14:21 | # | | 編集 | 返信

やっぱりあさ様のSSは私の活力になります。心が浄化される感じでとっても穏やかな気持ちになります。
色々な悩みも疲れも吹き飛びました。
書いてくださって本当にありがとうございます。
色々私生活も大変だと思いますが自分のペースで頑張ってくださいね(^^)

2015/10/30 (Fri) 19:06 | まるねこ #- | URL | 編集 | 返信

陛下も夕鈴の好むもの、わかってきたのですね🎵
この二人・白陽国、すべてのいく末気になります😆

やっぱり、あさ様サイコー😃⤴⤴です。
あさ様のペースで無理しないでください。
いつでも、応援してます。

2015/10/30 (Fri) 19:56 | なおかざ #- | URL | 編集 | 返信

ずっと読み逃げ派でした。
でも、やっぱりあさ様の文章が大好きなので、
あさ様のペースで続けていってくださると私もがんばれます!
はじめてなのに、わがままいいます。
閉めないでください!

応援してます!

2015/11/02 (Mon) 02:29 | ふくみみ #- | URL | 編集 | 返信

あい様へ

お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
読み逃げ歓迎、拍手はもっと歓迎です!(笑)

ピュアって大事ですよね。
どこに置き忘れてきたんだろう、ぴゅあ。
探さねば。(笑)




2015/11/03 (Tue) 14:02 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

まるねこ様へ

穏やかになるだなんて。
恐れ多いお言葉ありがとうございます。

リアがバタついている分、こちらだけでも穏やかにしたいものです。
少しずつでも続けていけたらいいなぁ。

2015/11/03 (Tue) 14:05 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

なおかざ様へ

これからの二人がどうなっていくのか、楽しみですよね。

拙いSSですが、楽しんでいただけてよかった。
のんびりと続けていけたらと思います。
ありがとうございます。

2015/11/03 (Tue) 14:11 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

ふくみみ様へ

ありがとうございます。
締めずに続けていけるよう、考えて参ります。

初コメント、嬉しいです。
どうぞまたお気軽にどうぞ。(笑)←こら

2015/11/03 (Tue) 14:13 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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